我がチームの20歳の投手

我がチームには野球は未経験ながらも20歳の投手がいます。私との歳の差は18歳。自分自身がこれだけの歳の差の選手と同じチームでやることなど考えもしませんでした。
 今のチームに入れてもらい、私よりも10歳若い選手が中心を担っていて、その彼らとやることでさえ年齢的なギャップを感じることがあるのですが、20歳となるとその違いはさらに大きくなります。下手すれば、自分の子供であってもおかしくないわけですから。
 彼の希望のポジションは投手です。彼は前述の通り未経験ですから、投手の基本の「いろは」の「い」の字も知りません。強制的?に投手コーチに就任させられてしまった立場上、彼を指導することになったのですが、若いというのはやはり大きな武器なのです。物覚えがいいです。体がすぐに吸収してしまうのです。
 8月の始めに腕の使い方を指導しました。すると8月の終わりにはかなりいい感じで投げられるようになっていました。練習試合でその成果ははっきり出ていました。最初の登板のときは投げ方も悪くボールの走りも悪かったので、四球は少なかったもののかなり打たれて、飛ばされていたのですが、2回目の登板のときはコントロールはイマイチでしたがボールそのものは手元で伸びていて、球質も重くなっていました。
 相手チームの選手が「何であんなへぼピッチャーの球が打てないんだ?」と言っていたのが耳に入りましたが、当然なのです。投げ方がよくなっている分、球威が増しているので打っても意外と飛ばないし、球速も実際速くはないものの手元で伸びているので詰まり気味になります。初登板とは比較になりません。
 若さとはすばらしいです。年齢が行ってしまうと理屈はわかっていても体が覚えてくれませんから。しかし、それを彼はやってのけられるのです。勿論、それを習得するための大変な努力をしていることも見逃せません。しっかりとシャドウピッチングや筋肉トレーニングを欠かさずにやっていればこそなのです。
 練習は裏切りません。これからもさらに練習に精進して、一つでも二つでも上のレベルへ進めることを願ってやみません。そして、私自身、まだまだ彼には負けるわけにはいきません。自分の描くとてつもなく遥か遠い理想を目指して。

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