2012:J2:32節:A:FC町田ゼルビアVSファジアーノ岡山「得点力は好調を維持するも5植田の抜けた守備が崩れる」

町田VS岡山:2-2
得点者:7キムミンキュン、6太田、7勝又、7キムミンキュン
観客数:2170人
主審:森川
副審:中原・清野

1、A:岡山チーム情報

影山監督

スタメン

20川又
7キムミンキュン・13石原
25田所・29大屋・14仙石・2沢口
22篠原・18竹田・3後藤
1中林

リザーブ

GK:21真子
MF:17服部
FW:36関戸・38三村・35上條・10チアゴ

途中交代

29大屋→36関戸、22篠原→10チアゴ、20川又→35上條

 

2、H:町田チーム情報

オズワルト監督

スタメン

10ディミッチ・19北井
3藤田・33幸野・26マーシャル・18三鬼
6太田
2津田・5田代・27加藤
1修行

リザーブ

GK:21相澤
DF:14薗田
MF:15柳崎・16庄司・17鈴木
FW:7勝又・20鈴木

途中交代

26マーシャル→7勝又、2津田→17鈴木、19北井→14薗田

3、戦評

岡山が、立ち上がり良く入る。
町田は、岡山の前線からのプレスに苦しみ先制を許す。
それに対し、Jリーグでは、珍しい前半での交代カードで、町田は、流れを掴む。
後半、町田は、一気に逆転するが、最後踏ん張れずドローに終わった。

4、レビュー(A:岡山側)

攻撃

6点(10点満点)

DHの所の新コンビという事で、いつも違った。
このコンビだと29大屋が攻撃で、仙石が、守備という役割分担となる。
正直こちらのコンビの方がDHが、得点する可能性は高い。
それは、やはり29大屋のシュート意識が高く、前目にポジションを取る事が多い事が一つの理由。
ただ、それでも36関戸の方をスタメンで、起用して欲しい。

守備

3点(10点満点)

8千明と5植田の不在が、響いた。
ここ最近の5植田は、潰す守備が上手かった。
ああいった密着マークを受けた選手は、なかなか仕事ができないだろう。
その点22篠原は、CBとしては、物足りなかった。
また、8千明の不在は、29大屋のファールの多さという弱点を生みだした。
8千明は、ボールの奪いどころが上手く、取れる取れないの判断力が、群を抜いて高いので、ファールが少ない。
やはり、この二人の不在が2失点に繋がったとみて間違いない。

総括

4点(10点満点)

全体として、層の薄さが響いたと言える。
29大屋に関しては、この試合を見る限り、36関戸の方が良いだろう。
守備があまりに酷い。
起用するならシャドーで、起用して欲しい。

5、レビュー(H:町田側)

攻撃

7点(10点満点)

岡山のプレスの前に苦しんだ。
ビルトアップの段階で、かなり苦労していた。
4バックにした事で、多少はビルトアップが良くなったけど、主導権を握るまでは至らず。
それでも、岡山のCKにおけるゾーンプレスの弱点と岡山のハードワークによる精神的疲労による隙を突くというしたたかさは、素晴らしい。

守備

4点(10点満点)

やはり、下位に沈んでいる一番の理由は、失点の多さだろう。
岡山のプレスがいくらきついといっても、あれだけ苦しめば、前にボールを運べない。
特に今のシステムだと前に人数をかけている分ボールを奪われると1失点目みたいになる。

総括

6点(10点満点)

アリークロスで、失点しては駄目でしょう。
ああいった形で、失点してまうとショックはでかい。
あのボールを跳ね返せる様な選手が居ない事が痛い。
逆を言えば、そういったボールに弱いという事であるが、J2昇格一年目という事を考えれば、好守で、健闘していると言える。
残留すれば、地理の良さもあり強豪クラブに成る可能性があるだけに今後の残留争いに注目したい。

6、得点分析

A:岡山1得点目:7キムミンキュン

13石原のプレスを避けて出されたGK1修行のパスを受けた左CBの2津田が、自陣深い位置で、ボールコントロールを誤り、プレスに来た20川又にボールを奪われる。
20川又は、7キムミンキュンへパスを出す。
27加藤がついたが、7キムミンキュンは、上手いボールコントロールで、シュートまで持って行く。
そのシュートにGK1修行は、触れず右隅に決まってゴール。

岡山の献身的守備が、実を結んだゴール。
相手のミスからだったが、そこをしっかり得点に繋げた事は評価したい。
逆に町田にとっては、痛恨の失点。

H:町田1得点目:6太田

29大屋のファールで、町田のFK。
17鈴木が蹴るが、25田所へ当たってCKとなる。
再び17鈴木が蹴る。
そのボールは、ゾーンDFの弱点を上手く突かれており、1中林が飛び出した前で、6太田が、高い打点で、ヘッドを放ち、それが決まってゴール。

飛び出して触れなかったという意味では、1中林の判断ミスという事になるだろう。
今季の岡山のセットプレイでの失点は、そういった1中林が飛び出して、ゴールが、ガラ空きというパターンが多い。
しかも1中林が居た位置に飛んでおり、飛び出さなければ防げていた。
こういった失点は2回目。
こういった失点シーンに限らず、ハイボールに関しては、危ない場面が何度も見受けられ弱点と言って良いかもしれない。
逆に町田としては、ゾーンDFの弱点を上手く突いた精度と動きは、素晴らしいゴールだった。

