ザッケローニ監督「システムの問題ではなく、システムをいかに理解するか」/日本代表
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すーさん
2011年06月02日 06:59 visibility360
日本代表は1日、キリンカップサッカー2011でペルー代表と対戦し、新たなシステムやメンバーを試したものの、得点を奪えないままスコアレスドローで試合を終えた。以下、試合後のアルベルト・ザッケローニ監督のコメント。
●アルベルト・ザッケローニ監督コメント
「3月11日に大震災があって以来、初の代表チームとの試合となった。試合の一番の目的は、新しいシステムがどこまで機能するかというところと、新しい選手がどこまでやれるかをチェックすることだった。W杯予選まで残り時間が少なくなったなか、こういう試合を通じてできるだけ選手のデータを収集したいと思う。3バックの練習を2日間しかできず、3人(本田、長友、吉田)の選手が1日しか練習していないなかで、3-4-3のシステムを試してみたいと思っていたが、この試合で私が求めていた情報は収集することができた」
「配置されている選手が違っているので、思ったよりはうまくいかなかったが、新しい選手が入ったこと、新しいシステムだということを考えれば、うまくいかないのも想定内だった。問題はどこかと言うと、特にボールポゼッションをしているときに顕著に現れた。守備はまずまずの出来だったと思うが、攻撃のときにサイドにスペースがあるなかで、中へ中へと入ってしまった」
「両チームとも中盤のスペースを消す戦いになったので、終了間際にはシュートを打ったが、全体的にはシュートの少ない展開になった。後半になってからシステムを戻し、ボールポゼッションは高まったし、ポゼッションでは五分五分だったと思う。ペルーのコンディションが良かったという印象を受けた。コパ・アメリカ(南米選手権)に向けて準備しているという情報は聞いていたし、最後までフィジカルコンディションは保たれていたと思う」
Q:チェコ戦(7日)まで時間があるが、次の試合も3-4-3をやる予定はあるか?
「チーム状況、コンディションを把握して決める。現時点で3バックをやるのはリスクが大き過ぎると思われるかもしれないが、私の仕事はこのチームの引き出しを増やすことなので考えようと思う。今日の試合では、多くの交代がケガでやむを得ずしたものだった。チェコ戦までまだ数日あるので考えるが、欲しかった情報はそれ相応に手に入れることができた」
Q:監督就任以来負けていないが?
「目指すところは常に自分たちのサッカーを展開すること。今日に関しては他の試合よりも少しできなかった印象がある。今日ももう少しうまくやれば、スペースがもっと見つかったと思うが、相手が中盤に5人を配置していて中央が密集していた。サイドのところにスペースがあった印象はあるが、慣れていないのでうまくいかなかった。ペルーの出来も称えないといけない。中央でかなりスペースを消してきた。海外組はバカンスに入っていたし、ある程度ペルーの方がフィジカルコンディションが上というのは想定内だった」
Q:西に怒っているシーンが何度か見られたが、多くのものを期待していた?
「西に特に怒っていたわけでなく、自分のサイドにいたからそのように見えたのかもしれない。他の選手への指示も西に伝えていたので、そう見えたのかもしれない。西は今日が代表デビューとなったが、少し緊張していたと思う。それは当たり前だと思うし、彼の魅力は走力。今日も前にスペースがあって、もっと走り込むことができたと思うが、まだ代表に慣れていない。トレーニングも重ねていないので、できないのも理解できる。ペルーの5枚の中盤を越すことができれば、最初は関口、そのあと岡崎と西で相手のサイドバックに対して数的優位の状況ができるはずだったが、今日はうまくいかなかった。私はこのシステムが機能するようにしていきたいし、代表にはこのシステムに対応できる選手を呼んでいる。いわゆる慣れの問題だったと思う」
Q:前半は5バックになることが多く、あれだと3-4-3の良い面が出ないと思うが?
「5枚になるのは良い傾向ではない。ペナルティエリアのところまで来れば5枚になるのはいいが、基本的にはそうなってはいけない。しかし、あまり練習をやっていないし、ある程度は想定内だった。後ろが5枚になると、前線に3人残しているので、中盤は2人になってしまう。すると中盤で勝負が決まるので負けてしまう。もしくはFWを下げる選択肢があるが、そういうことはあまりしたくない。違ったところでバランスを取らないといけない」
Q:関口の評価と、前半途中で関口と岡崎のポジションチェンジをしていたが、その意図は?
「関口に関しては良かったと思うし、チームに貢献したと思う。サイドを変えた理由だが、最大の目的は同じサイドに西と関口というほぼデビューに近い選手たち2人が並んだので、代表に慣れている岡崎を持っていこうと思った」
Q:宇佐美を数日間(練習で)見た感想は?
「彼を呼んだのは手元において観察し、会話もしたかったから。認識してほしいのは、彼は五輪の選手であり、A代表の選手ではない。彼には期待しているが、良くなるか悪くなるかは彼次第だと思う」
Q:3バックの3人の距離感が近過ぎて、逆サイドにスペースができていたように見えたが、3人の距離感の理想は?
「慣れの問題だと思う。西にしても安田にしても、自分たちがディフェンスラインでプレーすることに慣れているので、練習で積み重ねていくことでしか解決できない。チームがうまく機能しないのは私の責任だと思う。当然、守備の本質はうまく守れたかどうかということより、点を取られなかったかどうかだと思う。(今回は)守れたけれど、攻撃がダメだった。当然ながら、5人になれば4人のときより守るのは楽になる」
Q:3-4-3はとてもリスキーなシステムか?
「他のシステムと同様、長所と短所がある。絶対的なシステムは存在しない。システムの問題ではなく、システムをいかに理解するかにかかっていると思うし、例えばバルセロナはあのシステムだから勝っているわけではなく、あのシステムを最大限に理解して活用している。バルセロナも最初からうまくいったわけではない。この3バックも(私に)強いこだわりがあるということではなく、いつも使うということではない、どこかの試合、ある状況でこれがあればいいということで試している。日本サッカーはサイドアタッカーを多く輩出していると思うし、サイドの攻撃が得意な選手を多く輩出している印象がある」<!--- interest_match_relevant_zone_end --->
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