お母さん、僕のあの麦わら帽子、どこへいったんでしょうね その1
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kazu
2011年09月19日 07:05 visibility977
表題は森村誠一の「人間の証明」が映画化された時に有名になった西条八十
の詩の一節。30年以上も前の映画なのでこのフレーズを知っている人は
40歳以上と推測される。
小学校2年生のかず君はこのフレーズを知るよしもないが、彼がおかあさん
に同じような質問をしたとこらからこの話は始まる。
かず君
「おかあさん、僕のあの強いフロンターレはどこにいったのかな」
おかあさん
「どこにいったのかしら。お星様になったのかも」
かず君
「えっ、お星様って死んじゃったてこと。もう帰ってこないの。
テセも川島も外国で元気だって聞いたよ」
おかあさん
「そうね、フロンターレは人間ではないからお星様になっても、帰って
くるでしょう。昔の“強いフロンターレ”ではなくて“本当に強い
フロンターレ”に生まれ変わって。それは難しいことかもしれないけど、
みんなが頑張れば大丈夫」
かず君
「よかった。それでどう頑張ればいいの。」
おかあさん
「サッカーの詳しいことはわからないけど、やっぱりみんなが勝とう
という強い気持ちを持たないとだめでしょうね」
かず君
「強い気持ちってどういうことなの」
おかあさん
「地震の後の最初の試合で仙台との試合があったでしょ。あの時に選手
たちは絶対仙台に勝つんだと思ってたのかしらね。おかあさんには
そうは見えなかった。仙台の選手は地震で死んだ人や被害にあった
人たちのために、それはもう必死だったはずよ。
それに川崎サポ以外の日本中の人があの試合で、仙台を応援してた
でしょうね。そういう時だからこそフロンターレの選手は死ぬ気で
頑張って、それに負けないぐらいの気持ちで必死で戦わなければい
けないのにあっさり逆転負け。ガンバや名古屋だったら勝っていた
でしょうね」
かず君
「なんかむずかしいな。だって、仙台の人たち地震でかわいそうだし、
負けてもいいんじゃないの」
おかあさん
「そうね、少しむずかしいかも。かずがこの前、柔道の試合で勝った時
うれしかったでしょう」
かず君
「うん、うれしかった」
おかあさん
「もし、かずにお父さんがいないとして、相手の人が“お父さんがいなく
てかわいそうだから、負けやってもいいや”って思ってたとしたら、
勝ってもうれしくなかたんじゃない」
かず君
「うん、あまりうれしくない」
おかあさん
「仙台の選手もサポーターも勝ってうれしかったでしょうけど、
フロンターレの選手の弱い気持ちやかずのようなサポーターのこと
知ったら少しがっかりしたでしょうね。これも少し難しいかもし
れないけど、フロンターレは仙台の選手やサポーターの人たちに
少し失礼だったのかも」
かず君
「ふーん」
おかあさん
「あの時、等々力でかずみたいに負けてあげてもいいやと思っていた
人多かったんじゃないかしら。そんな気持ちって選手にもうつる
ものなのよ」
かず君
「選手もそうだけど、僕も気持ちを強く持たないといけないってこと」
おかあさん
「本当に強いフロンターレになるためには選手もサポーターも強い気持ちを
持たないといけないってことかしら」
かず君
「そうなんだ」
その2に続く
- 事務局に通報しました。
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