2017:A代表:親善試合:中立:vsブラジル「インテンシティ」

日本vsブラジル:1-3
得点者:10ネイマール(PK)、12マルセロ、9ガブリエル・ジェズス(22ダニーロ)、20槙野 智章(2井手口 陽介)

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

日本

監督

ヴァヒド・ハリルホジッチ:2.5

スタメン

8原口 元気:3.0、15大迫 勇也:2.5、11久保 裕也:3.0
2井手口 陽介:3.0
16山口 蛍:3.0、17長谷部 誠:3.0
5長友 佑都:3.0、20槙野 智章:3.0、22吉田 麻也:3.0、19酒井 宏樹:2.5
1川島 永嗣:2.5

リザーブ

GK:12西川 周作、23東口 順昭
DF:3昌子 源、24三浦 弦太、4車屋 紳太郎、21酒井 高徳
MF:6遠藤 航、25長澤 和輝、7倉田 秋、14森岡 亮太
FW:10乾 貴士、18浅野 拓磨、13興梠 慎三、9杉本 健勇

途中交代

11久保 裕也→18浅野 拓磨:2.5
17長谷部 誠→14森岡 亮太:2.5
8原口 元気→10乾 貴士:2.5
15大迫 勇也→9杉本 健勇:2.5
2井手口 陽介→6遠藤 航:3.0

 

ブラジル

監督

アデノール・レオナルド・バッチ(チッチ):2.5

スタメン

10ネイマール:2.0、9ガブリエル・ジェズス:2.0、19ウィリアン:2.5
17フェルナンジーニョ:2.5、18ジェリアーノ:2.5
5カゼミーロ:2.0
12マルセロ:2.0、4ジェメルソン:2.5、14チアゴ・シウバ:2.5、22ダニーロ:2.0
1アリソン:2.5

リザーブ

GK:16カッシオ、23エデルソン
DF:2ダニ・アウベス、3ミランダ、6アレックス・サンドロ、13マルキーニョス
MF:8レナト・アウグスト、11フィリペ・コウチーニョ、15パウリーニョ、20ジエゴ
FW:7ドウグラス・コスタ、21ロベルト・フィルミーノ、24タイソン、25ジエゴ・ソウザ

途中交代

1アリソン→16カッシオ:2.5
9ガブリエル・ジェズス→25ジエゴ・ソウザ:2.5
12マルセロ→6アレックス・サンドロ:2.5
10ネイマール→7ドウグラス・コスタ:3.0
19ウィリアン→24タイソン:3.0
18ジェリアーノ→8レナト・アウグスト:3.0

2、得点経過

ブラジル:0-1:10ネイマール(PK)

 一度は、PKのファールが流れましたが、22吉田 麻也が、17フェルナンジーニョを倒してしまったというのが、ビデオ判定により、認められてPKになりました。
 キッカーは、エースの10ネイマール。1川島 永嗣が駆け引きしつつ構えるも我慢できずに左に飛んでしまい10ネイマールに逆を突かれてしまって右に決められてしまい失点。

 こういった細かい判定をビデオ判定によりされるという事で、90分間通してフェアプレーをする精神。これは非常に大事であると認められるシステムであると思います。また、それと同時に流れが止まってしまうという点をどう評価するかですが、これにより正しい判定が増えてくれれば、笛に泣かされる事も減りますからしっかりフェアプレーで、90分間戦ってほしいです。

ブラジル:0-2:12マルセロ

 19ウィリアンが、カウンターの流れからドリブルで駆け上がります。そこからサイドに18ジェリアーノの経由で、22ダニーロに繋ぎます。そこから22ダニーロに20槙野 智章が対応しますが、クロスを許してしまいます。その先に居た10ネイマールが胸で落として、9ガブリエル・ジェズスというシーンで、16山口 蛍の守備が遅れた事で、9ガブリエル・ジェズスを倒してしまいPKを与えます。
 このPKを10ネイマールが再び蹴りますが、1川島 永嗣が今度は我慢して、10ネイマールが、蹴った方向である左に飛んでビックセーブで、CKに逃れました。
 10ネイマールが、CKを蹴り、ニアに速いボールを入れます。一度日本がブロックして、毀れ球を2井手口 陽介がクリアしようとするも滑ってクリアが不十分になります。この毀れ球が12マルセロの元へと転がり、これを12マルセロがミートした強烈なシュートを左上隅に突き刺して、ブラジルが追加点を決めます。

