原監督を考える(その1)

原監督が,「名将」なのか「凡将」なのかということについては、いろいろ議論があると思います。私は、最近、「原監督は、巨人向きの監督」と思うようになりました。
 巨人は,勝つことが優先されるという点で12球団1であることについてはほとんどの方が同意されるでしょう。したがって,「巨人向きの監督」とは、第1に勝てる監督ということになります。V9を成し遂げた川上監督がその典型例でしょう。

1961年~1974年の14年間監督をして,リーグ優勝11回,日本シリーズ11回優勝しています。(つまり日本シリーズは負け無し)。リーグ優勝率11/14=.785,日本シリーズ優勝率:11/14=.785です。ONというすばらしい選手を抱えていたにせよ,この優勝率は驚異的です。

川上監督以降の監督の成績を見てみます。

1975-1980:長嶋監督(第1次) リーグ優勝2回,日本シリーズ優勝無し。
  リーグ優勝確率:2/6=.333, 日本シリーズ優勝率:0/6=0
1981-1983:藤田監督(第1次) リーグ優勝2回,日本シリーズ優勝1回
 リーグ優勝確率:2/3=.667, 日本シリーズ優勝確率:1/3=.333
1984-1988:王監督,リーグ優勝1回,日本シリーズ優勝なし。
 リーグ優勝確率:1/5=.200, 日本シリーズ優勝率:0/5=0
1989-1992:藤田監督(第2次)リーグ優勝2回,日本シリーズ優勝1回。
 リーグ優勝確率:2/4=.500,日本シリーズ優勝率:1/4=.250
1993-2001:長嶋監督(第2次) リーグ優勝3回,日本シリーズ優勝2回
 リーグ優勝確率:3/9=.333,日本シリーズ優勝率:2/9=.222
2002-2003:原監督(第1次),リーグ優勝1回,日本シリーズ優勝1回
 リーグ優勝確率:1/2=.500,日本シリーズ優勝率:1/2=.500
2004-2005:堀内監督,リーグ優勝無し,日本シリーズ優勝無し。
 リーグ優勝確率:0/2=.000,日本シリーズ優勝率:0/2=.000
2006-   :原監督(第2次),リーグ優勝5回,日本シリーズ優勝2回
  リーグ優勝確率:5/8=.625,日本シリーズ優勝率:2/8=.250

長嶋・藤田・原監督は,それぞれ2度監督になっているのでそれを加えて優勝率順に
並べてみると以下のようになります。

1.原監督  :リーグ優勝率:6/10=.600,日本シリーズ優勝率=3/10=.300
2.藤田監督:リーグ優勝率:4/7 =.571,日本シリーズ優勝率=2/7 =.286
3.長嶋監督:リーグ優勝率:5/15=.333,日本シリーズ優勝率=2/15=.133
4.王監督  :リーグ優勝率:1/5 =.200,日本シリーズ優勝率=0/5 =0
5.堀内監督:リーグ優勝率:0/2 =0,   日本シリーズ優勝率=0/2 =0

原さんが,川上監督に次いで「勝てる」監督であることが分かります。

「いや待て!原さんは豊富な戦力を与えられてきたのだから勝って当たり前だ」という人がいるかもしれません。豊富な戦力といえば,第2次の長嶋さんも王さんも堀内さんも与えられてきましたが,その優勝率は原監督を下回っています。
 なお,藤田さんは他の4人ほど選手の補強に力をいれてもらえませんでしたが,それは,
藤田さん個人の人気が他の4人より劣ったためのように思います。

・監督に必要な「人気」や「選手育成能力」といった他の資質については,また,別の機会に書きたいと思います。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。