助かった命、助からなかった命



3月17日に行われたFA(イングランドサッカー協会)カップのトッテナム戦の試合中に心臓発作により倒れ、78分間に亘って生死の境をさまよったボルトンのMFファブリス・ムアンバ選手だが、幸いにも一命をとりとめた同選手は、退院して6日後(4月22日)、イギリス紙『ザ・サン』のインタビューで心境を次のように語っています。

 

 

































「トッテナム戦の前は体調もとても良かったし、モチベーションも高かった。ところが試合中、左サイドでタッチラインまでボールを追いかけ、ピッチに戻ろうとした時に眩暈を感じたんだ。苦痛はまったくなかった。非現実的で、まるで他人の体内を走っているかのようだった。そして、物が二重に見え始めたんだ。夢みたいだった。スコット・パーカーやルカ・モドリッチが2人に見えたんだ。最後に聞いたのは、守備を助けに戻ってこいと叫ぶデドリク・ボヤタの声だった。」

 

 




























 



「もちろん、彼は僕に何が起きていたのか分からなかったんだ。僕も分からなかった。空中で落ちているような感覚があって、頭をピッチにぶつけて2度の痛みを感じた。それだけだ。あとは暗闇。何もなかった。僕は死んでいたんだ」

 



 



「僕は何度も検査を受けたが、いまだに何が原因なのか分かっていない。この先も究明されることはないだろう。僕は風邪すらほとんどひかないし、心臓の問題なんて過去にはなかった。」



 



「僕に起きたことは奇跡だった。生き残っても、脳にダメージがあると思っていたよ。またサッカーができれば素晴らしいことだし、僕はそうなることを願っている。でも、ただ生きているということ、家族を愛することができること、それだけですでに素晴らしいことなんだ。僕は幸運な男だよ」



 

 

 



ムアンバ選手は倒れた時、痛みを全く感じなかったと明かしており、ピッチへの復帰を望み、何よりも「生きていることが素晴らしい」と語った。ムアンバ選手の身体には、今後のトラブルに備えてペースメーカーが心臓に取り付けられたと言う。「10年間はバッテリーが不要だ。抜糸したらあまり目立つこともない。医者は心臓のシートベルトだって言うんだ。またアクシデントがあった時に僕を助けてくれる…とね」


 

 

 

4月14日には、イタリア代表のピエルマリオ・モロジーニ選手(25歳)が試合中に倒れ、死亡した事件は世界のサッカー界に衝撃を与えた。

 






























 

 






























 



日本でも昨年8月に、元日本代表の松田直樹選手(当時34歳)が練習中に突然死した事件は記憶に新しいと思います。



 

 



こうした事例はサッカー選手にだけ起こるわけではなく、日本だけでも毎年約6万人、1日にして約150人が『心臓突然死』で亡くなっていることになります。



倒れた時にそばにいた人(バイスタンダー)が救命手当(AEDなど)を行い、ムアンバ選手のように助かるケースもあります。





 

 

 



もしも自分が急に具合が悪くなった場合、あるいは目の前で誰かが突然倒れた場合、どうしたらいいのか? 後の日記で「救命の豆知識①~④」を紹介していきます。



































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