一枚の下敷き　

この下敷きは息子の物だ

まだ神戸グリーンスタジアムの頃で

近鉄球団もあった

私は

必ず試合開始前のチーム練習から見る

息子もまだ野球に興味を持つ前だったが

そこで息子はノックを受けるある選手に

釘づけになった・・・・・中村紀洋選手だ

華麗なグラブさばき

グラブに吸い込まれて行くような感じ

特に逆シングルが衝撃的だった様だ

何度か球場に足を運び

あの豪快なフルスイングから

繰り出されるホームランも目の当たりにした

下敷きもこんなになるまで使っている

球団も変わり

新しいタイプのモノも買った

「新しいの使ったら？」

「これがあるからええわ！」と息子は言う

息子は決して野球が上手いとはいえないが

息子なりの野球に対する思いがある様だ

第一線で球界を引っ張ってきたという

プライドもあるだろう

でも今一度、初心に帰って冷静になってほしい

いつまでも純粋な子供達の

憧れ・ヒーローであってほしい