
勝率489史上最大の下克上ジャイアンツ・キリング現行制度見直しの声も
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舞
2013年10月16日 17:36 visibility93
カープのレギュラーシーズン成績は69勝72敗3分(勝率4割8分9厘)
勝率5割を切ったチームがCSに出場するのは2009年のヤクルト(71勝72敗1分)以来、2度目。
さらに、今季リーグ優勝した巨人とのゲーム差は「17」。
もし、広島がCSを勝ち上がって日本シリーズ進出となれば、現行制度見直しの声も出かねない…
それでも、現在のカープには、そんな騒動を起こしてしまいそうな勢いと可能性がある。
。
C躍進の理由
「ケガの功名」「昨年の教訓」「指揮官の覚醒」
特に後半戦は、これらの要素が見事にかみ合い、快進撃につながった。
「ケガの功名」は、開幕早々から見られた。春季キャンプで、セカンドのレギュラー候補だった東出輝裕が左ヒザ前十字靭帯を断裂し、今季絶望の重傷を負った。その代役として起用されたのが、本来はショートを守る2年目の菊池涼介だった。
今季から就任した新井宏昌打撃コーチが、「コーチに就任して、最初に名前が浮かんだ3人のうちのひとり」という菊池は、もうひとりの丸佳浩(打率2割7分3厘、29盗塁で盗塁王獲得)とのコンビで打線に新風を吹き込んだ。チーム最多となる141試合に出場し、打率2割4分7厘ながら球団新記録となる50犠打をマーク。守備でも規格外の守備範囲の広さで、日本新となる528捕殺を記録した。
また、ここ数年、貧打に泣かされた打線のターニングポイントとなったのが、6月に途中入団したキラの存在だ。新井コーチが「キラが加入して軸が固まってきたことで、点が入る雰囲気が出てきた」と評価する新外国人の獲得は、開幕から4番を任されていたエルドレッドが右手首に死球を受けて骨折し、離脱したことがきっかけだった。キラ(66試合に出場し、打率2割5分9厘、14本塁打、45打点)の加入後、打線は1試合平均4.5点を叩き出し、それまでの3.3点を大きく上回った。
さらにCS争いも佳境に入った8月20日、開幕からサードのポジションを守り続けていた堂林翔太が左手に死球を受けて骨折し、戦列を離れた。レギュラーに定着して2年目の堂林は離脱するまで、打率2割1分7厘、失策19個(リーグワースト)とマイナス面も多かったが、チーム2位の41打点をマークするなど、着実に成長を遂げていた。その堂林に代わりサードに入った木村省吾と小窪哲也が、見事にその穴を埋めた。特に木村は打率3割を超える打撃で、「下位からでもチャンスを作れたのは大きかった」と新井コーチの評価も高い。何より、安定した守備力は、投手陣に安心感をもたらした。2010年は東出、2011年は梵英心(そよぎ・えいしん)と、いずれも故障離脱した内野の穴を埋めたスーパーサブの真骨頂だった。
一方、投手陣はエースの前田健太を筆頭に、バリントン、大竹寛、野村祐輔の4本柱が2ケタ勝利を挙げた。広島で4投手による2ケタ勝利達成は、北別府学や大野豊などを擁し、「投手王国」と言われた1987年以来、26年ぶり。実は、この先発陣の活躍の背景には「昨年の教訓」があった。
9月の急激な失速でCS進出を逃した昨年は、開幕から主に中5日のローテーションを組んでいた。シーズンを通してフル回転状態が続いた結果、勝負どころの9月に前田が5試合に先発して1勝しかできなかったのをはじめ、4本柱が挙げた勝ち星はわずか4勝。スタミナ切れは明らかだった。
そうした反省を生かし、今季は開幕から先発に無理をさせない起用を続けた。連戦が続いた7、8月も、なかなか結果を残せない中村恭平や中崎翔太を使い続け、中6日のローテーションを守り抜いた。
その結果、エースの前田は7月14日から9月21日まで負けなしの9連勝。前半戦はなかなか勝てなかったバリントンも8月4日から9月25日まで7連勝。大竹、野村も順調に白星を重ね、3位争いのライバルチームを大きく引き離した。
そして「指揮官の覚醒」だ。開幕当初から「日替わり打線」と揶揄され、144試合で109通りにも及んだ打順も、シーズン終盤にはある程度の形が完成し、機能した。休養を与えながら慎重に起用してきた故障持ちの梵や石原慶幸も勝負どころで結果を出し、昨年6勝17敗1分だった9月を今季は14勝7敗で乗り切った。
何より光ったのが野村謙二郎監督の積極采配だった。その最たるものが、終盤に見せたエルドレッドとキラの両外国人の併用だ。ふたりの適正ポジションはともにファースト。だが、野村監督は守備面でのリスクは承知の上で、エルドレッドをレフトで起用した。実際のところ、失点につながるミスも度々あった。それでも、「今年は打ち勝つ野球がテーマ」(野村監督)と最後まで攻撃野球を貫いた。
キラが来日当初の勢いを失った9月に4番復帰したエルドレッドは、打率3割2分9厘、7本塁打、15打点と打ちまくった。野村監督は「万馬券が当たったようなもの」と自らの起用について語ったが、ハイリスクハイリターンの決断が見事にはまった結果となった。
10月12日から始まるCSファーストステージで、まず広島はセ・リーグ2位の阪神と対戦する。今季、阪神との対戦成績は12勝12敗とまったくの互角。しかし、9月以降の両者の対戦では4勝1敗と広島が勝ち越しており、勢いの差は歴然としている。
しかも、広島には絶対的エースの前田がいる。前田は今季、阪神戦に6試合先発して4勝1敗、防御率0.40と抜群の成績を残しており、甲子園に限っていえば2戦2勝で防御率0.00と1点も許していない。前田は初戦の登板が予定されており、ここを確実に取れば、3試合制(2勝で勝ち抜き)のファーストステージを勝つ可能性は高くなる。
ファーストステージを勝ち抜けば、セカンドステージで対戦するのが巨人だ。今季、巨人との対戦成績は8勝14敗2分と大きく負け越しているが、9月以降に限れば広島が5勝2敗と勝ち越している。また、昨年5月から14連敗を喫していた「鬼門」の東京ドームでの戦いも、7月25日の試合で1イニング8得点の猛攻で勝利し、その後も4戦2勝と苦手意識を払拭した。
7月24日の時点で、広島の借金は今季最多の「14」に達していた。目標だった5割には届かなかったが、9月以降は7連勝を含む16勝9敗1分と巨人、阪神の上位チームを上回る成績で3位に入った。それだけに1991年以来となる日本シリーズ進出も……広島ファンは今、そんな夢を見ている。
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