「ゾーン」に魅せられて―ジューダス・プリーストと投球フォーム

※あくまで私の個人的体験を元に分析を加えたものですので、多大に感覚的な要素を含んでおり、必ずしも科学的に検証されたものではございませんし、また身体操作の技術に関しましても、他の方に援用できるものか、私からは保証できかねますことをご容赦下さい。

 

スポーツにおいて「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことのある人は多いと思う。

私の子供の頃、スポーツ番組(多分テレ朝)で取り上げられてから一気に広まった記憶があるが、英語圏でも通常の空間を意味する語義と違い、いわゆる「ゾーン」と全く同じ用法のzoneの言い回しもあるので、多分向こうが発祥だろう。

 

ゾーンの解釈には色々あるようだが、

同じようにスポーツ中に多幸感を伴う体験をするランナーズハイに関しては、

最近では内因性カンナビノイド、

平たく言えば脳が勝手に作り出す、

大麻のような脳内麻薬がその状態を惹き起こしているというのが、研究者の定説のようで、

(引用:https://wired.jp/2015/10/28/body-cannabis-when-you-run/)

そうすると、ゾーンも脳内麻薬である可能性が高いのではないかと個人的には思っている。

 

私は脳脊髄液減少症という病気を小学生のころから患っていて、

常に全身に痛みや不快感、疲労を感じ、

頭もモヤがかかったような状態が常なのだが、

年にたった1,2日、それもその内の数十分、

いわゆる「ゾーン」に入ったような感覚になるときがある。

きっかけはそれぞれで、

ちょっと身体を動かして血行が良くなっただけで入れるときもあれば、

スケッチブックにガーッといわゆるブレーンストーミングをしてなるようなときもある。

あのときは、普段聴かないヘビーメタルを聴こうと思ったときだった。

私は凝り性というかオタク気質なのだが、広く浅くを好むタイプで、音楽を聴くにしても、

折角音楽を知ろうとするのであれば、

世界に存在するありとあらゆるジャンルに触れなければいけないという強迫的な思考をもっており、その日(数年前)も若い頃あまり触れてこなかったヘビーメタルを聴こうと思い、ウォークマンにジューダス・プリーストの有名なアルバム「Pain Killer」をダウンロードして、

それをとりあえず聴いてみることにした。

YouTubeで事前に聴いていた曲の方のPain Killer、やっぱりいい、でもYouTubeで聴いたときほどの迫力がないなぁ、

マイケル・ジャクソンの曲を聴いてみたときも思ったが、当時はiPodは当然ないし、ウォークマンも曲作りにそれほど影響を与えなかったみたいだから、

ミュージシャンもイヤホンで聴くより、ラジカセ(スピーカー)で聴くことを想定して作っていたのだろう。

スピーカーの方がよく聴こえる。

でもLeather Rebelという曲はいい!

Live版もアルバムに入ってるし、

気に入った曲が2バージョン聴けて得だなぁ。

…。…。

おっ…入った?

斯くして「ゾーン」のような状態に入った私は、

それが無くならないうちに、

野球のフォームに活かさなければならないと考えた。

野球は私の人生最大の趣味で、

その少し前、(次のブログで書く)新変化球を発見していた私は、

それを公開すれば変化球の発明者になれる!

そうすれば野球の歴史の一コマになれるんだ!

と野球に対してもの凄くやる気があった。

ただナックルボールじゃあるまいし、キャッチボールの投げ方でだけ投げれる新変化球なんて何の値打ちもない。

もともと肩に自信のあった私は、

プロ並みとまでは言えなくても、

それなりのフォームを作らなければならないという使命感を抱えていた…。

 

というのが、私のゾーン再現の長い道のりのはじまりであり、フォーム解説の前日譚である。

単純にフォームについて聞いてやろうとだけ思ってくださってる方は今からそのときのフォームを解説するので、

それだけ読んでいただきたい(もう遅い)。

 

まずフォームの流れだけを言う

1.セットポジションで立つ

2.腹の中を球状に圧縮するような感覚で、自由な足を身体の中心に向かって(つまり斜めに)上げる

3.2を続けながら、グラブ側の手主導で上体を捻る(トルネード的な感じ)

4.肩甲骨を後ろに突きだす(両手はペンギンが前ならえをしたようになる)