 この試合の日本は、19酒井 宏樹が、右サイドを上手く守っていたのに対して、左サイドから危険なクロスなどを入れられていました。このシーンでもそうで、5長友 佑都が上がったスペースを突かれて、20槙野 智章が対応しますが、寄せが甘く簡単にクロスを許してしまうというシーンでした。チームとしてこういったスペースを如何にカバーできるかという部分で、5長友 佑都のオーバーラップでの攻撃での貢献より、守備の隙が目立つ形になってしまったのは、残念でしたが、その方向性は間違いないと思いますので、巧く活かして欲しいです。
 また、2井手口 陽介が、前半も後半も滑っていたのは、気になる所ではありますが、スパイクが悪かったのであれば、交換を何故しなかったとなりますし、コンディションが悪ければ、若さが出たという事になります。何れにせよ前半の失点の1つに繋がってしまった事を考えても練習からしっかりして欲しかったです。

ブラジル:0-3:9ガブリエル・ジェズス(22ダニーロ)

 11久保 裕也が5カゼミーロ?に奪われてカウンターを受けます。18ジェリアーノがボールを持って駆け上がると、10ネイマールに預けて、少し進んで、パスをリターンします。18ジェリアーノは、今度は左サイドに展開します。パスを受けた9ガブリエル・ジェズスの股抜きパスを22吉田 麻也がブロックしてクリアするも5カゼミーロに拾われて、今度は右サイドに出されます。19ウィリアンが溜め作ってサイドを駆け上がってきた22ダニーロに出します。このオーバーラップへの対応が遅れながら20槙野 智章が行きますが、当然寄せが間に合わず、精度の高いグラウンダーの速いクロスを許してしまいます。その先にいた9ガブリエル・ジェズスが押し込んで、ブラジルが前半で駄目押しの追加点を決めて、勝負を決定づけられてしまいました。

 本当にカウンターの切れ味の鋭さと厚みのある攻撃で、非常にブラジルが強いなと感じる3点目であったと思います。カウンターのスピード感もありますし、後ろからどんどん選手が来ますし、自陣に引き籠る形になってしまった日本は、当然セカンドボールを拾えませんし、こういった所で、どうやって押し上げるかというのは、1つのポイントかと思います。

日本:1-3:20槙野 智章(2井手口 陽介)

 日本が中央の15大迫 勇也を起点に中央を突いて、サイドの5長友 佑都に展開した所で、クロスを入れます。このクロスで、ブラジルの選手のクリアで、CKを獲得します。
 このCKを蹴るのが2井手口 陽介で、ファーサイドへ中速のボールを蹴ります。この先にいた20槙野 智章が後ろへ下がりながらヘッドですが、しっかりミートして、ファーサイドへのゴールを決めて、日本が1点返す事に成功しました。

 プレースキックのスペシャリストが居なくても合えば決まる。そういったシーンであったと思います。また、どんなに強豪でもセットプレーであれば、十分決めれる。そういった今後に希望の持てる得点であったと思います。セットプレーの機会が増えして量を増やして、精度も上げて質も向上する。こういった事が出来れば、より高みを目指せると思います。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

日本

攻撃評価:C
守備評価:D
采配評価:C
総合評価:C

ブラジル

攻撃評価:A
守備評価:B
采配評価:B
総合評価:B

文章評

寸評

 日本にとって、ロシアW杯を想定した上で、ブラジルとの1戦は、現在地を確認することのできる重要な位置づけの試合でした。ブラジルは、予選を圧倒的な強さで突破して、向かうところ敵なしという感じで、得点力があることに加えて、守備も堅い。攻守ともに隙の無いチームで、日本にとって苦手とするチームでした。実際にこの試合まで、得点すらなかなか奪えない試合が続いており、勝利すれば、奇跡と言っても決して過大評価ではないと思います。
 試合の方は、ブラジルが序盤から日本を圧倒する展開でした。日本は、立ち上がりこそ前線からハイプレスをかけていましたが、ビデオ判定でPKで失点した辺りから運動量が落ちて、前からプレスをかける事が出来ていませんでした。立て続けに日本は、失点し、序盤の速い時間帯で、0-3というビハインドに立ちました。こうなるとブラジルは、省エネサッカーに徹して、守備を固めてカウンターという形になりました。前半は、カウンターに沈められそうになる中、なんとか0-3で折り返しました。
 後半は、選手交代などで、ハイプレスが出来るようになると、ブラジルも控えめにプレーしていたこともあり、日本もある程度チャンスを作ることが出来ました。その結果、オフサイドの惜しいセットプレーでのヘッドや、対ブラジル戦で数年ぶりの得点がありました。
 しかし、出来れば、ある程度パワーを持ってプレーしていた前半に、ブラジルに対して、一定の内容の戦いを見せて欲しかった。スコア以上に実力差を感じた試合であったと思います。

