フォアハンド覚書
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マル
2010年09月14日 00:15 visibility9446
明日は久しぶりにテニスに行きます。
たった4日やっていないだけで、遠い昔の事のようです(^^;
明日は存分に練習してきます!
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特に最近面白いのが、フォアハンドです。
フォアハンドは、原則として利き腕で打つため、器用なことができます。
しかしその器用さがかえって、変な癖をつけてしまったり、
しょっちゅうフォームが変わったりすることの原因となるそうです。
今現在、私は04年度のフェデラーのフォアハンドを模範としているのですが、
当時世界一のフォアと言われただけあって、随所に凄い技術がちりばめられています。
まず、全体像としては、
スイングの加速が凄まじいのですが、身体に「力み」が一切ありません。
スイングがとてもスムーズです。
このため、試合中でも彼のフォアハンドに見惚れてしまいます。
見ていて「美しい」と思う、というのは、極めてまれなことであり、特徴の一つだと思います。
次に、個々の点としては、
�グリップが薄めである
�手首の使い方が「引っぱたく」動作に近い
�打点に顔が残っている
�打ち終わった時、ショルダーターンができている
�一連の流れの中で打てており、リカバリも早い
といった点が、凄い技術として挙げられると思います。
�について
フェデラーは、インタビューの中でも
「どんどんグリップを薄くしていった」
と述べています。
最近はラケットの反発力が大きいので、厚いグリップでもスピードボールが打てますが、
当時はまだ今ほど反発力が大きいラケットはなかったので、
スピードボールを打つためにはグリップを薄くしていたのだと思います。
グリップが薄い場合、
原則的には体は横向きに使い、身体の横が打点となるのですが、
フェデラーは手首を柔らかく使うことで、打点を前にとることに成功しています。
これによって疑似的に厚いグリップと同じように、回転をかけやすい打点で打つことができるようになったと考えられます。
また、打点を前にとればとるほど、早いタイミングで打てるので、
より攻撃的なテニスをすることができると考えられます。
�について
この頃、フェデラーの試合を観戦している最中、
往年の選手がフェデラーの手首の使い方を観客席で真似している姿をよく見かけました。
それくらい、彼の手首の使い方は特徴的だったといえます。
これはまだよく分からないのですが、私が試している限りでは、
テイクバック時には手首を立てた形でロックしておき、
フォワードスイングに入るあたりでそのロックを解除することで、
インパクトに向けてラケットを加速することができるのではないか、と考えられます。
すなわち、ラケットヘッドの加速のための初動として、
手首のロック・一瞬の解除を利用しているのではないかと考えられます。
それが、ぱっと見「引っぱたく」時の手首の形に見えるのだろうと考えられます。
個人的な感想としては、
手首を横にロックしておく方がスピンを打ちやすく、また安定感は増す感じはあります。
ヒューイット、フェレーロの手首の形が「横にロック」の典型だと思います。
しかし、フェデラーは彼らとは違い、スピードボールで勝負しようということで、
このような形を選択したのだと思います。
ただ、フェデラーもリターンの時は手首を横向きにロックしているので、
ショットによって使い分けていると思います。
�について
打点に顔が残る打ち方は、フェデラーのフォームの最も大きな特徴です。
この「顔を残す」ことのメリットとしては、まず第一に
「軸が安定すること」
が挙げられます。
顔を残すことで、打点にブレがなくなり、
安心してラケットを振っていけるようになると考えられます。
私の場合、腰のあたりの高さでふかしてしまうことが多いのですが、
顔を残すようにした場合とそうでない場合とでは、ふかす確率が大きく違います。
今はだいぶ、殊更意識せずに顔を残すことができるようになってきましたが、
以前はひどいものでした…
また、「壁」を作れるので、
スイングを加速し、効率よく力をボールに伝えることができるようになる点も見逃せません。
振り子の半径を小さくすることでスイング速度を増す、ということが、
この「顔を残す」ことで実現できると考えられます。
なお、フェデラーの打ち方を見て分かるように、
フォワードスイング開始からフォロースルーあたりまで限定で「顔を残」しています。
それ以外は、ちゃんと相手を見ています。
ずっと打点を見ていればよいというわけでもないようです(^^;
�について
ショルダーターンができている、ということは、
その前提として左肩が入っており、
スイングが肩を使ったものであり(=手打ちではなく)、
その力が十分に使われたということです。
これも個人的な感想になりますが、
ショルダーターンは意図してしようとするものではなく、
打ち終わったら「肩がターンしていた」程度のものだと思います。
つまり、テイクバックで肩が入り、
スイングが十分に加速されたものであれば、
打ち終わったら肩が回らざるを得ない、ということだと思います。
そして、フェデラーはおそろしくスイングが早いので、
右肩が前に来るほどのショルダーターンとなると考えられます。
逆を言えば、彼ほどスイングスピードが出ない一般プレーヤーの場合、
ショルダーターンは彼ほどは出来なくて当然、ということでもあります。
�について
一連の動きの中から強烈なフォアハンドが飛んでくることほど、怖いものはありません。
止まって打って強い球が飛ぶのはある意味、当たり前です。
むしろ、打たれた方としては、相手が止まって打てるようなところにボールをやってしまったのが失策、ということになると思います。
ではどうやって一連の流れの中で打てているのか。
これも想像ですが、「腰の高さ」と「足の運び」にあると思います。
松岡修造氏は、フェデラーの試合解説の中でしょっちゅう、
「忍者のようにサササ…と走る」
と言っていました。
フェデラーの動きを見てみると、
腰を若干低めに落として、
どちらか一方の足に体重がかかる時間が少ない走り方をしているように見えます。
それが「サササ…」の意味だと、私は考えています。
そのような走り方であるがゆえに、
軸足に一瞬のタメをつくるだけで腰の動きをつくることができ、
体重の乗ったショットを一連の動きの中で打つことができるのではないか、と考えます。
なお、
フェデラーが止まって打つ時の腰の動きは、
軸足(フォアなので右足)のタメを、
へそのあたり(丹田?)に伝えた上で、
丹田のあたりを前(正確には打点)に向かって押しだす、というものに見えます。
重心たる丹田のあたりを打点に向かって押し出すことで、
スイングの加速と、体重をボールに乗せることをはたしているのではないか、と考えています。
***
何やら物凄く理屈っぽくなってしまいました。
運動を言葉で表すのは本当に難しいです。
また、物理専門の方からすれば「何を言っているやら」という内容かもしれません(==;
しかし、これが今までの私の「研究の成果」でして、
ちょっと頭の整理がてら形にしておこうと思ったものです。
こんなに長ったらしくて理屈っぽい文章を、もし全部読んでくださった方がいらっしゃったら、
本当にありがとうございます。
また、「ここは違うと思う」という点があれば是非、ご指摘くださいm(_ _)m
- 事務局に通報しました。
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