2010年オフの巨人の補強を考える. (1/9, 205151, 野球9,総合24)

2010年オフの巨人の補強は以下の通り.

ドラフト
 澤村・宮國・田中・小山
  右投手ばかり4人.この中で即戦力といえるのは澤村のみ.

育成
 ・ドラフト
 和田・岸・福泉・荻野・財前・成瀬・川口・丸毛
  右投手二人(福泉・成瀬),左投手一人(岸)で他の5名は内野手.
 ・育成選手として受け入れ
 土井(捕手)

トレード
 オビスポを放出して,須永(左投手)と紺田(左外野手)を獲得

FA
 なし.

外国人
 トーレス・アルバラデホ・バニスター・ライアル,ブライト(育成)
 ライアルが内野手,ブライトが左投手,トーレス・バニスターは先発型右投手.アルバラデホはリリーフ型右投手.

・目立つのは外国人投手の積極的な補強とドラフトでの即戦力の少なさです.2010年のシーズンは先発投手の崩れが優勝を逃した大きな要因で,即戦力投手の獲得が必要とされましたが,それをFAでもドラフトでもなく外国人投手でカバーしようとしたということが見てとれます.その理由としては,円高で外国人選手を安く雇えるということもあったでしょうが,外国人獲得についても以下の方針変更があるように思えます.

・巨人は過去において外国人補強が下手でした.失敗が続いたので,他球団で成功した外国人を引っ張ってくる方針に切り替えましたが(李・グライ・ラミレス・クルーン等),これは,多額の経費を必要とする上に「強奪」という悪いイメージを生みました.その後,日本選手の「保険」扱いで,比較的安い外国人を獲得してきましたが(アルフォンゾ・ゴンザレス・エドガー),ゴンザレスを除けば,「保険」の選手がそうそう活躍できるわけもありません.それで,MLBの1軍半の選手を多めに獲得するという方針にしたのだと思います.外国人選手の当たる確率を上げるのは簡単ではないので数で勝負ということですね.加えて私が注目しているのは,今回獲得した選手はすべて20代後半(27~30才)の選手ということです.20台前半までだと,日本で活躍してもMLBに戻りたがるでしょうが,20代後半で(まだ)MLBの1軍半ならば,活躍しても日本に残ってくれる確率も高いように思います.まあ,意図的にそのような年代の選手を狙ったのか,結果的にそうなったのかはわかりませんが・・.
 清武さんは「育成選手による補強」に加えて「外国人補強」についても,他球団との比較優位性を出そうとし始めたように思います.

・それから,外国人で投手は多量に獲得しましたが,野手はライアル一人のみです.チームの顔は,毎試合出場する「野手」とした方がよいでしょうから,「野手」は生え抜きによる育成を図っているのかもしれません.

・上記のようにして,育成や外国人補強で比較優位性が保てれば,「くじ引き次第」のドラフトへの依存度を減らすことができます.リスク覚悟で,菅野を早期に指名しているのはこのような思惑があるのかもしれません.単純に言えば,ドラフト時点でベストの選手を獲得する必要はないと考えているということです.

なお,主な退団選手は,投手でクルーン(38)・小林(37)・藤田(39)・豊田(40),野手で大道(42)・李(35)・エドガー(33)といったところで,特に投手は高年齢順に切っているところがあり,世代交代を図っているように思えます.

 



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