親父との距離
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ケン#39
2007年07月20日 21:24 visibility108
ボクには、子供の頃、というか大人になるまで、親父と過ごした記憶がほとんど
ない。
親父は、ボクが小学校の3年だったか4年だったかの時から単身赴任で長いこと
うちを空けていた。結局、うちに戻って来たのはボクが高校を卒業してうちを出た
後だった。
うちを出るまでは、休みのたびにボクをいろいろなところに連れて行ってくれた
らしいけれど、もともとボクは小さい頃のことをほとんど憶えていないので、当時の
写真がいつの間にか記憶にすり替わっているに過ぎない。
遠足にも、授業参観にも、運動会にも、野球の試合にも親父がいた記憶はない。
キャッチボールだって、記憶にあるのはボクのほうが親父よりも勢いのある球を
投げられるようになってからの2、3度だけのような気がする。(といっても、ボク
が野球を始めたのは少なからず親父の影響なのは間違いないから、そんな
こたぁないと思うけど。)
けれど、ボクは、そんな親父を恨んだり、寂しいと思ったことはなかった。
幸い、ボクには野球という、親なんかそっちのけで夢中になれるものがあったし、
それに、もともとボクの親父は頑固で口うるさい人だったから、煙たいと思って
いたせいもあるのかもしれない。
たぶん、少なくともボクには「父親がいた」のだから、ということなんじゃないかと
思う。
長いこと遠くにいた親父だけれど、ボクにとってその存在はデカい。いまだに。
(もちろん、たまーにうちに帰って来てた時の彼自身の存在感もあるだろうけれど、
今思うとやっぱりお袋のお陰なんだと思う。うちの中にいない/存在してない
親父の存在をこれだけ強烈にボクに植えつけたお袋。やっぱ、かぁちゃんは
偉大よ。)
案外、父親なんて近くにいようが遠くにいようがあんま関係ないのかもね。
そして、ここで久しぶりに”ふと”思うわけだけれど、定年まで長いことひとつの
会社で勤め上げ、その間2回の転勤と、2ヶ所で10年もの単身赴任(えっ?
ちょっと待てよ。ひょっとして親父、なんかやらかしたのか?)を経て、定年
直前になってようやく自宅から通えるところでの勤務になった親父の人生って、
いったいどんなだったんだろう。父親として何を思い、過ごしたのだろう。
そして今では親父となったボクは、父親として、これからどんな人生を送るのだろう。
世の親父やってるキミ、そして息子やってるキミ、それから両方ともやってる
欲張りなキミ、そのへんどうよ?
*ちなみに、高3の夏、ボクの最後の試合にも、当然のことながら親父は来れ
なかったのだけれど、地元にいる、趣味でカメラをやっている友達に頼んだと
言って、その人がわざわざボクの試合に来て撮ってくれた写真をボクにくれた。
とっても良い写真で今でもアルバムに大切にとってあるけれど、写真だけで
なく、その出来事自体が、ボクにとっては大切な数少ない親父との記憶だ。
注)
なんか過去の人のように親父のこと書いてますが、田舎で元気に隠居生活
送っとります。
はい、いまでも親父のこと、こわいッス。あのじじぃには逆らえまっしぇん。
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