サポーターであることの意味


出場停止明けのボランチに、怪我明けの左サイドバックが戻り、さらにはトゥットまでもベンチ入りとなって、現時点では、ほぼベストの布陣になり、山形県NDスタジアムに乗り込んだ我らが湘南のスタメン。


   石原 原
 望様     菊池
   坂本 雄三
ノブ 斉藤 ジャ 臼井
    金永基






サブには、トモ、山口、源気、阿部ちゃんにトゥット。前節からメンバー16人中、5人が入れ替わりました。


山形も停止や怪我などで真ん中から後ろは、割と苦心の感じられる布陣。


   豊田 長谷
 宮沢     北村
   佐藤 馬場
石井 レオ 園田 石川
     清水






サブは、遠藤、小原、渡部、宮崎、リチェーリ。


この試合を含め残り五試合で、二位山形の勝ち点は65。三位に仙台の62をはさみ、59で追いかける湘南との勝ち点差は6。勝てば1勝差の3に縮まり、負ければ3勝差の9に開いてしまう、文字通りの大決戦に、平塚からも私の知る限り最大のバス7台を連ね、選手と共に闘うべく、NDスタジアムのアウェイスタンドを青く染めます。


今シーズン、熟成の進んだ湘南のメンバーは、どちらが上位にいるチームなのかわからなくなるくらい、試合開始からペースを掴み、左右の香車、ノブと臼井の上がりも鋭く、早々にチャンスの山を築きます。


守備面でも、この試合にかける意気込みは並々ならぬものがあるというコメントを出していた雄三が、激しいボール奪取を繰り返し、良い守備から良い攻撃へと、スピード感のある、リズムに乗ったサッカーを展開します。これだけ躍動感のあるサッカーは、今シーズン1番だったように思います。



しかし




最後の、ボールをネットに突き刺す事が出来ません。いや、山形がさせなかったと言うべきか。一見湘南のリズムのように見えた序盤からの攻勢も、敵将にしてみればプラン通りだったのでしょう。攻撃は、両サイドハーフとFWのみで、人数、手数をかけず、ボランチ以降は引いた状態で、プレーはセーフティーファーストの戦術徹底ぶりに、次第に展開はイーブンとなっていきます。



また、前半半ばには、やはりこの試合にかけていることを全身で表現していた臼井が負傷退場となってしまい、替わって入った山口も、臼井とは別の表現でタイトなプレーを続けてくれました。


が、やはり、次節以降の臼井の状態が心配になったのと、この試合に関しても、カードを一枚失うことになり、結果的には、このことが1番効いてしまったのかもしれません。今は、臼井の怪我が軽いことを祈るのみですが・・・。


ゲームの方は、お互いの全ての選手が高い集中力と気合いをぶつけ合ったまま、あっというまに、スコアレスイーブンで時間は進み、後半に突入すると、正に詰め将棋のように、攻守のバランスをギリギリの所で取り合うカードの切り合いは、湘南から残り15分で、原竜から、待ってましたのトゥット投入。


やや停滞した攻撃に再点火をするトゥットのプレーに、敵将は立て続けに石井→小原、北村→宮崎、馬場→渡部を、32, 36, 39分と、時間を使いながら、湘南の攻撃圧力を絶妙に弱める交代策。残り一枚となっていた湘南のカードは、40分の菊池→阿部ちゃん。投入早々に、右サイドから惜しいシュートシーンもありましたが・・・


時計は既にロスタイムに突入、3分のボードを確認したところで、やはりトゥットの巧みなボールキープから、前戦でチャンスを作りかけるも、これを奪われ、前掛かったこちらの右サイドの侵入を許すと、バイタルから放たれたシュートが湘南ゴールに吸い込まれてしまい、残り1分30秒でビハインドを背負います。


グラウンドに倒れ込む選手、一目散にボールをセットするノブと望。怒号と悲鳴と歓声が交錯する中、これ以上ないくらい優柔不断だったサッカーの神様が、ホームチームに勝利を与える笛の音が、夕陽の中に響いたのでした。


こんな事言うと、他のサポーターに怒られるかもしれませんが、私は、この試合、とても感動しました。もちろん負けた事は、悲しいし、悔しいし、情けないですし、シーズン終盤にきての直接対決に敗戦したことは、その現実は、受容し難いです。


そして、この敗戦が意味することは十分に理解しているつもりではありますが、それでもなお、選手がベンチに戻るまで歌いながら、涙をこらえながら、このチームと、サポーターと共に闘い続ける意味が、自分の中で、また1つ大きくなったのも事実でした。


Photo by (C)Shacho 2008

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