香川は、監督の信頼を失っているのだろうか?

  • viva
    2013年04月09日 17:50 visibility129

マンチェスター・ダービーでの、香川真司の「起用法」にはちょっと驚いた。「起用法」といっても、アディショナルタイムで負傷したヤングに代わってピッチに入っただけ。つまり「補充」でしかなかった。サー・アレックス・ファーガソン監督は事実上、香川を「起用しなかった」のである。

あの試合展開の中で起用されなかったということは、現在、香川はファーガソン監督の信頼を失っているとすら思えてくる。

試合は、後半の立ち上がりに中盤でギグスがボールを奪われて持ち込まれ、最後はミルナーに決められシティに先制を許し、すぐにFKから同点に追いついたものの、78分にアグエロの個人技で決勝点を奪われるという、マンチェスター・ユナイテッドにとっては最悪のシナリオで、ホームでの久しぶりの敗戦を喫してしまった。単に得点経過だけでなく、後半の70分前後の時間帯を除いて、マンチェスター・ユナイテッドはつねに劣勢だった。

ファーガソン監督は、この試合、オーソドックスな4‐4‐2を選択。ギグス、キャリックがミッドフィルダーでトップにファン・ペルシーとルーニー。そして、サイドハーフにウェルベック、ヤングという布陣だった。攻撃は、左右からの突破が基本のようだった。開始直後は、マンチェスター・シティもアウトサイドを多用し、激しい攻め合いとなった。そして、その段階ではむしろユナイテッド優勢とも見えた。とくに、左サイドのヤングとエブラの突破に、ツートップ、さらに右サイドのウェルベックも絡む攻撃がなんどかチャンスの芽を作った。

だが、次第にマンチェスター・シティの2列目がゲームを支配し始めた。シルバ、ナスリ、ミルナーがポジションチェンジしながらパスをつなぐ攻撃に、ユナイテッドの守備が振り回される。シティは、ボールを奪うと、トップのテベスにくさびのボールを入れ、テベスが落としたボールを2列目がうまく回して攻撃の時間を増やす。両者ともに決定機までは至らないものの、前半の45分間は、明らかにシティの攻めの方が有効に機能していた。ユナイテッドはルーニーにボールが渡ったときに、ルーニーがタメを作って、両サイドやファン・ペルシーを使ってチャンスを作るものの、ウェルベックもヤングもファン・ペルシーも一人で崩そうとして突っ込んでいって、ことごとくつぶされてしまう。

ユナイテッドとしては、こうした「劣勢」を覆すために、何らかの修正や変更が必要なはずだった。なんとも、腑に落ちないのは、ハーフタイムを迎えても、シティに先制ゴールを許しても、ファーガソン監督が一向に動こうとしなかったことだ。「サイドからの速攻が機能しないのであれば、中盤(中央)で攻撃を組み立てる形に切り替えるべきだろう。それなら、香川の出番」と思ったのだが……。

今シーズン、マンチェスター・ユナイテッドが香川真司を加入させた狙いとしては、昨シーズンのチャンピオンズリーグで惨敗したことの反省があったと伝えられた。ヨーロッパの相手と戦うためには、イングランド・スタイルの4‐4‐2だけでは不十分。そこで、香川を入れて、「トップ下」を置く形も取り入れようとした、というのだ。

実際に、チャンピオンズリーグのグループステージでは、トップ下を置く形にトライしたものの、なかなか新しいやり方が機能するには至らず、チャンピオンズリーグは結局、ベスト16の段階で姿を消すことになる(レアル・マドリードとの戦いは、けっして内容的に悪いものではなかったが)。来シーズンもヨーロッパでの戦いは続くのである。それなら、ヨーロッパ対策を今から考えておいてもいいだろう。プレミアリーグの優勝争いは、すでに事実上決まっているのだから、いろいろなことにトライできるはずだ。

そして、「ヨーロッパ対策」という意味では、このシティ戦などは格好のテストとなるはずだ。2列目でしっかりパスをつなぐ攻撃。イングランド・スタイルというよりヨーロッパのスタイルに近いマンチェスター・シティの攻撃が機能しており、ユナイテッドは劣勢に追いやられていた。後半、「ヨーロッパ対策」のテストという意味も絡めて、トップ下を置いてつなぐ攻撃を試してみる価値はあったのではないか。

結局、ファーガソン監督は、後半も並びはそのままで選手を入れ替えるだけだった。「香川のトップ下」という形に信頼を置いていないのだろうか?もしそうだとすると、プレミアリーグの戦いが、ユナイテッドの優勝という形で終わった後、香川にはどのくらい出場機会が与えられるのだろうか?

日本代表は、本田と長友の2人の主力級が長期離脱中で、復帰の時期も明確になっていない。復帰してからも、フォームを取り戻すまでにどのくらいの時間が必要になるのかも計算できない。そうなれば、やはり香川への期待は大きくならざるをえない。その香川が、ユナイテッドでの出場機会を減らしてしまうとなると、日本代表の強化に大きな支障をきたしかねないということになる。もちろん、ワールドカップ予選突破には支障ないだろうが、コンフェデレーションズカップ以降、「来年の本大会に向けての強化」という面ではヨルダン戦の敗戦で突破決定が先送りになったことと同様に「黄色信号」が灯ってしまったようだ。J SPORTS

ユナイテッドが香川を獲った理由は、アザールが獲れなかったから..

どちらにしてもチームでレギュラーを取れずに試合勘を失っていった選手の行く末はきついな..

 

 

 

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