ちびっこフロンターレサポ その２

小学生にとって90分間の試合を集中して観戦することは至難の業である。
男女にかかわらずゲームを始めたり友達とふざけあったりする。
しかし、柏戦で前に座っていた小４ぐらいの少年の集中力はすごかった。
ボールの行方から眼を離さず、真剣そのもの。見えにくいのか、

時折立ち上がって観戦。
（少年ばかり見てないでお前も試合に集中しろ）
ハーフタイムはさっと席を離れ食べ物を買ってきて、後半開始時には着席。
学校の授業でもこの集中力を維持すればオール５は確実だろう。
得点した時はいすの上に上がり、お父さんと一緒に狂喜乱舞。
おれも少年に負けないように選手たちを大声で叱咤激励した。

試合後、一緒に行った長女が言った。
「前に座っていた少年がお父さんのこと大きな声を出す変なおじさんと
思っていたみたいね。時々振り返って見てたよ。あの子も最後は大きな
声で選手を応援してたけど。私の隣に座っていた女の子が妹みたいだっ
たけど、小さいのに選手の名前をよく知っていた。感心した」

少年よ、大きな声で邪魔してごめんな。これからはあまり俺のことは気にしないで
試合に集中してくれ。ただ、ひとつだけお願いがある。試合中にあまり頻繁に立ち
上がらないでくれ。気づいているだろうが、君は段々と背が高くなってきている。
後ろにいる人たちが見にくいんだな。