2016:TRM:H:vs愛媛FC「攻守ともに型に嵌らない自由度が増したオプション」その3

A:愛媛

チーム評

愛媛は、ハイプレスとポゼッションサッカーという昨季のサッカーを継続して、この試合に臨んだ。
ロングパスというのが少なく、35岩政 大樹のヘッドというのは、そこまで多くなかった。
それでも皆無という訳ではなく、判断した上で、選択もしていた。
愛媛にも空中戦に強い長身選手がおり、そこを的確に使っていた。
岡山に高さが不足していた事もあり、有効な攻撃ではあったが、TRMという事もあり、普段の戦い方をしていた面もある。
今日の様な岡山のメンバーであれば、実際の試合ではそこを突いて来る可能性もあり、あくまで手玉を隠したと言える。
岡山の13久保 裕一と24赤嶺 真吾に対して、自由な時間を与えず、集中したプレーを見せており、守備意識は非常に高い。
プレスというのも連動性と持久力があり、ベストメンバー同士の戦いでは、ロングパスを選択させて、岡山の攻撃を窮屈にさせていた。
ボールを奪って、ポゼッションとドリブルで崩す。
このメリハリがしっかりしており、岡山のDF陣を切り裂いて、シュートまで持っていく等、ゴール前まで運ぶことが出来れば、迫力がある攻撃が出来ていた。
ただ、一方で、選手の同士のコーチングで激しいコーチングもあり、チームとしての完成度という意味では、この時期という事もあり、まだまだ低そうである。
ベストメンバー同士の戦いは、セットプレーの流れからの失点であり、開幕の頃にはまた違ったチームになっているだろう。
昨季のサッカーをベースとしたサッカーであり、この試合出場していなかった20河原 和寿の存在など、まだまだ何段階も上げて行けるのではないかと思う。

選手評

10瀬沼 優司の高さというのが、やっぱり際立ちましたね。
今季は、各チーム長身の選手が外国籍で多く、必要な存在と言えるだろう。
坊主にされてましたし、今季にかける思いの強さを感じました。
昨季の悔しさを含め今季の愛媛を象徴している風貌でした。
10番を背負う強い意志というのを感じました。

そして、ミドルシュートを決めた16江口 直生。
あのミドルシュートは、技術の高さを感じました。
フリーとは言え、あれは止められませんね。
こういった点が獲れるボランチがいるというのは、強みと言えるでしょう。

2浦田 延尚、15茂木 力也、22深谷 友基のビルトアップ力というのも際立った。
岡山のプレスをかけるのが昨季より少ない二人が基本だったとはいえ、後方から機を見た寄せや楔形パスへのインターセプトを狙ってくる中、冷静に回していたので、ハイプレスには強いメンバーと言える。
ボランチの5藤田 息吹と16江口 直生、8小島 秀仁の3選手もそのポゼッションをより高める事が出来る魅力的なメンバーで、速いパス回しから相手を圧倒しようという強い意志を感じられました。

39内田 健太と3玉林 睦実の二人は、ゴリゴリ来るWBであり、サイドの主導権を握るのは至難の業であると言える。
この辺り、サイドにデュエルに強い選手を採用している事を考えるとサイドの重要性を考えた人選と言えるだろう。
この試合でもドリブルというよりは、競り合うシーンが多く、泥臭いプレーが目立った。
ポゼッションサッカーを掲げる中で、良いアクセントになっていた二人だと思います。

総評

ポゼッションとハイプレスの連動性のある愛媛ではあるが、この試合では、ゴール前までなかなか運ぶことが出来なかった。
岡山の組織的なサッカーが良かったのか、愛媛の完成度が低かったのか。
ただ、どちらにしろ両チーム開幕して対戦する頃には、また違った戦いになるだろうし、前哨戦は、岡山の辛勝ではあったが、あくまでTRMであり、開幕までまだまだ時間がある。
両チームとも昨季の継続路線だが、愛媛は更なる熟成。
岡山は、継続と変化により更なる高み。
この辺り、昨季の順位がこうさせているかと感じた。
チャレンジ1を掲げて11位に終わた岡山に対して、見事にプレーオフに出場した愛媛。
これがまさにこの試合の両チームの戦い方を測る上で、非常に顕著だった点である。

その4に続く。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。