5.軸足を踏ん張りつつ、背中側の肋骨をバネにするかたちで、人間スリングショットのように空中に浮きながら前方に突進する

6.2で作った球に滑らせるように肩甲骨の内側から、肩甲骨周りのみを使って腕を直線軌道で前に差し出す

7.グラブの中の手はいわゆるコユニだが、親指と薬指小指ですぼめるようなかたちを作り、手から胸までを固定し、6の動きをスムーズにする

8.自由な足で着地するが、軸足は宙に浮いたまま

9.するとボールを切ろうと(バックスピンをかけようと)すると空中に固定されたような感覚が生まれるが、諦めずに指をボールに押し付ける

10.自然と軸足が浮き、ボールに体重がかかる

11.ようやくボールが切れるようになり、弾き飛ばすように投球する

おわり

 

実際はフォームは一連の流れなので、

番号順ですべて言い表せるようなものではないのだが、便宜上こう記した。

 

文章のみで読んでも本人以外は理解出来ないような内容になっている可能性が高いが、

物好きな人だけが読めばいいと思って一応補足だけして終わりにする。

 

まず2がいきなり意味不明な内容と思われると思う。

それを解説する(ことを試みる)のに、丹田という言葉を思い出したい。

丹田は武道ではよく聞く言葉で、

榎本喜八氏、王貞治氏、長嶋茂雄氏、広岡達朗氏など錚々たる面々が合気道家と交流があったこともあり、野球界の中でも人気のある言葉だ。

ただ、その定義は人によってまちまちで、

門外漢からすればどれも曖昧極まりない。

筋肉という説、腹圧という説、呼吸法という説、「気」という説など様々なものがあり、最近では腸間膜が腹圧に関係しているなどと言われることもあり、定説というのはなさそうだが、私としても武道の達人が丹田や気を科学的に検証し得たという話は寡聞にして存じ上げないので、それについて明確な答えを出そうとするのは控えたい。

ただ、私個人の感覚を言うことはできる。

それが丹田であると言い切れないが、

語られているそれに近い感覚はあったのだ。

ただ、へその下ではなかった。

鳩尾より少し下のその奥、むしろ背中に近いところにぐぅーっと力を込められる場所があった。

ゾーンに入ると全身の緊張が解ける。

無駄な力の入りやすい上腕二頭筋や腰、ふくらはぎも自由だ。

自由だと腹辺りの感覚が濃くなり、簡単に力が込められるようになる。

ただ腹の内側に力を入れているが、腹筋や大腰筋は「つられて」緊張することもない。

純粋に腹の内部だけ圧縮されているような感覚だ。

それが得られると、驚いたことに、

全身の力みがなくなる。

逆に力もうとしても力めなくなる。

いや、力む感覚はあるのだ。

しかし、その感覚も悪い動作に繋がらない。

初動負荷でよく言う、共縮が起こらないのだ。

ではその「力み」はどこに行くか?

骨の周りだけ、そこの部分だけギュッと力が入るようになるのだ。

それより外側の筋肉は一切緊張しない。

むしろ力むごとにふわっと弛んでいく。

よく脱力というが、脱力といっても、当然骨が溶けて無くなることはない。

つまり力むのが骨の周りだけなら、

不良動作を生む可能性は低いということだ。

それどころか、動いてる状態、その最中でも骨(つまり中心)のブレを少なくすることができれば、どれだけのパワー上昇に繋がるか。

そのすべてのはじまりは筋緊張のなさ、痛み違和感のなさであり、さらにはそこから生まれる腹に力を「入れられる」感覚だ。

それは二本足で立った状態でもう違いが分かるし、バッティングフォームにしてもピッチングフォームにしても立った段階で理想の動きができるかどうか分かってしまうものだ。

やる前にできると思ったらほぼ間違いなくできるし、できないと思ったらほぼ間違いなくできない。

その「入れられる」感覚が丹田なのかは分からない。一般的に言われる場所が違うし(少林拳法などは普通より上に丹田を定義しているらしいし流派によって違うのだろうが)、疑わしい。

ただ、それらは今流通している科学の知見では説明しおおせない可能性が高いものなので、

仕方なくそれにかこつけて話をしたのだが、どうだろう。

ちなみに足は必ずしも斜めに上げなくてもよいことは既に検証している。斜めにした方が腹の中を圧縮する感覚が掴みやすいような気がするのでしているだけだが、「自然に」に斜めに上げられる状態でないときに無理に斜めに上げようとすると膝を捻って大変なことになるので注意願いたい。私はそれで一ヶ月まともに歩けなくなった。

