組織論で球団を分析してみる。

古田プレイングマネージャーの退団騒動が噴出している。
古田監督だけでなく、西武ライオンズの伊東監督にも言えることだが
「フロントと現場の意識の乖離」が最近大きく報じられることとなった。
もちろん2人とも生え抜きのプロ野球選手として活躍し、球団側もその功績を認めての監督就任の以来だったことは事実だが、今までの監督がフロント側のイエスマンばかりであったのとは対照的に選手の補強などで激しく対立をし、成績が振るわなければ解雇と言う意見に疑問が出ている。
要はフロント側と現場側の意思決定システムに関しての線引きをあいまいにしたまま契約を進めてしまった結果がこうなるわけであり、球団としてもそこまでの人材がいないから考えることができないと推測もできる。
また、現場監督の首をコロコロ変えていくのは戦略がばらばらになる危険性があり、いま多くの地方自治体でも首長(市町村長や都道府県知事)が選挙の度にコロコロ代わっていったところが短期間での成果を得るためにとあちこちでハコモノを作ってはその維持費に四苦八苦している現状を見てもよくわかるだろう。

そこで求められてくるのが組織マネジメントの戦略である。
こういうと非常に硬く聞こえるものの、簡単である。
「自分たちがどうあるか、そしてそのためには何をするべきか」をマニュアル化するということだ。

で、その組織論を語る上で非常に有名なものとして世界有数の戦略コンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が提唱した「組織における7Sモデル」をここで検証し、分析してみたいと思う。
http://gms.globis.co.jp/dic/00349.php
上のアドレスでは図などがわかりやすく掲載されているので、見てみればよくわかるだろう。
引用してみると、Sではじまる7つの要素を大きく2つに分類し、まとめている。

ソフトの4S
�Shared value (共通の価値観・理念)
�Style(経営スタイル・社風)
�Staff(人材)
�Skill(スキル・能力)

ハードの3S
�Strategy(戦略)
�Structure(組織構造)
�System(システム・制度)

特にハードの3Sは絶対に揺らぐことなく、冷徹であることが重要であり、
ソフトの4Sに関してはハードとは対照的に柔軟に対応することで組織マネジメントを成功に導くとしている。

問題のスワローズの部分においても5番目のStrategyと7番目のSystemについて古田監督とフロント側の意思疎通が図れないが故に組織としてまとまらない結果になっているのが現状ではないだろうか。
戦略に関しては「若手を育成し、レベルアップを図る」というのがフロント側の意識であることは中村紀の自由契約の際ではっきりしたことである。
ところが、その育成ができていないこの状況は果たしてどうなのだろうか。
石井弘・五十嵐の故障、先発陣の離脱で投げられる投手がいないのが現状。
おまけに岩村の穴は誰も埋めることができないでいる。
ここ数年できっちりと投手陣を固めてきた楽天とはえらい違いである。

私にとってヤクルトは本当にちゃんとした選手の補強と育成をしてきていたのかが疑問であり、フロントだけでなく、スタッフにもその戦略がちゃんと隅々まで共有できていたのかが疑問である。

そして意思決定システムに関しても権限委譲をしないで責任だけを取らせるのはあまりにも身勝手過ぎないだろうか。

新聞記事を鵜呑みにするのもよくないが、これらを元に7Sモデルに当てはめてみれば見るほど、ひずみが出てきていると感じるのは自分だけではないはず・・・。

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