ヒバゴン (半分野球・半分非野球)

  • Mr.black
    2014年09月11日 10:23 visibility358

昨年秋、岡山県倉敷市で高校野球の中国地区秋季大会を観戦していた時のことです。

私の近くに座っていた老人同士の会話で以下のようなものがありました。


老人A: 「今度の大会に出ている広島の新庄という学校じゃけどのう、もの凄い山奥にある学校なんじゃ」

老人B: 「へぇ~。だいたい新庄って今まであまり聞かん学校じゃのう。どこにある学校じゃ?」

老人A: 「それがのう、『ヒバゴン』が出てくる山奥にあるんじゃ」


『ヒバゴン』という言葉に思わず耳がダンボみたいになりました。(苦笑)

若い世代の方々には分からないと思われますが、私の世代から上(50歳代以上)だと知っている方もいらっしゃるでしょう。

ヒバゴンとはいわゆる「雪男」や「ネッシー」や「ツチノコ」のような正体不明の未確認生物の一種なのです。列挙した中では「雪男」に類するものです。

この目撃情報が相次いだのは1970年代。場所は広島と島根の県境の比婆山(ひばやま)とその周辺地域一帯。なので「ヒバゴン」という名前が付けられたわけです。当時は新聞や雑誌などでかなりその存在の有無が報じられました。

長い年月を経てすっかり過去の記憶になっていたこの名前をまさか野球場で耳にするとは思いもかけなかったので、クスッと笑ってしまいました。


帰宅後、気になったので広島新庄高校の所在地を確認したところ、比婆山及びその一帯とはかなり離れていることが判明。ヒバゴン目撃地が現在は「庄原市」となっていて「新庄」と似ている地名なので老人が勘違いか覚え違いしたのでしょうね。


最後に余談ですが、このヒバゴン騒動をモチーフにした「いとしのヒナゴン」(作:重松清氏)という小説があり、更にそれを基にして「ヒナゴン」という映画も作られました。(主演:伊原剛志氏)

あいにく本も映画も目を通していないのですが、市町村合併で揺れる過疎地・比奈町(もちろん架空)の町長一行が町興しのような感じで「ヒナゴン」発見を画策するお話のようです。

映画の写真だけは見たことがあり、それではヒナゴンは類人猿みたいな毛むくじゃらの姿をしていました。1970年代のヒバゴンの目撃情報からイメージした姿だそうです。


実際にはヒバゴンは見つからずじまいで、「他の生物を誤認したのだろう」ということになり、いつしか世間から忘れ去られました。

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