銀座のあるところに不思議な靴屋がある。当然のことだが、店は毎日開いている。店主と思しきおじいさんがひとり、店を守っている。店の中や、暑い頃になると、外の自転車にちょこっと腰掛けた小柄なおじいさんである。店は、昭和の30〜40年代ぐらいからあるだろうと思える店構えで、昔の商店のように、店に外と内を仕切る窓も壁もないのである。銀座の背の高いビルに囲まれて、木造モルタル二階建がおじいさんと共にポツンと建...