原監督の戦術の問題点(2007.11/2)

前の日記で,「原監督は戦略面に関しては合格点」という趣旨のことを書きました.前の日記では書きませんでしたが,伊原さんや尾花さんといった,外様の有能なコーチを迎え入れる度量の大きさも立派なものです(これについて,割と評価されていない気がする).


ここでは,と かく批判される「原采配=戦術」について書きたいと思います.,私は,(試合に入っての)原采配の問題点は,試合の流れや選手・ファンの思いを無視しすぎ る(あるいは気づかない)点だと思います.たとえば,采配ミスの例としてよく引き合いに出される,一死満塁で5番二岡に代打:小関をだした例です.確か1 点差でリードしていて,終盤に入っていてもう1点ほしい場面でした.5番で得点圏打率は高いが,併殺も多い右打者の二岡と,足も比較的早くて左打者で(2 軍での結果ではあるが)打撃好調という情報の入っていた小関とを比較したとき,「その場で1点をとる」ということだけなら,「小関の方が確率が高い」と 思って,原監督は代打小関を告げたのでしょう.でもその前の守備で,二岡はファインプレーをしていて打つ気満々でした.ファンも「打てる」ことを期待して いました.そういった「流れ」や選手・ファンの思いを原さんは無視して(あるいは気づかず)采配をしてしまうんですよね.結果として,その場にいるファン や選手にとって「予想外の采配」となり,結果が悪ければ「間違った采配」と位置づけられることになります.「予想通りの采配」で結果が悪くても,「間違っ た采配」とはされませんが,「予想外の采配」で結果が悪ければ「間違った采配」とされるんですよね.それの積み重ねが,「原は迷監督」という位置づけにな るのだと思います.


監督は,試合の流れや選手の気持に引きずられすぎてはいけませんが,無 視してもいけないと思います.これが積み重なると,選手の監督不信につながります.昨シーズンの巨人がそうでした.今年は,昨年の反省に基づいてか,上記 の試合の後で,原さんは二岡と話をしてその点についてきちんとフォローをし,二岡も納得して,その試合以降の二岡は良い結果を出しました(この点について も,もっと評価されるべきだと私は思います.ちなみに,長島前監督はこのような「フォロー」は皆無でした.)


巨人は,第2 次長島監督時代〜第1次原監督時代〜堀内監督時代(1993年〜2005年),営々と,ビッグボール的体質を持つチームを作り上げてきました.選手もファ ンもそれに浸ってきたのです.原監督がスモールボール(それも,クリーンアップにすらバントを強要する極端なスモールボール)を理想としても,選手もファ ンもついていけず,単に「原監督は変な采配をする」と認識するだけなんですね.


自分の理想とする野球観をもつのはよいことですが,手持ちの選手を見て,それにあった野球をしながら少しずつ理想に近づけていくべきだと思います.落合監督もヒルマン監督も,「手持ちの選手」に合った野球を徹底している点がすばらしいのだと思います.


最後に1ファンとして原さんへの個人的意見をひとつ.「(シーズン終盤の優勝を争う試合を除いて)クリーンアップにバントをさせるな!お前は,現役時代の自分の誇りや責任感を忘れたのか.」.失礼しました.

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