涙のわけ/オークランドサンデーリーグ最終節

  • DAI
    2011年08月29日 08:33 visibility69

この1週間今までの疲れから来た?!腰痛と咳と喉の痛みが

ずっと収まらずサウナでストレッチしか出来なかった。



だけど最終決戦当日の昨日は比較的症状は出ず運動できてなかった

不安を払拭すべく?!朝からベビーカーに息子を乗せてゆっくりと1時間ほど走って汗を流す。



最初は曇っていたけれど帰ってくる頃には晴れ間になってきた。

車を停めた公園では日曜サッカーが始まっていた。



オフシーズンや時間が出来た時は自分もちょくちょく入れてもらう草サッカー。

10代の子から(たぶん)70歳くらいのプレーヤーもいて2時間半ほどのファンサッカー(長いよ・・・苦笑)

ここ数年はああいう楽しいサッカーしかして来なかった自分が今日は勝ちにこだわる試合をしに行く。



しばらくそういうところから離れていたけど40歳を前にそんな場面を迎えることになるなんて・・・

10キロ以上重かった2年前の自分には想像すらできなかったと思う。



それから子供とプールのレッスンに行きそこでもプールで遊びながらも水の中で

ストレッチ。サウナの中でもストレッチ。頭の中は試合展開のことでグルグル(笑)・・・・。





試合開始1時間前の1時にホームグラウンドに着いた時は珍しく既にプレーヤーも7・8人。

そして監督夫婦も来ていた。



メンバーと「いよいよだな」「最後のゲームだな」と声を掛け合う。

普段からこのくらいに集まる事が出来ていれば余裕が出来ていたのに(苦笑)



挨拶を終えると、またもうこのシーズンの習慣になったIPOD片手にグランドを走り始める。

ゆっくり芝の上を走りグランドの硬さを見る。コーナーフラッグの当たりの地面の感じを見る。

なんかそれも今シーズン通しての癖になってる・・・。



昨日の感想は「うわっ硬いな・・・」だった。



1ヶ月前はまだ雨も多くてグランドもまだ柔らかく大抵スタッド(ポイント)式のスパイクを履いていたけど

数週間前の歴史的寒波を終えた後は雨もほとんど降らず地面はDRYな状態だった。



僕が今持ってるスパイクはDRYになると踏ん張るときに色々ぶつかるようで靴ズレや豆ができるので

「ちょっと嫌だな」と思っていたし実際、試合を終えた後は両足に豆が出来ていた。



試合開始前には夏のシーズンに(勝手に・笑)日本代表で真中でコンビを組んでたMちゃんが応援に来てた。

調べて来てくれたのかな・・・。こりゃヘタ打てんと思った・・・。





試合前からこの1週間色々なことを考えていたし、なかなか運動できない分食事も考えたし

お酒も控えた(これが一番スゴイ!!)。



特に考えていたのは相手はとにかくガタイの大きいフィジカルの強い相手。

その分、横の揺さぶりについて来れない時があると前回対戦時に感じていた。



それと今更ながら宇佐美選手の存在を知りyoutubeで動画を見ながら

そういえばドリブルが調子の良い時は確かに小刻みにボールに触ってたなぁ・・・と思い出し



「今日はドリブラーに戻っちゃうか??」という考えも浮かんできた・・・・単純すぎる(苦笑)



