「危急存亡の秋」は続く


前節の大一番、山形戦を落としたことにより、公式戦4連敗、リーグ戦3連敗とシーズン終盤に来ての大失速で、地元神奈川新聞にまで「絶望」の烙印を押されてしまった湘南ベルマーレ。なぜか、その神奈川新聞がこの時期に新スポンサーとして発表されることにはなりましたが、いろいろと裏事情もあるようですが・・・。


残り4戦360分の最初の90分の相手は、現在10位の水戸ホーリーホック。長年の守備力を前面に出したサッカーから、中盤を大事に攻撃的なサッカーに取り組み始めてから、はや3シーズン目。順位的には10位と離れているように見えますが、13勝17敗8分けと、17勝13敗8分けとのうちとの違いは4勝差のみです。


しかも、水戸が上げた13の勝ち星の中には、甲府、山形、C大阪、鳥栖、仙台、湘南(涙)と、いわゆる昇格を争うと言われるチームと真正面からぶつかってあげたものが入っていますので、前節同様の気迫を持って望まなくては、勝利を得る事はできません。まあ、前回対戦時に敗れている事、今節の勝利以外の結果が今シーズンの終了を意味する事からして、そんな心配は杞憂だったのですが。


さて、注目のメンバーですが、ついにアジが復帰でベンチ入りに、ノブの怪我情報もガセだったようで、臼井以外ではベストに近い布陣の湘南。サブには、トモ、三田、源気、アジエル、トゥットと、同点またはおいかける展開をイメージしているようです。


   石原 原
 望様     菊池
   坂本 雄三
ノブ 斉藤 ジャ 山口
    金永基






出場停止や怪我で、編成苦しい水戸は、赤星のポリバレントさに助けられている感じでしょうか。サブには原田、大和田、堀、金沢、満生。


   西野 荒田
 良和     菊岡
   赤星 ピジ
小澤 平松 星野 中村
     本間






予報通り、小雨の烟る晩秋の平塚競技場、午後2時4分、定刻にキックオフされた42節は、開始から出場メンバーの意思疎通レベルで一枚上に立つ湘南が試合を支配しますが、ボランチ、特に田村の調子良さに比べると、FWの2枚の迫力が今ひとつで、特に石原に関しては、いつもの運動量もなく、ボールも足下につかないようで、ちょっとかなり重症のように見えました。


優位な中で獲得した数々のセットプレーも、大変遺憾ながら、ここ数節は望様のキック精度が今ひとつで、得点のにおいがして参りません。それではと1番積極的に突進していた菊池もさすがに1人で打開するにはいたらず、ノブや坂本の突発性突破でチャンスを作りかけるも、そのまま前半はスコアレスイーブンで終了。


後半は、前半の終盤からみられた、湘南の攻め上がり後のボールの失い方が悪くなり、水戸にもチャンスができはじめ、水戸側での孤軍奮闘感のあった良和の突進から、何度か危ない場面もあり、実際エリア内であとは入れるだけの所をふかしてくれたシーンでは、正直心臓縮み上がりましたねぇ〜。


あれが入っていたらと想像するのも恐ろしい・・・、何しろリーグ戦ここ3試合無得点、8試合で4得点、しかも最後に2点取ったのは、2ヶ月以上前の愛媛戦という、攻撃陣の不調さなのですので、先に点を取られては「危急存亡の秋」すら終わってしまいます。


とは言え、そのままお互いそのままのメンバーで闘い続けると、スコアレスで試合が終わってしまう可能性が高いように見えましたが、前回の反省か、菅野監督早めの采配は、原→トゥット、望様→源気。


久しぶりの登場、源気はリクルートスイッチが入ったか、非常に積極的な縦への仕掛けでチームにリズムを与えると、程なく中央でボールを受けたトゥットが駆け上がる源気にボールをちらすとみせかけ、真ん中で踏ん張る石原にボールを預け、自身はブルトーザーのごとく、ドドドドドっと音が聞こえたように感じた密集地帯への走り込みから、石原のおとしを右足一閃!!!!!!。


あれだけ、得点を奪おうと人数と手数をかけていた攻撃はなんだったのかと、あまりにも素晴らしくあっけない先制点奪取に一瞬唖然としてしまいましたが、一拍おいて狂喜乱舞。最近得点は少ないものの、その8試合中3試合は無失点の守備陣が踏ん張ります。


残り20分という時点で3枚目、最後のカードは菊池→アジエル〜♪って、ダイジョブなんかい。私的にはあきらかに、次のC大阪戦に向けたアジエルコンディション調整の交代策ですが、なにしろ点差は1点のみなんす〜、この試合おいつかれるようなことがあったら今シーズン終わっちゃうよ〜、と涙目で見てましたが、フォーメーションが面白かったす。


    石原
  トゥ  アジ
 源気    坂本
    雄三
ノブ 斉藤 ジャ 山口
    金永基







流行の4-3-3。1top2シャドー対策をこの大事な場面でテストするとは監督の度胸に、恐れ入りました。欲を言えば2点目が欲しかったですし、トゥットとアジの連携もまだまだで、ボールロストも多かったですが、実質0topに近い布陣で逃げ切り、なんとかノルマ達成したのでした。


それにしても、残り3試合で、これまでとは全く違うサッカーになっているチームには驚きですが、それぞれの特徴を出した結果として、そのようになっているのだろうと推測しています。入れ替え戦当たりで最高の状態になっている事を想像しながら、2週間後の大阪戦に向け、いい準備をしていきたいですね。

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