ぼくたちの失敗

  • 部長
    2013年07月02日 23:40 visibility181

部長ブログにお越しいただきましてありがとうございます。


 


今回は、先日の練習終わりにあった一幕をご紹介させていただきます。


 


チームの練習も終わり、あるメンバーから話したい事があるということだったので、私は早々に着替えを終わらせた。
他のチームメンバーは合コンの話や、女性の話で盛り上がっているのを他所に、私はとにかく急いだ。


グラウンドを出て、体育館と校舎の脇を抜け、自転車置き場から自分の自転車を出して、校門までの道を走った。


 


しかし、校門まで行き私は予想もしない場面に遭遇して思わずUターンした。
そこで着替えを終えたヒロキに遭遇した。
私は早速ヒロキに事情を説明した。


 


私「校門の外に、女子高生がいる。」


 


ヒロキ「?」


 


ヒロキは不思議そうな顔で私を見てこう言った。


 


ヒロキ「女子高生がいたぐらいでどうした。」


 


そう。


ヒロキの言うことはもっともだが、私はいまだかつて練習終わりの校門の外で、女子高生に遭遇したことはなかった。


ある意味未知の遭遇ということで私も動揺してしまったのかもしれない。


 


そしてヒロキと校門へ向かうと、その女子高生の妹と思われる女の子と母親らしき人もいた。


私はようやく事情を理解した。


この中学校ではサッカー以外の団体も利用しているので、体育館などを利用していた親子の帰りの場面に遭遇したのだと。


 


しかし事態はさらにこの後、私の予想もしない方向に進んでいく。


 


私とヒロキは、話があるといったメンバーが出てくるのを校門の外で待っていた。


もちろん私達の目の前には先ほどの親子三人もいる。


そう、私達が勝手に親子と思っていた三人も・・・


 


しばらくして私達はあることに気づいた。


女子高生と親子が話していないことに。


そして、親子二人はしばらくして自宅に向かったのか、その場からいなくなってしまった。


 


校門前に女子高生が佇んでいる。


不思議な光景が目の前に広がっている。


 


校門からは学校関係者をはじめ、学校を利用していた方達が次々に出てくる。


そして体育館の照明は落ち、一般の方はグラウンドを利用していた私達のチームメイトだけになった。


 


そしてしびれを切らしたのか、女子高生も明らかに誰かを待っているのが分かるような素振りを見せ始めた。


校門より中には入らないが、学校を覗くような仕草を見せ始めた。


 


ここで私とヒロキに一抹の不安がよぎる。


 


「まさか待っているのはうちのチームメイトか!?」


 


私もヒロキももちろんチームメイトを信用している。


だが確かに今日用事があると言って、練習後に何度も電話したり、急いでいたチームメイトがいたのも事実だ。


 


大人になると言葉遣いがきれいになる反面、以下のような使用方法が多々見られる。


 


・懇親会:合コン


 


・会食:デート


 


・接待;キャバクラ   etc


 


少し話が脱線したが本題に戻りたい。


 


用事があるといって何度も電話をしていたのは、こともあろうことか当チームのキャプテンである。


私は彼を信じたい気持ちと疑う気持ちが入り混じっていた。


 


しかし、目の前で女子高生が電話している横をキャプテンは何食わぬ顔で出てきた。


どうやらキャプテンではなかったようだ。


私は恥ずかしい気持ちになった。


一瞬でもチームメイトを疑ってしまったことを。


 


だがまだ待っている女子高生を見て今度は他のメンバーを疑い始めてしまった。


グラウンドに残っているメンバーであるユウキ、前ちゃん、ケイのことを。


そんな私の不安を更に加速させるかのように目の前で何度も女子高生が電話をして、校門から学校を覗く。


 


そんな不安を他所にユウキ、前ちゃん、ケイが校門から出てきた。


特に女子高生と絡むこともなく。


 


私はようやく安心した。


彼女が待っているのはうちのチームメイトではないことに。


しかし今度は別の疑問が浮上する。


 


「彼女は一体誰を待っているのだろうか。既に21:30を過ぎているというのに・・・」


 


そして私達の話も終わりを迎える頃に、遂にその謎は解ける。


 


彼女が嬉しそうに校門に向かって走って行く。


そして彼女が発した言葉は


 


「先生!!」


 


そこにはジャージのパンツをはいた見るからに教師と分かる男が、その言葉に返すように


 


「○○待たせちゃったね。」


 


そして応えるように彼女は


 



 


と、答えた。


 


金曜日の22:00近く、二人は夜の闇にその姿を消した。


 


私もヒロキも色々思うことはあるが、私達の頭の中には森田童子の「ぼくたちの失敗」が流れていたことは、言うまでもない。


 


 





 


 


今回も最後までご覧になっていただきましてありがとうございます。


 


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