とある乗換駅で

  • SHIN
    2007年02月06日 08:39 visibility62

 ここは都内のとある乗換駅。

 

ここでは毎日たくさんの人が電車から吐き出され、

そして飲み込まれていく。

 

そして今日も同じ光景を見るはずだった。

 

乗換えをするために改札を通過したその時、

タッタッタという小気味良い駆け足の音。

ふと横を見ると、女子高生と思しき女の子が急いでいた。

 

そんなに急がないでもと思いきや、反対ホームに

「まもなく電車が到着します。」のアナウンス。

そうか彼女はこの電車に乗りたいのか。

 

果たして間に合うのか。ちょうど、僕のいる場所からは反対側がよく見える。

不審者に間違われると困るので声に出さず、心の中で「がんばれ、間に合え」

と祈っていた。

 

「ドアを閉めます。ご注意下さい。」

あの子が見えた。扉まであと10メートル

   ・

   ・

   ・ 

   ・ 

間に合ったぁぁぁぁぁ。

 

ここにほんの数十秒に凝縮された熱戦に終止符が打たれた。

多分あの子は学校に間に合って、何事もなかったかのように

1日を過ごすのでしょう。

 

 

 

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