最近善悪がよく分からない

望みもしないのに

酷く

醜い姿をした生き物を

目にした時

その姿を嫌悪するか

それとも

醜い姿に生まれついた

その心を憐れむか

醜い姿でありながらも

明るく笑おうとする

その意思を敬うか

自身の心の醜さを

空しく思う

生き物がいる

知っている

自身がただの生き物で

望むほど美しくも

強くもないことを

その生き物は知っている

人の姿で

醜く笑う生き物がいる

濁った心

望まずにそうなってしまった

魂を悲しく思う

思えば

憎むべき生き物など

存在しようか

なぜそうなってしまったのか

なぜそれをするのか

理解できない思いはあっても

すべての心が

明るく笑顔でいられない

この世界の方が

間違っている

叫んだところで

誰も救われはしないから

自分たちの意思で笑おうと

笑えるようになろうと

立ち上がり整理し行動する

ただ喚いているだけのことも

何もせずにじっとしていることも

あるだろうが

仮に生き物の意識を

『魂』と呼ぶのなら

生き物の魂は

『それでも』

確かに存在している

どうか

穏やかであってほしい

平穏を奪われるだけの魂は

生まれるべきではないのか

奪わずにはいられない魂は

消えてしまうべきなのか

綺麗には在りえない

せめて

存在しているこの魂で

感謝しながら

生きている