 

3は実は純粋にボールを速く投げる上では必要のない動作だ。

しかし私が個人的に野茂英雄氏に憧れをもっており、その投球フォームの真似をしたかったのと、トルネードの間ポンポンと右手を叩くことによって(ルールによってはボーク)、握りを隠す意味合いもある。

※このフォームの場合投げ手とグラブをつけてトルネードをすると投げにくい可能性が高い

 

この中で一番理解しがたいのは9だろう。

ボールが空中に固定というのはオーバーな表現だと思われるのではないかと思う。

ただ、これは私も本当に驚いたのだが、

実際にあったことなのだ。

もちろん本当にボールが空中に固定されたわけではなく、あくまで感覚だ。

しかしなぜそのような感覚が生まれたか?

私の推測では、ボールの持つ慣性力がその原因だと思う。

通常の投球フォームでは腕は円軌道を描いており、また一流のピッチャーのリリースの仕方はボールを「押す」感覚であることが多い。

もちろん「切る」感覚やの一流ピッチャー、あるちは「潰す」感覚のピッチャーもいるが、球速の遅い素人は「切る」あるいは「撫でる」感覚「しか」持てない人が多いのではなかろうか。

それはフォームを改善すれば一緒に改善できる可能性が高い。

円運動の場合は円運動の慣性と遠心力を利用して投げ、最後はテニスのサーブに見られるように手首が逆方向に捻られる過程でリリースする。センスがあるか、身体が元々緊張しにくい体質の選手であれば、その動作の中で手首を立てることがたやすくキャッチボールのような弱い投球でも押す感覚を得やすいが、それが難しい場合も、その振りに十分に勢いがあれば、慣性を利用することができるため、最後に手を使う余裕が生まれる(ただ、同じ円軌道にしても腕を出す角度によっては押す感覚より切る感覚や潰す感覚の方が力が入りやすい場合もあるので、一概にどのやり方がいいということではない)。またそこから逆に手首を立てる感覚を養うことも簡単になる。それには肩甲骨回り、鎖骨回りなどなどの筋肉の柔らかさが必要となるが。ひるがえってレベルの低いアマチュアの場合、特に野手は肘から先だけで投げてしまう、いわゆる手投げのフォームになってしまうことが多く、小手先を「使わなければ」最後リリースもままならず、上手く投げられないので結果撫でるようなフォームになってしまう。

それで、前置きが長くなったが、上で書いた私のゾーン時のフォームで言えば、

円軌道でも、撫でつけるフォームでもない。

ほぼ完全な直線のベクトルに向かって腕を加速させるため、ボールは地面から水平方向に直線の慣性を帯びることになる。

そうすれば、ボールに何か手で力を加えようとしても、強力な前方向へのベクトルの慣性があるため、その方向以外には動かせない。

使える手や腕の部分はほとんどせいぜい手首の少し下くらいまでなのだ。全く体当たりによって生み出された慣性には敵わない。

だから、それで「止まった」ように感じた。

ということだろうと思う。

 

弾き飛ばされた理屈としては、

私が子供の頃に流行ったビーダマンを思い起こしていただけると分かりやすいのではないかと思う。あるいは小学生がよく教室で遊ぶ(私の地域では別の呼び方だったと思うが)定規戦争、ジョーセンと呼ばれる、定規同士を押し付けて弾き飛ばす遊びも感覚としては近いか。

簡単に言うとグッとやってパーンなのだが、

それで分からない方は今あげたビーダマンや定規戦争をググっていただきたい。

 

 

長くなりすぎたので、一旦ここで切る。

校正は(まだ)していません。

持病を言い訳にさせていただきますが、

本当にブレインフォグという頭がモヤモヤした感じが強くて、疲労感もあって、

文章を書いたり読んだりするのがとても難しい状況なんです😢

ただ、それでよければコミュニケーションをとるのは楽しいし、むしろ生きる糧になります!

なのでもしご要望あれば早めに続きを書きますが、なければ多分死ぬほど遅くなります(笑)

そんな感じ。

 

それでは

 

 

 

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