阿部の残留と高橋尚のFA宣言（73000,8)

阿部（30才）は平均年俸3.5億円の４年契約で残留が決まったとのこと。ほぼ予想通りの結果となりました。捕手の場合，自軍の１軍プラスアルファの投手（20名くらい？）の持ち玉・気質を覚えなければならない。しかも，ブルペンと試合とでは全く異なる投球をする投手が多いので，それを「実戦」で覚えなくてはならないから，正捕手が他チームに行くのにはその点で１つのハードルがある。次に他チームの打者の長所・弱点・気質を，やはり実戦で覚えなくてはならないから他リーグに行くのにもハードルがある。さらに，MLBとなれば，言語・文化・物の考え方も違う投手・打者に対して同じことをしなければならないからさらにハードルが高くなる。城島選手がMLBで結果を出せなかったのは，この３つめのハードルによると私は思っている。ということで，阿部は順当に残留してくれました。年俸の金額も妥当だと思う。

高橋尚（34才）については，以前から，巨人の金銭面の評価に対して不満を持っていたのでFA宣言はするだろうと思っていた。清武代表と４度も話したが納得行かなかったようである。投手の場合は，捕手と違ってリーグやチームの「経験値」を余り必要とせず，MLBでも左腕投手は不足しており，総じて日本の野手・捕手より投手への評価が高いから，上記の３つのハードルは低い。

高橋尚の今年の年俸は推定で1.35億円，今季の成績は「25試合，144回，率2.94，１完投，10勝6敗」で巨人での10年間の成績は「245試合，79勝66敗15セーブ，21完投，防御率3.70」である。まあ，「8勝6敗，防御率3.5の34才先発左腕投手（加えて精神年齢は子供）」というのが高橋尚のスペックであり，その投手に対してどれくらいお金を積むかということだろう。ちなみに高橋尚の頭の中では，彼にとって最高成績だった2007年の「14勝4敗，防御率2.75」が自分のスペックだと思っているだろう。

巨人側は1.5-1.7億円の2-3年契約位を提示していると思うが，高橋尚は，2億円の2-4年契約くらいを考えていると思われる（もちろん全部私の推定）。国内のチームで「8勝6敗，防御率3.5の34才先発左腕投手」に2億円の2-4年契約を提示するところはあるかと言われれば私はないと思うが，MLBならあるかもしれない。スクリューボールを使って右打者のアウトコースのボールの出し入れで基本的に勝負する投手なので，アウトコースに甘い大リーグのストライクゾーンに合うかもしれないからである。井川獲得におけるヤンキースの失敗（５年契約で2000万ドル）をMLBの球団も見ているから可能性は高いとは思わないが・・

まあ，高橋尚にとっても，他球団の評価を聞くのはよいことだろう。せっかくの権利だし，自分が納得のいくように使えばよいと思う。

追記：高橋尚はMLB挑戦を決めたとのことです。でもまあ，これからオファーを待つのだろうなあ。それとも，すでに内々でよい話がきていたのだろうか？