不思議なスタジアムの不思議な結果


チームとしての完成度はまだまだながら、ノルマの勝ち点3を得ることに成功したホーム開幕戦を経て、アウェイに乗り込むは栃木県宇都宮市の栃木グリーンスタジアム(グリスタ)。収容人員は18025人らしいですが、芝生の中にいる人をどのようにカウントするのか、ましてや何故1万8千と、25人なのか。そして、どうしてトイレは「宇宙船栃木号しゅっぱ〜つ!」みたいな感じなのか、HT前に売り切れるビールなど、J初開催を感じさせる雰囲気がたくさん詰まった不思議系スタジアムでした。


なんでも2000年の水戸戦で使用したことがあるらしく、周りの古参サポの方々には2度目という人もいましたが、今回はじめて訪れることになった人が大多数だと思います。天候の方は、前日の荒天が、嘘のように晴れ渡りグリスタのピッチの緑は美しく、芝生席の芝は渋い茶色。諸事情により同伴となった二才の娘も、最初は託児所に預けようと思っていたのですが、ゴール裏は芝だし天気もいいのでダイジョブかと親子での観戦とあいなりました。


さて、札幌と当たる四節までは三連勝で行きたい湘南の先発は、どうやら山口が怪我らしく、鎌翔が入ったのみ。


     田原
 阿部      アジ
  寺川    坂本
     雄三
鎌翔 ジャ 村松 臼井
     野澤







サブには、ケイ、島村、中村、亮太、ツット。シマムーの初ベンチが嬉しす。


実力者かつ湘南OBの多い栃木のスタメンフォーメーションは、松田監督らしい堅実な4-4-2。


   河原 若林
 栗原     悠介
   本橋 鴨志
入江 米山 大久 赤井
     小針






ベンチには武田、川上、向、石館、松田。J1経験者が若林、栗原、佐藤、米山、大久保、小針と、スタメン半分以上で、J2初参入チームの中ではもちろん、J2リーグ全体を見渡しても、実績のある選手を揃えているという意味では上位に入るチームと言えるかと思います。岐阜に惜敗したホームでの開幕戦からは、両SBとFWの一枚を変更してきましたが、センターと両SHは変わりませんので、基本的な戦いとしてはこのしばらくはこのスタイルでいくものと思われます。


いざ、試合が開始されると、前節同様立ち上がりから動きが固く外も中も有効なボール運びが出来ず、阿部ちゃんのおしいシュートもありましたが、展開が好転するにはいたりません。特に鎌翔が今シーズン初登場ということで、少々ビビり気味なのか、左サイドで不利な展開になると、逆サイドの幸平までが上がれないまま最終ラインに吸収された上で数的不利な状況が発生するなど、一般論としてはシステム的な問題が発生しているように見えました。


悠介の自在なフィードボールは危険なエリアに送り込まれ、本橋の気の利いたスルーパスに、鴨志田のエリア内突破、左サイドでは、栗原と入江が入れ変わりで深く抉ったクロスを送り込み続ける事態に少々呆然。まあ、彼らの実力からしたら当然と言えば当然なのでしょうけど、試合後の入江のコメント「ミーティングが活かされ、湘南の弱点が分かり、使うことができた」はその通りで、敵将ながら松田監督の分析眼には脱帽って感じでした。


ちなみに松田監督の試合後のコメント「今日の試合はサッカーの神様に貯金をしたと。いつか貯金をおろして大切な時に、劣勢でも勝つ試合の時に貯金した分が戻ってくると思います。ハードワークは結果にならなかったが、無駄にはならなかった。」いう台詞には、ぐっと来るものがありました。ちなみに、貯めた貯金はうちとの対戦「以外」でぜひ、盛大にお使いいただきますように切に願うものであります。


さて、試合の方は悪い流れの中でもセンター三枚と野澤と、13人目の外人DF「バー・ポスト」さんの集中した守備で、なんとか前半を無失点で折り返し、ソリさんの打つ手に期待をしておりましたが、想像するに鎌翔には相当カツを入れた模様で、割とポジションレスな悠介のサイドから仕掛け、ボール奪取ラインの押し上げに成功します。その流れの中で得たCKは、坂本からジャーンへのホットラインを形成。


前節のショートコーナーといい、このあたりの流れでは手詰まり感がありながらも、なんとか試合をものにしようとする工夫は流石と言わざるを得ないのかもしれません。右CKからのボールを叩いた一本目はポストを逸れるも、続いて左から坂本が蹴った二本目でファーから放ったヘッドは、小針の指先をかすめてゴール内に転がり込み、苦しい中で先制点を得ます。


その後は、残り25で田原→ツット、10分後には疲れの見えた寺川から亮太への交代策を繰り出すも展開そのものは変わらず、責める栃木、耐え忍んでカウンターのチャンスを狙う湘南の構図のまま、なんとか守備陣は耐え抜き、攻撃陣は数度のカウンターチャンスも実らず、1-0での勝利となったのでした。


当然の事ながら、帰りの道中では「ひでぇ〜内容だなぁ〜」「何で勝てたんだろうねぇ〜」「4-3-3はやめてほしい」などのネガり祭り。ピリッとしないゴール裏で、勝利のダンスを踊ったサポーターの皆さんは漢でした。サポーターに何が求められているかをよくわかって応援しなくてはいけません。うちの娘だって、この内容ながら手をたたき続けてましたから(爆)。


さて、次節はホームに戻り、二戦続けて参入組の岡山が対戦相手。栃木とは対照的に、Jの経験者が多いわけではないようですが、甲府仙台の難敵相手に無失点で終えており、チーム戦術徹底度は高いようです。攻撃に課題を抱える湘南には格好の相手と言えるかもしれません。十分な準備とスカウティングで、敬意を持って迎えましょう。



噂の宇宙的なトイレ



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