伝える言葉について

 

フットサルの練習で選手に何かを伝えようとした時、どんな言葉を選ぶか。
気を抜くと、「良い説明をしよう」と、ついつい言葉が増えてしまいます。

100ます計算を開発した、教育界の著名な陰山英男氏の言葉に、こんな一節があります。
「教師が授業をよくしようと思ったとき、第一にやる事は、話す言葉を減らすことだ。」
これは、フットサル指導にもあてはまるのではないでしょうか。

学校現場で例えれば、
「今日は地元の名産の大根を50年作っている〇〇さんが、学校に来てこれからの農業についてお話をします。〇〇さんはテレビでも紹介されたこの小学校の卒業生です。では、1時に家庭科室へ移動してください」

この説明、どこが問題でしょうか。

そうです、情報量が多すぎるんです。
「3時に家庭科室へ移動」
という肝心のことを聞き逃してしまう子どもが出てくる可能性があるでしょう。

「1時に家庭科室へ移動してください。特別授業をします」
この方が、シンプルで分かりやすいですよね。
細かい説明は、集まった後で十分です。
言葉は、最小限に。そして、結論を先に伝える。
これは、選手に考えさせることを促し、自尊感情を高めることにもつながります。

練習中は、
『自分で考え、目的のあるプレーができる女子プレーヤー』
『自分で自分を育てることのできる力を身につける』
というチームの目標から外れないように、選手一人ひとりの「よさ」を引き出すような声かけを心がけたいものです。

教育現場では、
「言葉を9割削れ」
と言う言葉があります。
9割にしろではありません。
9割削るです。

良い説明をしようとして、言葉を増やしてしまう。言葉が増えれば聞く側は理解する量が増えるので、大変になると言う例です。

自戒を込めて。

 



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