2012年リーグ戦巨人総括-2　現有勢力の底上げ

昨年も在籍した主な選手の昨年の最終成績と今年の成績（9月21日まで）とを比較する．まずは先発投手．

内海
2011年：28試合で成績：18勝5敗，防御率1.70
2012年：26試合で成績：14勝6敗，防御率1.90
澤村
2011年：29試合で成績：11勝11敗，防御率2.02
2012年：24試合で成績：9勝9敗，　防御率2.73
宮國
2011年：登板無し
2012年：15試合成績：5勝2敗，防御率1.86
小山
2011年：3試合で成績：0勝0敗，防御率3.46
2012年：6試合で成績：2勝2敗，防御率2.11
ゴンザレス
2011年：13試合で成績：3勝3敗，防御率1.80
2012年：9試合で成績：4勝1敗，防御率3.57
東野
2011年：31試合で成績：8勝11敗，防御率3.47
2012年：1試合で成績：0勝0敗，防御率3.60
西村（先発として）
2011年：16試合で成績：7勝5敗，防御率1.92
2012年：先発登板無し．

　ということで，先発投手に関しては，宮國・小山の台頭を除くと，他の投手はむしろ成績を下げている．外部補強組の杉内・ホールトンの貢献が大きかったことがわかる．

続いてリリーフ投手を見てみよう．

山口
2011年：60試合で成績：5勝1敗25H2S,防御率1.75
2012年：70試合で成績：3勝2敗44H5S,防御率0.86
西村
2011年：21試合で成績0勝0敗4H，防御率1.52（リリーフのみの成績）
2012年：65試合で成績：3勝1敗11H30S,防御率1.06
福田
2011年：6試合で成績：0勝1敗0H，防御率4.58（先発2試合含む）
2012年：45試合で成績：7勝1敗15H.防御率1.74
高木康
2011年：46試合で成績：1勝3敗12H，防御率3.72（先発1試合含む）
2012年：36試合で成績：3勝1敗6H,防御率1.60
久保
2011年：67試合で成績：4勝2敗21H20S，防御率1.17
2012年：2試合で成績：0勝0敗0HS，防御率9.00

　故障で離脱した久保を除けば，軒なみ成績を上げていることがわかる．山口も見事だが
去年との成績の差ということであれば，西村・福田・高木康の方が大きい．
　　特に，西村が久保の抜けた大穴を埋めたことが大きい．福田の覚醒は，前半のブルペンを支えたマシソンの抜けた穴を埋めた．高木康については，リリーフの厚みが増した分，高木康の能力に見合った場面でのみ使われるようになった結果，成績が向上したように見える．
　以上のように，リリーフの好成績については，現有勢力の底上げが大きかったといえる．
　また，三十路を前にした福田の覚醒は久保に続く例といえ，ドラ１相当で入団しながら伸び悩んでいる野間口（29才）や辻内（25才）本人とファンに希望を与えるものかもしれない．

続いて捕手・野手である．

阿部
2011年：114試合で成績：打率292，20本塁打，61打点，出塁率363
2012年：128試合で成績：打率335，26本塁打，98打点，出塁率426
長野
2011年：140試合で成績：打率316，17本塁打，69打点，出塁率379
2012年：133試合で成績：打率302，13本塁打，56打点，出塁率381
坂本
2011年：144試合で成績：打率262，16本塁打，59打点，出塁率313
2012年：133試合で成績：打率313，14本塁打，66打点，出塁率364
高橋由
2011年：95試合で成績：打率246，15本塁打，37打点，出塁率357
2012年：127試合で成績：打率240，8本塁打，56打点，出塁率354
谷
2011年：83試合で成績：打率274，０本塁打，7打点，出塁率291
2012年：87試合で成績：打率262，3本塁打，22打点，出塁率304
藤村
2011年：119試合で成績：打率222，0本塁打，15打点，出塁率265
2012年：98試合で成績：打率249，0本塁打，9打点，出塁率293
松本哲
2011年：20試合で成績：打率053，0本塁打，0打点，出塁率053
2012年：72試合で成績：打率252，0本塁打，11打点，出塁率313

　横ばいの長野・高橋由を除くと，軒並み数字を上げていることがわかる．ファーストの穴は埋まっていないが，その穴を感じさせない阿部・長野・坂本の充実振りである．

　整理するとリリーフと打撃陣については現有勢力の底上げの寄与が大きかったことがわかる．本人達の努力に加えて，首脳陣の采配も大きかったと思うがそれについては別の日記で述べたい．