松井秀がヤンキース4番を任されることの意味と意義(追加)

Aロッドの代役とはいえ、松井がヤンキースの4番を任されることについての評価があまり聞こえてこないので一言。


・松井がヤンキースの4番を任されることの意味


4番を打つということは、成績に加えて、チームメイト・監督・ファンすべての信頼を得ていることを意味する.


・松井がヤンキースの4番を任されることの意義


イチローの性格が「日本人離れした日本人」なのに対し,松井のそれは,典型的日本人である.そ の松井が,「ヤンキース=典型的アメリカ人の集まり」の中で,評価・信頼されていることに大きな意義がある。実際、松井を信頼し、「松井やいいやつだ」な どというコメントをチームメイトやファンの声として我々はよく聞く。 もちろん、日本のマスコミによるフィルター効果は考慮しなくてはならないにしても。


渡米早々の松井は、日本の長距離打者としての誇りを捨て、「(現時点で)自分はMLでは中距離打者だ。」という趣旨の発言をした。これは、控えめながら正 しい自己評価である(イチローはこの発言に対し「つまらないよね」と言い切ったが)。その上で、スターの並ぶヤンキース野手陣の中で、「確実に打点をかせ ぐ中距離打者」として自分のポジションを見いだし、毎年、コンスタントに100打点を稼ぐ打者として監督・チームメイト・ファンの信頼を勝ち得た。4番デビューの試合でも、一死1・3塁のチャンスでセカンドゴロで1打点を上げている。地味だがこういうところが松井らしさだろう。


わかるだろうか。「控えめな自己評価と自己犠牲および組織への忠誠心」が松井には認められるのである。 そしてこれは、伝統的に日本人の美徳とされてきたものであり、アメリカ人的ものの考え方とは違うものなのだ。にもかかわらず、松井は、もっともアメリカ的 なスポーツの野球で、もっともアメリカ的な球団である「ヤンキース」で受け入れられ、信頼されている。それが私にはうれしい。


「控えめな 自己評価と自己犠牲および組織への忠誠心」 なんてくそ食らえという人もいるだろう。今は時代遅れという人もいるだろう。でも、考えてほしい、今の日本を作り上げ、現在支えている人々は「控えめな自 己評価と自己犠牲および組織への忠誠心」を持っている多数の無名の人々(私もその一員のつもり)である。その代表として松井がいる。だから私は松井が好き だ。

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