二冠王、筒香嘉智に迫る罠

 
 
 

【DeNA】筒香、2年連続WL参加示唆…更なる進化へ無休トレ

 筒香が今オフも“無休トレ”で更なる進化を誓った。

 発熱により23日の秋季練習開始から3日間欠席したが、休養日明けのこの日から復帰。昨年は12月にドミニカ共和国のウィンターリーグに参加したが
「12月は休みだけど、それでは自分には時間が足りない。無駄な時間は過ごせない」と力説。「今年の参加(の可能性)は半々。自分の能力を上げるために一
番の効率的な方法を考えたい」と2年連続挑戦を示唆した。

(スポーツ報知)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161028-00000033-sph-base

 


■スケジュールはケツかっちん


 セ・リーグ二冠王、筒香嘉智が12月から行われるウインターリーグに参加の意向を示している。11月には侍ジャパン、来年3月にはWBCのスケジュールも決まっている。筒香にとって今オフは無い状態ともいえる。

去年も12月のウインターリーグに参加。
通常どおり自主トレからペナントレースを終えて、そこからさらに

11月 秋季練習 侍ジャパン
12月 ドミニカWL
1月 自主トレ
2月 春季キャンプ
3月 WBC

とスケジュールはケツかっちん。


■「自分には時間が足りない。無駄な時間は過ごせない」に潜む罠
 意識が高いのは結構だが、この発言は二冠王にしては余裕のない精神状態が伺える。思い出すのがサッカー日本代表にも選ばれたGK権田修一だ。

権田修一はロンドン五輪にも選出された世代を代表するGKだった。向上心が強く、意識の高い選手で、その強すぎるキャプテンシーのため試合直後のピッチ上で味方選手と掴み合いになるようなところがあった。

 

 絶好調で迎えたA代表の合宿ではハリルホジッチ監督からやや理不尽ともいえるダメ出しをもらい代表GKの枠からは落選した。それを契機に「何が悪いのか。自分ではどうしたらいいのか分からない」精神状態に陥り、生理的疲労が回復しないまま積み重なって慢性疲労が続く。いわゆるオーバートレーニング症候群(オバトレ)だ。


全身にだるさが残ったり、睡眠障害や食欲低下に伴う体重の減少なども引き起こされ、周囲からは鬱病に似た症状に見える。


■過去には湯口事件なども
 野球界でもオーバートレーニング症候群が疑われるケースは過去にも存在していて、巨人軍の忌まわしい過去、湯口事件などもその一例。生真面目すぎる性格の湯口敏彦が自分の実力と周囲との期待とのギャップに苛まれ、当時、鬱病と診断される状態に陥り、最後は死にまで至る。(一節には自殺という説も)

当時は、オーバートレーニング症候群が指導者、選手本人、医師らから正しく理解されていなかったことによる悲劇かも知れない。

 

■勇気を持って休め筒香!
 筒香のケースでは、周囲との期待に切迫されての行動ではなく、自分の内側から出てくるモチベーションによる行動だ。たしかに動機に違いはあれども、「自分には時間が足りない。無駄な時間は過ごせない」の発言からはただならぬものを感じ取ることができる。

特に打者は、100m走や山登りのような自分との戦いとは違って、あくまで投手の球に対応する相対的な競技だ。結果が出ないこともあるし、それが続くこともある。自分ひとりでは解決できないジレンマに陥ったとき、筒香の高すぎる意識の糸が音を立てて引き裂かれるような未来は見たくない。

今年のセ・リーグ二冠王、誰もが認める日本の四番打者だ。
筒香にはぜひ勇気を持って休んでもらいたいと思う。

 

 
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