
選手を起用しても戦力ダウンがないU17リトルなでしこチームの強み試される決勝Tはガーナ
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舞
2012年10月01日 18:58 visibility86
吉田監督はこの日の試合を含むグループリーグの3試合でフィールドプレイヤー全員の起用を果たした。GKにも井上ねねを起用し、GK小高愛理以外の全員がピッチに立ったことになる。しかし、ターンオーバーという言葉が当てはまらないほど、どの組み合わせで選手を起用しても戦力ダウンがないのがこのチームの強みだろう。
しかも、彼女たちのサッカーは見る者を惹きつけ、次のゴールへの常に可能性を感じさせてくれるのだ。
吉田監督の真骨頂は攻撃サッカーである。その実力は世界でも群を抜いている。そのスタイルを実行するための個性的な選手が揃っているのだ。
ドリブルで切り込むプレイが得意なのはサイドMFの成宮、井上(彩)、籾木(もみき)結花、長谷川唯。ボールコントロールと的確なポジショニング、ゴール嗅覚を備えたFW増矢理花、長身FWの白木。左右サイドで効果的なオーバーラップを見せる清水と小島美玖の両SB。そして攻守に絶妙なバランスを見せるボランチコンビの中村みづきと隅田凛。誰が入ってもその攻撃力が落ちることはない。その圧倒的なまでの攻撃力はまさに「攻撃は最大の防御」を体現している。
吉田監督のこのスタイルがグループリーグでは吉と出た。日本が入ったグループCは、戦ってみれば日本が頭ひとつ抜け出ていた。無失点というのは、日本がそれだけイニシアティブを取る時間帯が多く、同時に相手のカウンターをしっかりとケアできていたことを意味する。言い変えれば、カウンター以外で守備にまわることはほとんどなかったのだ。
ただ、ピンチらしいピンチを経験することなく、ノックアウトの決勝トーナメントに臨むことは懸念材料のひとつではある。つい先日、日本で行なわれたU-20女子W杯準決勝で優勝候補に挙げられていたドイツと対戦したヤングなでしこは、それまでの相手とは格段にレベルが上のドイツに対し、後手に回ってしまった。もちろん、別の年代の異なるチームであるため同じ物差しで測ることはできないが、それと同じような事態にならないとも言えないだろう。
しかし、次に対戦するガーナは、スピード、テクニック、フィジカルの当たりなど、すべてがグループリーグの相手より1枚上となるので、状況としては似通っている。このグループリーグと決勝トーナメントの対戦相手の力のギャップを、試合の中でいかに埋めるか。これは選手たちにとっては未知の世界であり、自分たちの力で乗り越えなくてはならない。
そのために吉田監督はかねてから選手たちに「自分で見て、感じて行動すること」を植え付けてきた。選手たちを縛らず、多くを告げず、たとえ指示していないプレイをしても「それが選手たちの判断ならOK」としてきたのは、選手自身で判断する力を養うためだ。
この教えのもとに、選手たちは今の攻撃力を開花させているのである。次の準々決勝はいうなれば、U-17女子代表・リトルなでしこが初めてぶつかる世界の壁。相手はグループD2位のガーナ。初めて対戦するアフリカ勢だ。
身体能力が高く、日本が得意とする個の突破もこれまでのようには通用しないだろう。それを踏まえたうえで、攻撃をどう展開していくのか。そして、これまでは相手の攻撃の芽を流れの中で摘み取ることができたが、予想以上のスピードで襲いかかってくるであろうガーナの攻撃をどんな手で封じるのか。そこがポイントになるだろう。
そのことは選手たちも十分に理解をしている。だからこそ、9-0という大量得点での第3戦の勝利にも関わらず、選手は表情を引き締めている。誰もが口を揃えて「自分たちのサッカーをする」と言う。
常に自分たちのスタイルを目指しながらも、それだけに凝り固まらず、広い視野で試合の流れの中でベストな選択ができるか。U-17世代の可能性が試される一戦となることは間違いない。
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