2012:J2:13節:H:ファジアーノ岡山VS岐阜FC「相性通り敗れるが、軸となるサッカーはぶれない」

岡山VS岐阜:0-1
得点者:10樋口
観客数:9534人

●岡山スタメン

20川又
7キムミンキュン・11桑田
17服部・8千明・14仙石・2沢口
5植田・18竹田・3後藤
1中林

●リザーブ

GK:21真子
DF:22篠原・30一柳
MF:25田所・13石原
FW:19中野・10チアゴ

●途中交代

2沢口→13石原、11桑田→10チアゴ、18竹田→19中野

 

●岐阜スタメン

18佐藤
11染矢・10樋口・14井上
8リハンジェ・6服部
24村上・25関田・4田中・2野田明弘
22多田

●リザーブ

GK:1野田恭平
DF:17野垣内
MF:33キムジョンヒョン
FW:27中島・29廣田

●途中交代

18佐藤→27中島、24村上→17野垣内、8リハンジェ→33キムジョンヒョン

●戦評

岐阜が、復調の兆しを見せる内容のサッカーをし、相性の良い岡山を圧倒。
岡山もシュートは、少なかったが、随所に質の高いプレイを見せ、決定機の数なら互角の戦いを見せたが、最後のシュートまでなかなか行けなかった。
岡山は、5植田のミスからピンチと岐阜のサイド攻撃から揺さぶりを粘り強く防いでいたが、終盤に力尽きて決められて無敗は、8試合で終わった。
岐阜は、相性が良いとは言え、好調岡山も叩き浮上のきっかけを作った。
また、岐阜は、この試合ハードワークが光り勝利への執念を感じた。

●レビュー(岡山側)

相性が悪いとは言え、内容で完敗。
悔しい8試合ぶりの敗戦となった。
今季の観客最多動員の試合だっただけに痛い。
内容的には、ブーイングが起きても良かったが、いつもより拍手が少なく、ファジアーノコールが小さい程度だった。
それでも、少しずつだが、岡山へ求める内容も高まりつつある様だ。
この試合パス自体は、繋げていたが、ミスが多くそこからシュートを打たれるシーンが多かった。
また、サイドのスペースを突かれ、そこから何度か崩されたが、最後の所で跳ね返していた。
しかし、最後の最後に力尽きた。
全体的に精彩を欠いた試合で、シュートも5本に終わった。
攻撃の質の高さと被シュートの割に1失点に抑えた守備の頑張りは、素晴らしかった。
そこには、岡山の根幹となるサッカーが見てとれ、それを継続・修正していくことで、結果がついて来ると信じたい。

●レビュー(岐阜側)

最下位と苦しい結果がついて来ない日々が続いていたが、久々の勝利で、浮上のきっかけを作った。
8試合無敗の岡山に対し、内容で圧倒し、今後に期待出来る勝利だった。
この試合を見る限りでは、ボランチのコンビが良い働きを見せており、岐阜の心臓と言える。
決定力不足は、依然深刻といった内容で、課題は多い。
試行錯誤を積み重ねで、状態を上げ、内容と結果で勝つ試合を増やし最下位から脱出したい。
最下位を脱出する上で軸に置きたいのが、この試合で良かったサイド攻撃。
ピッチを大きく使う事で、相手DF陣を揺さぶりその綻びを突いて行く事で、得点を奪うというのが、理想。
チームのストロングポイントを最大限活かして、理想に近づく事で、最下位脱出も近づいて来るだろう。
今後の岐阜に注目したい。

●失点シーン

☆1失点目(岐阜:10樋口)

岐阜から見て左サイドで、27中島が、14井上とのパス交換で裏へ抜け出す。
3後藤が対応するも27中島にクロスを入れられる。
ペナルティエリア内中央で、10樋口がフリーで受けて、ワントラップしてシュートを放つ。
それが、5植田に当たってコースが変わる。
1中林が逆を突かれて苦しい態勢から弾き出そうと触るも弾き出せず再びコースが変わる。
1中林の後方にいたカバーに入っていた岡山の選手も掻き出す事ができず、失点。

運が悪いゴールと言えば、運が悪いゴール。
しかし、ボールを持ってる27中島を見過ぎて、10樋口へのマークがついて無かった。
疲れている時間とは言え、集中力を欠いた守備で、残念な失点。
人数も揃っていたし、冷静に対応して欲しかった。
でも、同時にこのゴール3段構えの対応で、守備の粘りを感じる失点とも感じた。
なんとしてでも防ごうという選手の強い気持ちを感じる。
今季の岡山は、この失点シーンの様にシュートコースを塞ぎなんとしてでも失点しないという意識の高さが現れたシーン。
こういった気持ちの入ったプレイは、継続していって欲しい。
そして、集中力を欠いた守備を0にする事は無理だが、全員守備の意識の元堅守を築いて欲しい。

