
サッカーライフ
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TONO
2007年07月14日 04:54 visibility55
サッカーが好きだ。
試合の記憶、ゴールの感触、今までのサッカーライフを振り返ると自分の中に今でもその時感じた熱い何かが湧き上がる。
これからも試合の前日は自分の最高のプレーを想像し、夢見てそれを現実に近づける為にボールを追いかけてがむしゃらにゴールを目指すのだろう。
そんなサッカーに対してもうやりたくないと思った事があった。
中学生の時の事。僕のいたサッカー部は僕が2年の時に創設されすこぶる弱かった。結果的に公式戦1勝もできないまま終わってしまったほどだ。
何が悪かったと言えばまぁいろいろあるけど、最大の原因はサッカー部の顧問の考え方でレギュラーが年功序列制となっていた事だった。
僕など始めたばかりで1年よりも全然へたくそだったのにその結果レギュラーになってしまっていた典型的な例だ。
そんなまったく勝てなかったチームにもある日チャンスが来た。0−0で試合終了・・・そしてPK戦。俺は当然キッカー5人に選ばれなかった。
「勝ってくれ・・・」
まるで他人の試合を見てる様な感じだったのを今でも覚えている。
ところが・・・もつれにもつれ8人目の俺にお鉢が回ってきてしまった。
結果は・・・俺が外して負け。
初めて勝利の予感がした敗戦の帰り道・・・
1年の「俺達が出てればなぁ」という声が錯覚だったのか本当に聞こえたのか分からないけど聞こえてきた気がして消えてしまいたくなった。
さらに学校に戻ると既にその情報は何故か行き渡っていて、会う奴会う奴に散々に言われた。
俺は俺なりに頑張っているのに、何でこんなに言われなければいけないんだろう・・・
そうだよ、本当に俺なんかより1年が出てればよかったんだよ。
そんな風に思ったらもうこの先続けていける気がしなくなった。
楽しいから始めたサッカー・・・ただボールを蹴って少しずつうまくなってそれでよかったはずだった。でも、いつからか勝敗結果を求めてやっていた訳じゃなかったのに勝てない事、練習でも試合でもミスするのが怖くなってでサッカーをやる事が苦痛になっていた。本当にやめてしまいたかった。
だけどその時、同級生のチームメイト達は言ってくれた。
「俺も外したけど何か文句あるか?俺とこいつのミスの何が違う?PKをやったことないこいつまで回してしまった奴に責任はないのか?」
「次はPK戦にならずに勝てるように練習すればいいじゃないか」
その何でもない言葉達にものすごく救われた。俺はサッカー続けていいんだって言われた気がして嬉しかった。サッカーをこいつらとやっててよかったと思った。
結局その後も運動音痴な俺はついていくのがやっとで下手くそのままだった。そして迎えた3年時の引退試合の後、同級生達が言ってくれた言葉はサッカーを続ける限り忘れないだろう・・・
「正直お前が最後までサッカー続けるとは思ってなかったよ。よく頑張った、ありがとう。」
あまりにもありふれた言葉だったけど、まさかそんな事言ってもらえるとは思ってもいなくて不覚にも泣きそうになってしまったのを今でも鮮明に覚えている。 チームは勝てなかったし、俺はいつまでたってもうまくなれなかったけど頑張ってよかったと思った。これからもサッカーを続けていこうと思った。
そして、あれから10年・・・先日同窓会でサッカー部の話になり、PK戦の話をしたら元チームメイトは
「あのPK戦は誰が悪いわけでもなかったよ。俺もPK外したし、そもそもPKまで行かないで勝てればよかったんだし、単純にチームの力がなかっただけだよ」
と言っていた。今聞くと大した事はない、当たり前の話。でも10年前子供だった僕には大きな力をくれた。楽しいからやるんだと、楽しいからうまくなりたい、へたくそでもその気持ちがある限り失敗しても続けていこう。そう思えた。
いまフットサルのチームで勝てない、練習さえも人数が集まらずおぼつかない状態が続いている。楽しむという気持ちをいろんな余計な事で忘れそうになる。チームとしての結束もなく、意識もない。
せっかくチームを作ったのだから、皆で一つのチームなんだからどうせなら皆で頑張りたい。全員でうまくなっていって全員で勝ちたい。
いつか振り返った時、このメンバーでこのチームでやっててよかったなって思える様なそんなチームがいい。勝てなくてもとにかく皆で頑張りながら一つの事をできたらそれが一番いい。昔の思い出に浸りながら現状を思うとき、何だか少し寂しい今日この頃です・・・。
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- 事務局に通報しました。
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