だけど本当にいつも以上に攻撃のオプションを用意して臨んでいた・・・・のだけど。



相手は典型的なNZサッカーで守った後にFWに向かってハイボールを通して崩すという完全にカウンター狙いのサッカー。

実際に試合が始まってみると最初のうちは均衡していたものの相手のディフェンスが

思いの他強く高い。フォワードのグレッグにボールを通すも執拗なマークに跳ね返されることも

しばしば。



そして向こうに押し込まれる時間帯も増えてきたのもありグレッグがいつものFWのポジションから

中盤の僕らの位置まで下がってプレーする事になりワントップで真中が3人という状態になった。



また攻撃のオプションもここ数試合参加してる左のMFがうまいという事で彼にボールを預けて

展開する時間帯が続き結局のところ僕はその辺のバランスを考えて完全にディフェンシブなポジションを

取る事になった。それでもいい距離からのフリーキックのチャンスもあったのだけど

パスなのかシュートなのか迷っているうちに振りぬいたら大外れ・・・・・。



この1本が決まってればこの後の展開にも大きく変わったように思う・・・

とにかく狙いを絞れる前に蹴ってしまったあの瞬間が一番心残り。



その後もコーナーからの惜しいシーンもあったりこちらにもチャンスはあったものの

相手の一発の絶妙なスルーパスからFWが落ち着いて先取点。

更に前半終了前にはDFがペナルティエリアで相手を倒しPKを与えて0-2で前半を終える。



ハーフタイムでは監督が色々また指示があったけど真中のMFは僕の相方のアーデンは

途中で交代になりそれからは色々な選手がここに起用された。

やはり僕は後半もディフェンシブのポジションを取る事になる。



ボールを持ったらまだ比較的プレッシャーがないところなのでルックアップして

ほぼ全体を見渡せる。この時に本当はサイドなりFWなりに縦に斜めに走ってパスを出せるように動いて欲しいのだけど

ほとんどのプレーヤーが止まった状態で足元にボールを出す事を要求するように僕の名を呼ぶ。



もちろん足元に出すのは出せるだろうけどフィジカルの強い相手に背を向けてもらう事になる。

だから僕としてはできるだけキープしてFWなりサイドなりが動き出すのを待って背負わず受け取れる

ボールを出したいのだけどやはりそういう動きは数えるほどしか見れなかった。



それでも前線のプレーヤーも何度かチャンスを作り出しポストに直撃のシュートなどもあり

フィールドの誰一人として諦めてなかった・・・と思う。



僕らが優勝するためには絶対に勝つのが唯一の条件だった。

後半を半分過ぎ・・・残り15分になり以前2-0。



試合中も消耗激しいMFを中心に何人もメンバーが入れ替わる。

このリーグはローリングサブ制と言って一度外に出たプレーヤーもバスケのように時間を置いてまた

プレーすることが出来る。



そして残り15分のところで僕に交代の声が掛かる。

このリーグを通して交代することは1・2回しかなかったので「遂にお呼びが掛かったか・・・

体力も底をついたか・・・こんな終わりってあるのか・・・・」と意気消沈してフィールドの外へ。



残り15分。



まだ・・・まだ大丈夫だ・・・。



いつも逆転劇を演じてきたこのチームだから強がりじゃなく本当にまだなんとかなるという気持ちは

思い続けることが出来た。このチームの一番の武器は強さでもスピードでもテクニックでもなく

最後まで諦めない気持ちだ。その気持ちが最後には逆転劇を生んできた。



まだまだだ!!



そして5分ほど休んだ後監督から「DAIまだ行けるか?」と聞かれ

無言で力強く頷く。



(よしっ、最後までやってやる。走るんだ!!)



一旦休んだことでその頃には足に豆が出来ているのも分かっていたし、内太ももに相手の膝が入って

ももかん状態になっていたのも気付いていたけど、とにかく諦めずに走るんだと・・・。



相手のエリアで攻め込む事が多くなってるものの相手の激しさも変わらずでなかなか最後まで繋がらない。

今回は口ではなくプレーの激しさでどちらにもイエローカードも2枚づつくらい出ていた。



僕はディフェンダーの前まで降りていってボールを貰い前線にロングフィード送るという作業を繰り返していたけれど

結局今までの試合で出せたような決定的な1本を出せないまま・・・・・・無情のホイッスル。



YEAHHH!!!!!!