●根幹となるサッカーを体現

パスを繋ぐという岡山のサッカーは出来ていた。
ただ、最後のシュートまで行く事はできなかった。
そういった決定機になりそうというシーンの数で、岐阜に負けていなかった。
最後の所での岡山の選手の判断というのに課題が残ったと言える。
岐阜の選手の頑張りを称賛すべきか。
それとも岡山の選手を批判すべきか。
悩ましい所ではあるが、どちらでもなく、あえて自分達のサッカーが出来たという事で、岡山を褒めたい。
いやだってミスは、多かったけど、決定機を何度か作れた訳だからね。
シュートというデータは、残らなくても岐阜にとって怖いシーンは、あった筈。
現状の選手の実力を考えたら、そういったサッカーをしていてもシュートそして、ゴールまで行くのはかなり難しい。
実際ここまで3点以上取った試合はない。
1点差での勝利が多い岡山にとって、戦力を最大限活かして、ギリギリの試合を物にして来ての順位。
そういった意味で、良く健闘していると言える。
誰が出ても個人技の部分で、差があっても根幹となるサッカーは、変わらない。
「3-4-3」、「ポゼッションサッカー」、「堅守」といったワードが今の岡山から連想される言葉。
試合には、負けたが、この試合でも発揮出来たという意味で、選手を褒めた。
今後もぶれない強い信念で、勝利を手繰り寄せて欲しい。
苦手東京Vにどれだけ自分達のサッカーが出来るか楽しみである。

●プレスへ弱さを見せる

岡山は、パスを回す分プレスに弱い傾向にある。
この試合での、岐阜のハードワークは、素晴らしく90分間前線からチェイシングを仕掛けて来た。
上手くいなして、パスを出す事を出来ることもあったが、パスミスからボールを奪われるというシーンを何度か見受けられた。
このサッカーをしていく上で、選手各自の判断を早くしていく必要があるだろう。
それは、試合をこなしていく中で、改善していきたい。
そして、逆に選手がプレスをかけてきた事で、出来るスペース突く様なパス回しが出来る様になれば、より強くなれるだろう。
この一年間その辺りに注目してみていきたい。

●要点整理

(1)岐阜の運動量の多さに圧倒された。
(2)岐阜のDHの熟練コンビが効かされていた。
(3)良い形自体は作れている。
(4)10チアゴの運動量の少なさが悪い意味で、目立っている。
(5)この試合の5植田は、ミスが多すぎ。
(6)1中林は、頑張りが光った試合。
(7)18竹田のリベロも意外と安定している。
(8)DFラインでのビルトアップ時にプレスを掛けられた事で、怖かった。
(9)内容と結果で、負けてしまったが、やっているサッカー自体は良い。
(10)(9)より、継続と修正で、さらなる高みを目指したい。
(11)追う展開での4-3-3のパワープレイシステムを披露した。
(12)高い授業料になったが、苦手東京V戦は勝ちたい。

●評点

岡山側

GK1中林:6,0:ファインセーブで失点を防いだ。
CB5植田:4,0:ミスを連発し、チームのリズムを悪くした。
CB18竹田:6,0:安定した守備を披露。
CB3後藤:6,0:1:1の強さは、流石。
DH8千明:5,5:テクニックと判断力の早さが際立った。
DH14仙石:5,5:サイドチェンジで、局面を打開した。
WB17服部:5,5:正確なクロスを入れるも得点に結びつかず。
WB2沢口:5,5:攻守で球際の強さが光った。
ST7キムミンキュン:6,0:キープ力は流石。
ST11桑田:5,5:ポジショニングは、素晴らしいがその後にプレイに課題。
FW20川又:6,0:キレのあるプレイを見せるも後一歩届かず。

途中交代

13石原:5,5:スピードをあまり活かせず、パス・シュートの質に課題。
10チアゴ:5,0:競り合い以外見せ場無し。
19中野:5,5:惜しいシュートを放つもゴールならず。

影山監督:5,5:高度な選手交代を見せるも勝利に導けず。

岐阜側

GK22多田:6,0:ハイボール処理の良さで、チームを救った。
CB25関田:6,0:体の強さを活かした守備が光った。
CB4田中:5,5:完封に貢献。
SB24村上・2野田明弘:5,5:あまり印象に残らず。
DH8リハンジェ:6,0:球際での攻守のプレイで、強さを見せた。
DH6服部:6,5:豊富な運動量で、攻守で貢献し、良いパスも通した。
SH11染矢・14井上:6,0:サイドから再三チャンスを作った。
ST10樋口:7,0:決定力の高さを見せた。
FW18佐藤:5,5:FWとして結果を残せず。

