忘備録 ⑨ 内纏外纏

内纏外纏と言う言葉を時折聞く。
元は、主に体を捻じった勢いで力を出し、利用するときの武術用語だ。
例えば、掌を内側に捻じるのが内纏、外側に捻じるのが外纏。
手足を伸ばしたり縮めたりする力に比べると些細な力だが、多くの武術はこの力の出し方を重視する。

何故か?
この内纏外纏の力は連動させやすいからだ。
足から捻じった力を太もも、腰、肩、腕へとつなげると強大な力を生み出す。用意に人を死に至らしめる力を出すことが出来る程だ。

この内纏外纏は、実はほとんどのスポーツでも無意識に行われている体の使い方で、野球も同じだ。
おそらくボールのスピードは力めば力む程ある程度までは速くなる。
が、肩肘に力が入るとこの内纏外纏が使えなくなる。力んだときに全力投球近くでスピードが出にくくなるのは、この力が阻害されるためだと思う。リラックスが重要視されるのはこのためだ。
だがそれ以上に問題なのが、内纏外纏が阻害される分だけボールの回転には生かせずに、死んだボールになることだ。この体の動きは、特にボールの回転に影響するものだと、実際にボールを投げてみるとわかる。
なぜこれがボールの回転に影響するかと言うと、通常投げるときは手首が立ってリリースするからだ。手首が立つと言うのは、簡単に言うと腕を水平に伸ばした時に、少し手首が内側に曲がっている状態のことを言う。このまま内纏させると、ボールに縦の回転を与えやすくなることがわかる。逆に手首が寝る(外に曲がっている)と、横回転になる。つまりシュート回転。

腕に限って見てみると、始動(内纏)→トップ(外纏)→リリース(内纏)という動きをしている。
なぜかボールが行かないとき、内纏外纏を使えているかを疑うと、修正しやすくなるかも知れない。

2014/5

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。