少ない戦力を最大限活かす影山采配

(1)システムに囚われない臨機応変のシステムチェンジ

岐阜戦で、初めて見せた形で、身長のある10チアゴ、20川又、19中野のパワープレイ特化の4-3-3システム。
2012シーズン開幕前の山陽新聞の記事で、4バックを併用すると言ってましたが、この試合で、やっと見れました。
一度だけ、惜しいシーンを作れたので、狙いは良かったと思います。
パワープレイは、オプションの一つしては、有効な戦術ですから監督として、自分達の3-4-2-1システムに拘らないという勝利に徹した強い信念を感じました。
ビハインドに立てば、今後も影山監督が採用する可能性は、十分あると思います。
一つの選択肢として、完成度の高いものにして欲しいです。

 

(2)ポジションに囚われない選手の能力を考えた選手起用・交代

代表的なのが、13石原のWB起用、5植田のWB起用、18竹田のCB起用、36関戸のST起用、2沢口のDH起用でしょうか。
選手の特徴を上手く掴んだ良い選手起用方法だと思います。
中でも驚いたのが、17服部のST起用。
機能したかどうかは、別として限られた戦力を最大限活かそうという影山監督の苦労と少しでも良くしようという影山監督の気持ちを感じる采配でした。
影山監督は、全員守備・全員攻撃を掲げていますが、これはつまりトータルフットボール。
選手が流動的に動き、その状況に合わせてプレイする。
ポジションという縛りは、無いんだという影山監督のサッカー哲学を感じますね。
そういった素質があれば、それまでのポジションは、関係無い。
今後も、そういった機転に富んだ采配に期待したいですし、楽しみです。

(3)選手のその日の状態を見ての選手起用

守備陣以外は、スタメンを固定しないという状態の良い選手を起用するという采配は、見事ですね。
選手の状態を見極める事で、この試合に負けるまで、無敗を継続出来たのは、そのためだと思います。
限られた戦力で、戦うには、そういった休養も必要ですし、長いシーズンを戦う上で必要不可欠な事だと思います。
今季の強みは、誰が出ても個人技に差があっても根本的なサッカーは、同じ事が出来ると言う事です。
同じサッカーの下に選手の特徴を活かしている感じです。
個人技に頼ったサッカーというよりは、個人技を活かす組織力だと思います。
選手層が厚くなったのもありますが、チームとしての戦術が浸透し、成熟度が上がって来た事が今季は、感じる事ができます。
総合力は、確実に上がってます。

(4)選手交代や指示による複雑な変化も可能な監督と選手の意思疎通度

今季は、指示による複雑なポジションチェンジや選手交代による複雑なポジションチェンジ、複雑なシステムチェンジには、驚かされます。
正直その選手が投入された時には、意図が分からない時もあるのですが、選手のポジションやシステム等を見ると理論的に破綻した物は無く、どれも整合性が取れているのが今季ですね。
それによる効果の有無は別として、チームのとして高いレベルの事が出来るチームなんだと感じます。
変化によって、チームが混乱するという事が無く、自然とやってのける事が出来る事は、実は凄い事です。
これは、影山監督3年目の強みだと思います。
年々チーム同士の差縮まりつつあり、全体的なレベルが上がってきているJリーグを戦う上での大きなアドバンテージだと思います。
選手交代による効果を最大限に高めたり、選手交代抜きで、選手交代の様な効果をもたらしたりする事が可能になるからです。
是非、こういったアドバンテージを最大限を活かし、勝ち点を一つでも多く奪って欲しいですね。

●最後に

影山監督に対する評価が低いので、私レベルでも分かる影山監督の凄さというのをまとめてみました。
どれも当たり前の様でなかなか難しい事だと思います。
ここ最近影山監督の采配にあまり不満は、ありません。
勿論、まだまだ満点ではないですが、今の岡山の資金力を考えたら良い監督だと思います。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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