1998年W杯の再現を狙うビリッチ監督
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2012年02月07日 09:16 visibility248
まだ43歳と、
UEFA EURO 2012本大会出場国を率いる指揮官の中でも
2番目に若いスラベン・ビリッチ監督だが
(最年少はポルトガルのパウロ・ベント監督)、
代表チームでの経験では他のほとんどの監督を上回っている。
クロアチアのU-21代表監督からA代表に昇格して以来、
5年半で60試合を指揮し、負けたのはわずか6回だ。
3試合で2勝という高い勝率に後押しされ、
ビリッチ監督率いるクロアチアは2大会連続でUEFA欧州選手権出場を決めた。
同監督はUEFA.comのインタビューに答え、
この夏ポーランドとウクライナで開催される本大会への抱負、
さらには現役時代の同監督も出場し、
FIFAワールドカップで3位と躍進を遂げた1998年の高みに
再び登りつめることの意味について語ってくれた。
「この仕事に就いてからかなりの時間が経った。
確かに今でも監督としては若い方だけれど、
もう6年目だから、ベテランと言えるだろうね」とビリッチ監督は振り返る。
「これまでの6年間、魅力的なサッカーを目標にしてきた。
それは観る人だけでなく、
僕を含めたプロのスタッフにとっても、見応えのあるサッカーだ」
「クロアチアでも最も優秀な選手たちは、
特にボールの扱いについて素晴らしい才能を持っていることに気付いた。
そこですべての試合でリズムを支配し、
できるかぎり敵陣にボールを持ち込み、
相手チームを押し込んで、
圧倒的なペースで試合ができるよう心がけている。
多くのケースで、この作戦はうまく行っているよ。
ここまで60試合のうち40試合に勝ち、負けたのはたった6試合だ。
欧州の代表チームでここまでの勝率を上げられるのはめったにないことさ」
オーストリアとスイスの共催で行われたUEFA EURO 2008では
同大会最年少の指揮官として、
チームをベスト8に導いたビリッチ監督だったが、
2010年のFIFAワールドカップでは予想外のグループ予選敗退に終わった。
しかしUEFA EURO 2012予選ではプレーオフでトルコを破り、
本大会出場権を確保した。
クロアチアは現役時代のビリッチ監督もプレーしていた1998年、
ワールドカップ・フランス大会で3位に輝いている。
この夏の欧州選手権で、この躍進の再現はなるだろうか?
こう尋ねられたビリッチ監督は「よく聞かれる質問なんだ」と打ち明けた。
「たぶんそれは、僕、そしてアサノビッチ、ユルチェビッチ、ムルミッチなど、
周りのスタッフにあの大会に出場した元選手が多いからだろうね」
「その分、客観的になれないところもあるが、
あの時のチームも今のチームも、質は高い。
当時のチームのことはよく覚えているけれど、
時が経つといいところしか思い出せなくなるんだ。
悪い面もたくさんあったはずなのにね。
でもあの躍進の再現はかなり難しいと思うよ。
目標でもあるし、
そうなるべく計画を立てているのは間違いないが、
クロアチアのような小国で、
あれほどの成功を再び手にするのは大変なことだ。
でもそれが願いではある」
前回大会で監督としての能力を示したことで、
欧州の多くのトップクラブがビリッチ監督に注目している。
しかし90年代後半に同じくクロアチア代表でサッカー界を沸かせた一人、
ダボル・シュケル氏も、他の舞台でも活躍できるはずだと太鼓判を押しつつ、
その時が来るのはもう少し後になってほしいと願っている。
「クロアチア代表チームにとって、
6年間、一人の監督が率いているのは大きな意味を持つ」とシュケル氏。
「以前にもミロスラフ・ブラゼビッチ監督が8年ほど務めたはずだけれど、
スラベン(・ビリッチ監督)もそれに近づきつつある。
まずはここで大きな成功を収め、
その後に世界のビッグクラブを率いてくれたらうれしいね」
ビリッチ監督はEURO本大会では欧州、
そして世界王者であるスペインとの対戦でその実力を試すことになる。
他にもグループCには、イタリアとアイルランドが名を連ねている。
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