雨中の泥試合(1)

テイクOFFの3試合目。
昼過ぎから降り始めた雨は、夕方にはシトシト雨に。
中止を告げるにもタイミングが悪く、とりあえず集合する事に。


雨で中止を見込んでた輩も多く、集まりが悪い^^;
相手方の士気は高く、雨の中キャッチボールをやっている。。

先発予定の自分は、やる以上は投げなきゃならんので、アップを始める。


「投げるの?」


そんな中、そんな声が聞こえてきて、

「投げたい奴いなきゃ投げるよ」と何気なく答える。


「投げたい奴、いるじゃん」


「あー。そだね。一応訊いてみようか」


投げる気はあった。そのつもりでいた。
想えばここで「投げるよ」と言っとけば良かったのか。。


試合開始10分前、件の先発候補がやってきた。
先攻なので、投球練習時間は確保できる。これも運命だったか。


「投げたい?」


何気なく訊いてみた。あー訊いちゃったよ。

当然コイツはこう答えるよなー


「投げたいです!」


雨の中やってきてテンション低かったのに、瞳が輝きだした。


「お菓子買ってもいいよ」


スーパーの買い物に付いてきた子供に、

こう言ってあげた時を思い浮かべて欲しい。
ダッシュでお菓子売り場へ走り出すだろう。


その姿を見て、「やっぱヤメた」と伝える事ができるだろうか。

俺にはそんな非情な事はできなかった。


雨の中、ノックも打撃練習もせず、キャッチボールのみで試合が始まった。
この準備不足は言い訳できない。
相手方はこちらより年齢層高いにも関わらず、
野球ができる喜びを、勝利に賭ける執念を表しながら練習に励んでいたのだ。
いや、そう見えただけで、半ばヤケになって半狂乱状態だったのかもしれないが(笑


初回、先攻で1点取って、問題の投手がマウンドに上がる。


いきなり連続四球(゚Д゚;;)


投球練習してる時、雨でボールが滑るって感覚は無かったので、これは実力。

3番を捕飛として、4番に四球。


こ、これは・・・


1死満塁。。チームの誰もが押し出しを覚悟した。


が、ここから連続三振にしてチェンジ。

さあ、劇場の開幕だ!(つづく)

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。