
「決められぬ」オシム
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リオネル
2007年10月03日 00:10 visibility87
不定期的に読売新聞に連載されるグルノーブルGM祖母井秀隆氏のコラム「日欧サッカー交差点」 。
オシムを日本へ呼んだ方です。今回は第2回目ですが1回目はオシムをオファーする時のあれこれが記載されてました。ご紹介しようと思いつつ…。できませんでした。
今回は代表の発表がいつも直前になる理由とかについて述べられています。
ご興味ある方はどうぞ…。
「決められぬ」オシム
日本代表のイビチャ・オシム監督は、なぜ代表メンバーの発表が合宿の直前になるのか。
オシム監督を知り尽くしたフランス2部リーグ、グルノーブルの祖母井秀隆GMが答えます。
J1ジェフの監督時代も、メンバー発表の直前まで悩んでいました。締め切りに間に合わず、「作戦なのでは」と勘ぐられたこともあります。決めないのではなく、決められないというのがオシムさんの性格です。優柔不断ではなく、一人ひとりを大事に思い、この選手はいい、この選手はダメだと簡単に分けられない。最後の最後まで選手のことを考えているからです。
練習でも、レギュラーとサブを区別することはありませんでした。当時のエースで韓国代表のFWだったチェ・ヨンスと新人で2トップを組ませたりしました。レギュラーとサブの区別はなく、どんな選手にも「自分にもチャンスがある」と思わせる配慮がありました。就任1年目には33人の登録選手がいましたが、32人が公式戦に出場しました。
2003年のナビスコ杯のC大阪戦では、若手中心の先発メンバーを見た相手が、「ひどいじゃないですか。これじゃ二軍だ」と私に言ってきました。しかし、試合はジェフがシュート数など内容でも上回り、0−0で引き分けました。
すべての選手がいつも一緒に練習しているから、どんな組み合わせでも連係が取れるのです。オシムさんの下では、全員が「プレーできて良かった。楽しかった」という思いを抱いていたはずです。
メンバーを考えるときには、大好きなカードゲームをしながら、スタッフの性格や指導のスタイルを探っていました。ドイツ語やフランス語の雑誌もよく読んでいました。サッカーに限らず、考えることはオシムさんの生き方そのものです。パチンコばかりしている若手の有望選手について、「残念だ。時間があれば、本を読むとか、語学を勉強するとかできるのに。私のやり方はボーッとしている時間を少なくすることだ」と、ぼやいていました。
この話を聞いた私は、その選手達に「監督は口には出さないが、期待している。パチンコしている時間はない。サッカーを考える時間を少しでも増やさないといけない」と伝えました。選手たちはオシムさんの気持ちに気付いたのでしょう。現在は日本代表に入るなど活躍を見せています。
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- 事務局に通報しました。
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