H:町田2得点目:7勝又

DFが少ない状態で、5田代のスローインから17鈴木へ出される。
17鈴木が中に仕掛けるが、22篠原と14仙石が、積極的に寄せなかったので、17鈴木は、7勝又へパスを出す。
7勝又は、フリーだったが、すぐ18竹田と3後藤が対応。
しかし、7勝又が、ペナルティエリア内だったので、DFの二人は、激しく行けず、7勝又は、シュートまでいく。
1中林も飛び付くが、届かずゴール。

この失点は、岡山の守備の怠慢が招いた失点。
上記で、説明した通り、潰しに行くべき所で、パスコースを限定するという守備を取っている。
さらにマークも近くにいるもののフリーにしている。
これは、渇を入れたくなる様な失点。
こういった守備をしている様では、岡山はプレーオフ進出は、夢のまた夢となるだろう。
対して、町田としては、その隙を逃さなかったという点は、素晴らしい。

A:岡山2得点目:7キムミンキュン

3後藤のロングパスを受けた2沢口がサイドをあがる。
かなり遠くからアリークロスを入れる2沢口。
そのボールは、10チアゴを超えて、7キムミンキュンのもとへ行く。
7キムミンキュンに18三鬼がついていたが、7キムミンキュンが、頭で、合わせてヘッドを放つ。
Gk1修行が、キャッチに行こうとするが、思ったより厳しいコースだったために飛び付くが届かず、ゴール。

2沢口の素晴らしいピンポイントクロスが良かった。
同じクロスを入れろと言われても難しいだろう。
それだけ素晴らしいクロスだった。
このゴールは、それに尽きる。
後、10チアゴに気を取られたのも少しある。
町田としては、悔しい失点だった。

7、評点

A:岡山側

Gk1中林:5.5:判断ミスから失点に絡んだ。
CB22篠原:5.0:CBだが、最後までプレイ出来ず。
CB18竹田:5.5:失点のシーンで、シュートを防げなかった。
CB3後藤:5.5:18竹田と同文。
DH29大屋:5.5:攻撃意識の高さは感じたが、守備が雑。
DH14仙石:5.5:慣れないコンビながらある程度仕事をした。
WB25田所:5.5:守備で手抜きして、失点に繋がった。
WB2沢口:6.5:ピンポイントクロスで、同点ゴールをアシストした。
ST7キムミンキュン:7.5:2得点の大活躍。
ST13石原:5.5:見せ場を作れず。
FW20川又:5.5:決定機で決めれなかった。

途中交代

36関戸:5.5:攻撃意識が高かった。
10チアゴ:5.5:高さを活かしたプレイを見せた。
35上條:評価不可

影山監督:5.5:勝利に導けず。

H:町田側

GK1修行:6.0:1対1を防ぎ勝ち点1に繋げた。
CB2津田:4.0:ミスから失点に繋がった。
CB5田代:5.5:ビルトアップと守備で持ち味を発揮した。
CB27加藤:5.5:前への意識が高かった。
DH6太田:6.5:同点ゴールを決めた。
WB3藤田:5.5:好守でバランス良く動いた。
WB18三鬼:5.5:仕掛ける意識が高かった。
OH33幸野:5.5:OHとDHで、プレイした。
OH26マーシャル:5.0:悔しい早い時間での交代となった。
FW10ディミッチ:5.5:ポストプレイ、ドリブル等が良かった。
FW19北井:5.5:スペースを使う意識が高かった。

途中交代

7勝又:6.5:豪快にゴールを決めた。
17鈴木:6.0:精度の高いボールで、アシストした。
14薗田:5.5:守り切れず。

オズワルド監督:6.5:早い時間の交代で、流れを引き寄せたが、詰めが甘かった。

審判(主審:森川、副審:中原・清野):6.0:上手くゲームを作った。

8、MOM

「7キムミンキュン」

2ゴールの活躍で、文句なし。
これだけいつも決めてくれればいいけど、なかなか難しい。
7キムミンキュンに足りないのは、決定力だっただけに今日の様な活躍をすれば、自然とMOMになる。
それだけ凄い選手。

9、満足度

4点(10点満点)

プレーオフを考えると勝たないといけない試合だった。
決定機をしっかり決めていればという試合で、悔やまれる。

10、岡山の天皇杯希望スタメン&リザーブ

スタメン

20川又
7キムミンキュン・35上條
25田所・36関戸(8千明)・14仙石・13石原
3後藤・18竹田・2沢口
1中林

リザーブ

GK:21真子
DF:22篠原
MF:29大屋・17服部・34田中(36関戸)
FW:38三村・10チアゴ

29大屋の出来を考えれば36関戸のスタメンの方が有効。
勿論、8千明が、間に合えばスタメンで。
後は、CBは、22篠原の出来を考えると2沢口が順当で、13石原をWBにしたい。
34田中が使えそうなら13石原ST、WB34田中が見てみたい。
今季は、果たしてそういった場面が見えるか。
34田中が駄目なら、ST35上條を推したい。

岡山から世界へ

To Be Continued

by杉野雅昭


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