「CS2の初戦は第1ステージ勝ち抜きチーム有利の効果」をいれて見ました(60500,6)

昨日の計算が結構皆さんに好評のようだったので,調子にのってもう少し計算します.レギュラーシーズン1位のチームAが同2位のチームBに勝つ確率をすべての試合でPとしましたが,初戦のみQとします.このQをPより小さくすることで,「CS2の初戦は第1ステージ勝ち抜きチーム有利の効果」を入れることができます.パラメータが1つ増える(Qの分)増えるので当然計算が複雑になります.例によって,確率計算に興味のない方は結論のみお読みください.


 


Aが勝つパターンは,3勝,3勝1敗,3勝2敗,3勝3敗でこの3勝3敗の部分が,1勝のアドバンテージがもたらす部分に相当することに変更はありません.
3勝は,〇〇〇の一通りで確率はQ*P*P=QP^2.3勝1敗は,X〇〇〇,〇X〇〇,〇〇X〇の3通りで確率は最初に勝つパターンについてQP^2*(1-P)で,それが2つありますから2*QP^2*(1-P)で,最初に負けるパターンについては(1-Q)P^3です.結局3勝1敗で勝つ確率は2*QP^2*(1-P)+(1-Q)P^3です.同様に3勝2敗は3QP^2*(1-P)^2+3P^3(1-Q)(1-P),3勝3敗は4Q(P^2)*(1-P)^3+6P^3(1-Q)(1-P)^2です.

P=0.5(つまりAとBの勝つ確率は五分五分)とし,Q=0.4(つまりAは初戦のみ勝つ確率は40%)とすると,



3勝の確率=0.100 (Q=P=0.5なら0.125)
3勝1敗の確率=0.175(Q=P=0.5なら0.1875)
3勝2敗の確率=0.1875(Q=P=0.5と同じ)
となります.アドバンテージがなければ,このパターンがAの勝つパターンのすべてですから,これを足すと0.4625となります(Bの勝ち抜く確率は0.5375).そしてアドバンテージ分は
3勝3敗の確率=0.1625(Q=P=0.5なら0.15625)


です.Q=P=0.5のときより3勝3敗の確率が上がるのは,初戦でAが負ける確率が高い分,Aの勝つパターンとしては接戦で勝ち抜く確率が上がると考えればよいと思います.合計は0.625.他方Bチームの勝ちぬく確率は0.375.アドバンテージがなければ,CS2を勝ち抜く確率は,Bチームが第1ステージを経験している分(AとBの直接対決の勝率が五分でも)初戦有利とするとその分Bが有利になりますが,アドバンテージ1勝があると,その効果を打ち消して余りあることになります.この効果は強烈で,たとえば,Q=0.1(初戦のAの勝つ確率0.1)でも,Aの勝ち抜く確率は0.53でBを上回ります.アドバンテージなしだと,Q=0.1ではAの勝ち抜く確率は0.35にすぎず,Bの勝ち抜く確率0.65の1/2になってしまいます.



これもまた机上の計算ですが,第2ステージのアドバンテージ1勝の効果は,第1ステージ勝ち抜き効果を大きく上回るように思えます.

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。