関西独立リーグは何故失敗したのか?

大分前に書いていたエントリーですが、編集して書いていこうと思います。
関西独立リーグに関して産経MSNのページにて特集が組まれております。
【関西独立リーグの真相】(4)えりちゃん、神戸退団の“決意の裏側” (1/4ページ)


【関西独立リーグの真相】(1)運営会社の“ハプニング撤退”
【関西独立リーグの真相】(2)“自縄自縛”となった「選手給与20万円」の堅持


【関西独立リーグの真相】(3)お粗末過ぎたプロ野球ビジネスの“素人集団” (1/3ページ)

失礼を承知で書きます。







実は開幕前から関西独立に関してはどうしても「怪しい」という
いわば眉唾でしか見れませんでした。
それにはいくつか条件があって、その条件を満たしていない点から
「マズいな」とは思っていました。

・過去の例を材料にしていない
まず、先行した独立リーグが2組織(四国九州とBC)ありますが、どういう現状なのか、そしてどういう仕組みになっているか。
ここを材料として適切なマーケティングをしていないという点が挙げられます。

事実として顧客の住むエリアにある人口密度や企業の数、
お金の回り具合(消費)の度合いが都市部と地方では違います。
ですが、その分競合コンテンツの多さなど、ライバルも多く、
どうやったら観客が集まるかを分析していないという
致命的な欠陥がそこには存在していたのではないでしょうか。

WEBニュースでも語られていますが、都市部の物価を考えた給与体型が開幕直後の5月に破綻しており、それでも運営会社を信じて支払いを待ち、
選手側から出るかもしれない「月給20万円」に対する法的リスクを避けるべく
給与を下げる手を打ちませんでした。


「なんとかなる」というのは経営では通用しないでしょ。


雇用する人数分迷惑かけるのですから。
リスクを考慮しろとまでは言わないまでももう少し見極められなかったのかと疑います。

記事を見るかぎり運営会社の社長は口だけの模様です。
石毛氏も社長からの連絡がないままという事態になり、結果解任的な形を取られました。
そして事態は最悪の「記者会見での脱退」騒動へと至ります。
チームの経営者の苛立ちが混乱を招き、記者からなだめられるお粗末さ。
ここまで来ると一つの事が浮かびます。

計画倒産です



話題で資金を集めて、梯子を外す。
それを狙ったのかも知れません。
事実なら人情を逆手に取った最低な行為です。
そうでなくとも今回の事が許される訳ではありませんが。
その後も給与減額などの有効な対策が取れないまま、神戸のボイコットにはじまり、シーズンはゴタゴタのまま終えました。

以前のエントリーで
福岡で独立リーグは成功するか?」という話題を取り上げましたが
蓋を開けてみれば「成功しているかしていないかで言えばしていない」と言わざるを得ない結果でした。
結果として福岡は休止になりました。
福岡というよりも、九州では殆どがソフトバンクホークス
その独占市場を切り崩すような存在にはならなかったとも言えるでしょう。

関西でも言うならば阪神の牙城。
ましてやオリックスバファローズもいる。
都市の規模からしてもこの市場を崩すというのは結構至難の技であることは
目に見えています。

1年で見るというのは難しいです。
ソフトバンク(当時のダイエー)でさえ、移転してから球場が満員になるということには結構な時間がかかりました。

会社の経営体力というもの自体も必要条件なのでしょう。

・肝心なNPB、特に阪神との協力が出来ていない
確か阪神の社長かなんかが「球団ができることでファームの試合がしやすくなる(=実践的な練習の場が増える)」といった趣旨の発言をしていたはずですが、
いまのところそういった話が聞こえてきません。
ただ、阪神側も「怪しい会社とは組めない」と判断したのでしょう。
自分でも判断するでしょう。
経営がズタボロの会社と取引をするというのは自社の信用を損ねるリスクもありますから。
下手に協力すれば「お前この間はやってただろ?いざとなったら尻尾を巻いて逃げるとは無責任な!」と非難を浴びる可能性もありますから。

ただ、現状は甲子園で500円、鳴尾浜に至っては無料です。
有料で興行をやっている関西独立が1000円。
おまけにそこそこ有名な選手がいる。阪神相手では商売として成立できない気がするんですけどね。

そもそもがビジネスとしてあり得ない値段になってしまっていることが、
現在の経営危機を招いてしまったのではないでしょうか。


残念ですが、これが現実でしょう。

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