優勝を決めた相手チームが歓声を上げる。



僕は顔を上げる事が出来ない。

何も考えることが出来ないまま地面を見つめる。





それでもいつものようにすれ違う相手チームの選手と握手をしながら歩き出す。

すれ違う度に「Good game, Great season」と言われながら握手を繰り返す。



Good game......Great season.....その言葉を飲み込むうちに不意に涙がこぼれて来る。



30歳以上のリーグに参加していた頃の緩い試合から一転して久しぶりに真剣なリーグでエキサイティングな試合ができたこのシーズンを思い出す気持ち。

そして何よりも今までの自分になかったようなとにかく勝ちに拘ったこの試合に負けた悔しさだった。



ただの社会人リーグ(しかも3部)の試合なのに・・・・。*ちなみに一般は8部、30歳以上リーグで5部まであります。



バカか・・・・と思いつつこんな思いをさせてくれたこのシーズン、この最終節、そして数々の奇跡を起こしてくれたサッカーの神様を思うとなんだか暖かい気持ちになった。



実際に涙を流したのはきっと10秒ほどで慌てて涙を拭き、その後は両チームが円になりシーズンを無事に終了し

相手を称えあった。最後は相手チームの名前、審判、サポーターに感謝の言葉を連呼して最終節を終えた。





何も出来なかった。

イメージしていた事の何も・・・。



パスのイメージもドリブルのイメージもその通りになったプレーは出来なかった。



正直今ここで書いていても悔しい思いは全然消えない。



一番は最初のフリーキックに失敗というか考えなしに蹴ってしまった後悔。

バランスばかりを考えて前に全然出て行かなかった後悔。

昨日はシュートは一本も打っていない。このシーズンを通して真中のMFはパスだけではダメ。

ドリブルを封印するのではなく勝負もすること。そしてシュートも決められないとダメだと痛感。



僕に現役(真剣リーグという意味)でプレーする時間があとどれだけ残されているのかは分からない。

もうすぐ39歳だし2人目も生まれて忙しくなる。



だけど・・・・ほんとバカみたいな話だけど僕はもっと上手くなれる気がしている。

自分に足りない事と何をすべきかを感覚だけでなく頭で理解できるようになっているから。





帰り際チームキャプテンと監督夫婦に「ちょっとコーヒーを飲みに行こう」と誘われた。

わざわざ僕を誘ったというよりはたまたま最後まで残っていたのが僕だったという事だと思うけど。



そこでこのチームの歴史や、なかなか来ないメンバーの試合参加の返答、そしてこの試合のせいで

監督は夕べはなかなか眠れず試合前のメンバー登録では緊張で手が震えていたことなんかを聞いた(笑)



特に今期ちゃんと時間に来てアップしてるのは僕だけだったことを褒めてくれて「僕は歳だから

怪我したくないだけだよ」と答えたのだけど「他のプレーヤーは若いからまだUPなしでも出来てるんだろうけど

このチームで一番難しいのはDAIくらいのコミットメントがあるプレーヤーがいなくて組むのが大変なところ。

5分前に今日は行けないとかテキストするヤツもいるんだから・・・・」と



そっか・・・・確かに・・・スタートギリギリまでメンバー集まらないとか10人でスタートとかあったもんな・・・・。



そして・・・



「DAI、俺らは土曜日のリーグもあってそこなら2部もしくは1部のリーグでプレーすることも可能だと思う。

土曜日のリーグの方が皆真剣だしこっちでやってみないか?」と言われた。



とてもあり難いお話だけど家から高速に乗っても40分以上の距離のチーム。

その気があれば毎週家まで迎えに行くよとキャプテンにも言われたけれど・・・。



1部のリーグは現在の自分の力ではまだ(まだって・・・笑)無理だと思うし、それだけの時間を掛けるのは

家族持ちの僕には無理です。と答えました。



あとせめて10年・・・5年若ければな・・・・。



10年前僕は日本の会社員で毎晩のようにお酒を浴び肝臓数値もとんでもない値を叩いていた。

10年後の僕がこんなことで悔しがってるとは・・・人生分からないもんだなぁ・・・・。



悔しさは消えない・・・でもそれこそがこのシーズンを真剣に向き合っていた証。

再来週はカップ戦の決勝戦。このチームでやる今年最後の公式試合。



今度こそバランスを考えるいい子ちゃん?!にならずにシュートを打てる位置でプレーだ!!

そして同じく来期から2部に上がるこの対戦相手に関しての借りは来期のリーグで絶対返したい!!







・・・・しっかし今日も太もも含め体バキバキでまともに歩けん・・・・この辺が老体プレーヤーだな(苦笑)


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