途中交代

27中島:6,5:決勝ゴールをアシスト。
17野垣内:6,0:13石原対策としての仕事をした。
33キムジョンヒョン:評価不可

行徳監督:6,0:チームの状態を引き上げ勝利に導いた。

審判(主審:池内、副審:森本・和角):5,5:大きな誤審なく、上手くゲームを作った。

●MOM

岐阜の「10樋口」

ストライカーらしく決勝ゴールを決めた。

●MIP

岡山の「1中林」

果敢な飛び出しで、守備範囲の広いという持ち味を発揮した。
また、抜群の反応で、ファインセーブもあった。
ハイボール処理でも安定感があった。
フィードも徐々にではあるが、良くなりつつある。

●悪かった選手に関して

☆11桑田

ポジショニングは良い。
ただ、足下にボールが落ち着かない。
ボールキープ力やドリブルで打開出来る突破力は無い。
そのためダイレクトでバックパスするというのが多くなってしまう。
8千明が前目でプレイしている感じかな。
11桑田を活かすシンプルな物としてパスアンドゴー。
バックパスを出して、裏のスペースへ走り込む。
そういった動きがあっても良いと思う。
または、それに類似した動き。
でも、そういったプレイは、随所にみられる11桑田にドリブル突破やボールをキープを期待するよりそういったフリーランの質を期待するのが良いと思う。
フリーランは、正直なかなか評価されないけど、岡山の中では一番裏へ抜け出すのが多い。
チーム戦術上低い位置まで、降りて来るけど、そうしたら持ち味は、ほとんど発揮できない。
だから11桑田は、何してんだという感じになる。
7キムミンキュンや36関戸は、そこからドリブルで持ち上がったり出来る。
そういった意味で、叩かれ易い選手だが、ゴールやアシストという結果を残してサポの心を掴んで欲しい。

☆5植田

もはやネタ化してますね。
この試合の出来は、最悪でした。
良いプレイもするだけに評価は、難しい。
見ていて、面白いエンターテイナーではあるのだが…
まぁ、5植田が、ミスが無くなったらJ1に移籍してしまいそうだ。
唯一誇れるのは、空中戦の強さ。
岡山で一番強いのは、確か。
でも、低い玉に弱くて、足下にも弱い。
それでも、ロングボールも意外と良いボールを蹴る。
この試合でも惜しいシーンがあったし、光る物があるのは確か。
ほんと難しい選手。
彼を活かす方法とか色々とフォローとか考えたけど、思いつかない。
いやーでも5植田は、見ていたい。
元巨人の長島みたいな選手だよな。
そう考えると、人気出ると思うし、我慢して起用して欲しい。
凄いプレイ以外で、魅せる事が出来る。
それが、5植田。
未完の大器。

☆10チアゴ

20川又に慣れてしまって、悪く感じてしまう。
足下も20川又の方が収まる。
推進力も20川又の方が上。
唯一勝てる点は、空中戦の強さ。
これだとなかなかスタメンを取るのは難しそう。
10チアゴは、スタミナ無いとは言え、もっと走って欲しい。
それは、酷か。
正直10チアゴの流れからの得点を期待するのは、相手のミスが無い限り厳しい。
周りにフォローいないとなかなかボールをキープできないし、難しい選手。
そう考えると、現状だとパワープレイ要因としての起用になるのかもしれない。
10チアゴの岡山で頑張りたいという気持ちと10チアゴのファンの方々の気持ちを考えると、申し訳ないが、上を目指すのなら違う選手を探して来るのが、現実的と言える。
怪我が少なくて、運動量があれば、また違うかもしれないけど、現状だと来季も居るか怪しい。

●次節希望スタメン

20川又
7キムミンキュン・11桑田(36関戸)
17服部(25田所)・8千明・14仙石・2沢口
24坂本・18竹田・3後藤
1中林

17服部と25田所は、調子の良い選手を起用して欲しい。
36関戸が、大丈夫ならスタメンで、起用して欲しい。
5植田は、今節出来が悪かったので、違う選手でスタメンにして欲しい。
候補として3後藤と30一柳は、左CBに不安があるので、左利きの24坂本を試して欲しい。
開幕前に見た時は、攻撃で、良いオーバーラップを見せていたし、J2の舞台でも見てみたい。
本当は、4近藤が良いが怪我なので、仕方ない。

●次節希望リザーブ

GK:21真子
DF:5植田・30一柳
MF:17服部・13石原
FW:19中野・10チアゴ

36関戸が、スタメンでいけるなら11桑田はベンチ外。

●今節の満足度

☆★★★★

相性が悪いとはいえ、最下位岐阜に内容でも結果で負けたので、☆一つの最低評価。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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