戦力外通告を受けた男達 総括1

昨シーズン、戦力外通告を受けた人・・・128人


木曜日、2度目の戦力外通告を受けた男達の壮絶な戦いの番組が放送された。


ソフトバンクを戦力外になった宮地克彦(35)と・広島東洋カープを戦力外になった福井敬治(30)の2人・・・


果たして1割にも満たない球界の扉を開けることが出来るのか?というものだった。

宮地
2003年西武を戦力外通告。その後、SBの入団テストに合格し、2005年ベストナイン獲得。
世間からは「リストラの星」とも言われた宮地克彦。
しかし2006年4月、オリックス中村の放ったライトフライを捕った際、右手首を損傷。
その後、出場機会に恵まれず、戦力外通告。

「前回に比べると意外に落ち着いている」

「(戦力外には)納得はしてない。もう一回チャレンジしようと思った。」


トスバッティングでは8メートル、30メートルと離れたネットに丁寧に入れていくという巧みなバットコントロールでアピールをする。


福井
最初に行われた合同トライアウト(グッドウィル)でHRを含む2安打で広島からオファー。
広島移籍後、自己最多となる78試合に出場、成績も最高潮だった。
だが、その後は勝負強さが影を潜め、戦力外通告となった。


福井には25歳の妻がいる。結婚して3年、2度の戦力外通告。

福井は「もし何かあったら私も働くと強く言ってくれたから・・・あれがなかったらがんばれなかった。」とトライアウトに向けての意気込みをカメラに語る。
トライアウトに向けて、練習相手は大須賀(G)
お互い打撃をアピールポイントとして打撃練習を行うモノの、両者共に投手ではないので打撃練習がうまくいかず。
「いまは普通の人なんで、練習相手が居なくて、仕方ない。」


そしてフルスタでの第1回トライアウト。現役復帰を目指す52人の参加が。
スタンドには福井の妻。最後の姿になるかも知れないために呼ぶものの、3打席凡退。

その後、井場(F)から2塁打を放ち、結果5打数2安打。


一方の宮地。5打数3安打。鮮やかなセンター前を運ぶなど、一番のアピール。


しかし、両者には連絡が来ず。
宮地「コレが現実って感じですかね。いっぱいいっぱいのとこでやってますけど気持ちは前向きに・・・」

練習相手の大須賀が広島に移籍。福井にはキャッチボールをする相手も居なくなった。

「いや、これが本当の現実ですよ。出来ることをやって悔いの残らないように・・・」

トライアウト前日、福井は三島の少年野球チームの練習場に。
子供達に混じってノックを受けた。


2回目。
福井は最終打席でヒットを放つモノの、この1安打のみ。
宮地も同様1安打で終わった。

トライアウト終了後、北信越BCの鈴木康友からコーチとしての打診が。
「正直体が動くと思っている。だから現役以外がなかなか考えられない。」


福井は1週間後、どこからもオファーが来ず、ユニフォームを脱ぐことに。

「今はもう凄く楽しい話ばかりしています。下を向いても仕方ないんで、
とにかく上向いていこうって話をしているんで、もう不安はないですね。」

宮地は北信越BCでコーチ兼選手として入団。
現役へのこだわりを強く語った。
「コーチという肩書きもしょってるんで、教えながらになるんですけど 一丁やってやろうかなって・・・」


ユニフォームを脱ぐ者、新天地で頑張る者、新たなステップを踏む2人のバース・ディ・・・


そう締めくくられ、番組は終了した。


 いろいろ考えてしまった。


引退セレモニーを行い、華々しく去る選手の影で、いきなり戦力外通告を受ける人々。

戦力外通告を受けた後、練習相手が居ない・・・

満足のいかない練習環境、そして解雇された人間が集うトライアウトの独特な緊張感。



世間は厳しい。でもプロ野球界はもっと厳しい。


「大好きな野球がしたい」


坪井のブログにはこう書かれていました。


でも、坪井を含め、現役でいられたのはわずか一割程度。

残りの大部分が社会に放り出されている現状。

次回はバース・ディと戦力外通告特番を併せた総括とその他の問題を出していきたいと思います。

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