ブラジル評

 欧州のサッカーに触れたアデノール・レオナルド・バッチ(チッチ)監督が率いてる事もあり、前線からハイプレスとボール奪取後のカウンターという非常に理に適っている戦い方が出来ていると感じました。組織的に守り、カウンター時は、高い個の力で、局面を打開して、シュートまでいく。こういった部分が、しっかりオーガナイズされていて、今までのブラジルとは違いました。
 ただ、引いて守るだけではなく、前線からの献身的な守備で追うだけでもなく、連動して全体をコンパクトにしていました。しっかりチームとしてまとまりを感じる事が出来ました。
 攻撃時も日本の立ち上がりのハイプレスも少し押し込まれつつも基本的には、難なくかわして繋いでいましたし、高い技術は健在でした。
 10ネイマールを中心としたチームは、近年色々と言われていたが、サッカー王国に相応しい強いブラジルがここにいました。

日本評

 ブラジルに対してどこまで戦えるかという意味で、楽しみにして臨んだ試合であったと思います。立ち上がりの強度の高いハイプレスは、10分ぐらいすると大人しくなりました。チームとして一定のプレスを90分間継続する。これが出来ないと非常に苦しいと思います。前半は、途中から完全に引いて構える形にしたことで、フリーランとパス精度の伴った、ブラジルのキレ味鋭い攻撃を受ける事になりました。
 後半は、ペースを抑えていたブラジルに対して、プレスを継続して仕掛けた事で、高い位置でのボール奪取が少しだけ見れるようになりました。相変わらず、カウンターへの対応に苦しんでいましたが、後半は、なんとか無失点に乗り切る事が出来ました。
 親善試合とはいえ、堅守のブラジルが点が取れた事は、嬉しい点です。
 14森岡 亮太もパスセンスは光っていましたが、守備での指示をヴァヒド・ハリルホジッチに受けるなど、残り期間で、しっかり形にできそうかどうかが、最終的なメンバー入り出来るかどうかのポイントなりそうです。
 9杉本 健勇は、オフサイドながら頭でゴールネットを揺らす事が出来ましたが、そういった細かいずれを修正出来れば、一定の計算が出来る選手になりそうです。初出場の試合では、何も出来ませんでしたが、一定の存在感を出せれるようになった事を考えても吸収力のある選手と感じました。残り期間で、如何にアピールできるか。移籍の話を含め、所属クラブでの活躍が出来るかどうかも判断材料になりますし、その辺りがどうなるか注目したいです。
  また、19酒井 宏樹も攻守で存在感を示してくれた通り、所属クラブでの活躍が、そのままこの試合に繋がった印象です。

総評

 ブラジルが強いというのは、雑誌などの情報から知っていましたが、想像以上に組織的なチームで、日本の方が、後退的で、個の力でも組織力でも大きな差がありました。後半の1-0より、前半の0-3の方が、重要で、ある程度、勝利への渇望があり、本気で迫ってくるブラジルに通用しなかった。これは間違いない事実です。
 ただ、これは、本戦では無いので、この差を少しでも縮めるためにもしっかり組織を整備して、もっと可能性のある戦いが出来るかどうか。10ネイマールにかなりやられたという訳ではないので、最後のフィニッシュ精度などを磨いて行けば勝てるという段階に近づけて欲しいです。
 このレビューのタイトルである「インテンシティ」ですが、チームの守備の強度を上げるために走り方の質の向上、いくら走っても連動性が無ければ、無駄走りになってしまいますし、この点が大事かと思います。質が上がれば、量が増えた様に見えますし、ブラジルの様に90分間続けれる様にこの辺りを浸透していって欲しいです。

試合評

Man Of the Match(MOM):12マルセロ(ブラジル)
Most Impressive Player(MIP):19酒井 宏樹(日本)
満足度(10点満点):8点(★★★★☆)

日本から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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