入社5年目の危機?!それとも転機?〜前編〜

先週の金曜、社長に久しぶりに会う機会があった。

仕事でどうしても話しを聞いてもらわないといけない事があり“社長室”へ・・・。

俺:「失礼します。」
社長:「どうそ!」
俺:「お忙しい時にすみません。来週の○○社長との食事会なんですが・・・。」
社長:「場所は前にいった○○がいいな!!」
俺:「分かりました。では、予約しておきます。」
その他、当日、取引先に行く、スケジュール調整を行った。そして、部屋をそろそろ、出ようとした時、社長が俺に「ちょっと!!」と引きとめられ「話しがある」との事。

社長:「今日の夜って何やってんの?!」
俺:「今日ですか?特に用事もなく家に帰るつもですが・・・。」
社長:「じぁ、ちょっと空けといて。」
俺:「・・・はい。何処かへ行かれるんですか?」
社長:「うん。ちょっとね・・・。」
俺:「はい。分かりました。じゃ、5時10分に会社の“玄関”でお待ちしています。」
社長:「分かった。ヨロシク!!」
俺:「では、失礼します!」

社長室を出て、自分の机に戻り、色々と仕事を済ませ、5時5分には社長を会社の“玄関”で待っていた。

しかし、中々降りてこない・・・。

「もしかして、忘れられてる?」と思い、恐る恐る社長室に内線を掛けた。

出ない・・・。何回、鳴らしても出ない・・・。

まぁ、忙しくてまだ、出れないんだろう!と思い、俺はまた、自分の机に戻って明日の朝にやる予定だった仕事を片付けていた。

すると・・・。

ピピピピピ!!!!ピピピピピ!!!!

会社の電話が鳴り、誰からを確認すると電話の相手は「社長!!」
社長:「何やってんだよ!?」
俺:「え、僕は会社にいますよ!!」
社長:「会社の“玄関”で待ってるって言うから俺がずっと待ってんだよ!」

実は、うちの会社“玄関”が二つある。「表」と「裏」があり、俺たちは何時も“裏玄関”から出入りをする。
ちなみに、社長は“表玄関”から車で出入りをするので、俺との“行き違い”があった。

しかし、うちの会社は5時を過ぎると“表玄関”は「封鎖」されてしまい、例え社長であろうと会長であろうと、5時を過ぎれば“裏玄関”から出るのが“規則”なのである。

なので、態々“表玄関”に行く必要性が全くと言って良いほど、ない!!

俺:「す、すぐに向かいます!!すみません!!」
社長:「早く来いよ!!」
急いで、会社を出て“表玄関”へ・・・。
少しご立腹の社長と会長・・・。

会長!!??

何故、会長が此処に・・・。
会長:「君、あんまり年寄りを待たしちゃいけないよ。もう、長く立ってらんないんだから(笑)」
俺:「す、すみません。本当にすみません!!」
会長:「ま、いいよ!さぁ、行こうか!!」
俺:「え、ど、何処に?」
会長:「えっ?!聞いてないの?銀座だよ!俺の経営してる店に行くんだよ!」
俺:「は、はぁ・・・。」

前に会長が“音楽好き”で開店したお店が銀座にあると部長から聞いた事があった。ただ、そこは課長以上の人間でないと行ってはいけない!という噂があり、さらに俺達の中ではそのお店に行った人達は必ずと言って良いほど“出世”もしくは“転勤”のどちらかを「宣告」されるらしい・・・。まさに「天国と地獄」のどちらかを会社のトップから言い渡される・・・。俺は「ああ・・・とうとう俺も“転勤”かぁ〜(;_;)」と思いながら、一つ不思議な事に気付いた。周りを見れば俺以外は誰もいない・・・。本部長も部長や課長なんかの“何時ものメンバー”がいない・・・。

も、もしや“クビ”?!
恐る恐る、社長に聞いてみた・・・。
俺:「あの〜今日は、僕一人だけですか?本部長や係長は?」
社長:「君、一人だよ!あれ?!本部長から聞いてない?うちの会社は“入社5年目”の人達を会長の店に連れて行ってみんなで食事をするんだよ“昔”から。で、今年の“入社5年目”は君、一人だけ!って事。」
俺:「あ〜なるほど・・・。」←ちょっと安心(^−^;
俺自身も忘れていた“入社5年目”という事を社長と会長は覚えてくれていた。他の会社なら中々、無い事だと思うし正直に嬉しかった。

俺:「電車で移動するんですか?」
社長:「違うよ!皆で一緒に車で行くよ!」
俺:「車・・・。え、社長の車に乗せてもらえるんですか?」←それも、ちょっと嬉しかった(^-^;

そして、車で20分〜30分程度で“会長のお店”に着き、中へと入っていった。
内装は「ハワイ風」な感じで、思っていた以上にとても良い雰囲気のお店だった。料理も結構、有名なシェフらしく、会長や社長は全部、英語で注文をしている。
俺は、その横でただ“ジッーーーっと”待っているだけ・・・。
その時の“空気の重さ”は俺が生きてきた中で一番、重かった。
だって、何も話す事がない!共通の話題も暮らしも全く“別世界”の人間が一緒にいて「会話」が生まれるはずもない・・・。

お店に入って1時間が経ち、正直“干乾びかけていた”俺に勇者が舞い降りた。

何時も、仲良くしてもらっていた広報部の先輩が来てくれたのだ!!



しかし、この“勇者”が実はとんでもない「悪魔の実」を持っている事を俺は知るはずもなくただただ、喜んでいた。

続く。

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