お母さん、僕のあの麦わら帽子、どこへいったんでしょうね その2

  • kazu
    2011年09月20日 06:31 visibility173

おかあさん


「それと、フロンターレで働いている人も変わらないとね。選手紹介の前に
 流すビデオがあるでしょ」


かず君


「うん。仙台の試合の時もやってたよね」


おかあさん


「そうね、あのビデオは地震にあった仙台や東北の人を励ますためのもの
 だったからいいけど、神戸の時のビデオは選手やサポータを励ますために、
 麻生区の女の人からの手紙を紹介して“苦しい時にこそみんなで力を
 あわせて頑張ろう”ってことだったでしょ」


かず君


「まさか、あの手紙を出した麻生区の女の人ってお母さんなの」


おかあさん


「かず、何言ってるの!! あの人はおかあさんよりすごく年上よ。
 本当に馬鹿なんだから」


かず君


「おかあさんこわい」


おかあさん


「あらごめんなさい。それでビデオの話だけど、そろそろみんなを励ます
 ああいうビデオはやめたほうがいいと思うわけ」


かず君


「なんで、あれおもしろいよ。勝つぞって気持ちになるし」


おかあさん


「あんなビデオを見なくても、選手もサポーターも全力で戦わなければ
 一人前じゃないってことかしら。おにいちゃんは6年生だからもう
 “早くお風呂にはいりなさい”とか“帰ってきたら手を洗いなさい”
 とか言われなくてもちゃんとやっているでしょ。
 かずだって6年生になればそんなこと言われないし、ちゃんとやれる
 ようになるはずよ」


かず君


「あまり自信ないけど、そうなるように頑張る」


おかあさん


「そうね、頑張って。大きくなったらあれこれ言わないほうがちゃんと
 出来るのよね。言うとかえっていつまでも出来ない。フロンターレで
 働いている人たちがいつまでも、あんなビデオを作って選手や
 サポーターを甘やかしていてはだめ。あれじゃあ、小さい子供のまま
 で大人になれない」


かず君


「選手とサポーターと働いている人たちが頑張ってよくなれば
 “本当に強いフロンターレ” に生まれ変われるんだね。
 それっていつごろになるのかな」


おかあさん


「そうね。かずが大人になったころかしら」


かず君


「えっ、うそ。そんなにかかるの」


おかあさん


「冗談、冗談」


かず君


「おかあさんの意地悪。僕が3年生になったころだよね」


おかあさん


「・・・・・・・・ おやつにケーキを作ったから食べましょ」


かず君


「うん!!」

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