
第二章特訓編 「飴と鞭」
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カネ
2007年11月10日 13:17 visibility51
早朝特訓は、私の仕事前、そしてキンポンの仕事の新聞配達が終わる、平日の月曜日から金曜日の朝6:00から行われる事になった。
私の家から○○公園までは走って行くと15分程だが、今まで運動をしていなかった私には大変キツい事だった。私は5:00に起床して準備をし、5:40に家を出て走って向かった。何とか休憩する事無く○○公園に着く事が出来たが、座り込んで息を整えるのに時間が掛かりそうだった。そこにキンポンが現れ、
「もうストレッチ終わった?」
「・・・いや・・・まだです・・・」
「俺が来るまでにアップは済ませて、直ぐに始められるようにしてなきゃダメだよ。」
「・・・はい・・・」
ストレッチの仕方を教わった。
その後はボールの握り方を教わり、キャッチボールが始まった。日曜日の練習で少しは成長しているかと思っていたが、まだまだ[乙女]だった・・・。キンポンは「相手の胸に投げろ。」と言うが、今までやってきた何よりも難しく思えた!
当然、胸には行かず[あさって][しあさって]の方向に飛んでいく・・・。キンポンはその場から動かず、手の伸ばせる所だけのボールを取るが外れたボールは取らず、キンポンの後ろに私が取りに行く・・・取りに行くばかりで、まるで一人キャッチボールだ・・・。その日は、それだけで「もう時間。クールダウンして。」そう告げてキンポンはどこかに行ってしまった・・・。あんなに笑顔の無いキンポンは初めてだった。 ってか、怖さすら感じた。
「やっぱり、嫌だよなぁ・・・こんなヘタクソに時間食われるのは・・・」そう思いながらストレッチをしていると、キンポンが戻って来た!
いつもの笑顔で近づいてくると「カネ、おつかれさん!」温かい缶コーヒーを珈琲屋の私に手渡した。なんて分かりやすい「飴と鞭」だ!!!
それから野球の話やいつものバカ話をして、
「また明日。」解散した。
キンポンの分かりやすい行動に、思い出し笑いをしながら走って家まで帰って行くと、朝5:40の景色とは違い○上通り沿いは通勤の人々でいっぱいだった。なんか恥ずかしい・・・。
その後も毎日同じ事を続けていくと徐々に成果が現れ、後ろに取りに行くことが日々減っていきキャッチボールが出来る時間が増えていった。そんなある日、いつものようにトレーニングの後に話をしていると私のポジションの話をキンポンがきりだした。
「今、メンバーは野球経験者ばかりだから、相当努力しないとレギュラーは取れないよ。けどピッチャーなら出場するチャンスはある。あとは、今のメンバーなら・・・ファーストかな。とにかくピッチングを鍛えていこう。」
次の日、身体全体で投げる事を意識したピッチングフォームを教わった。
普通のキャッチボールとは違い、足は大きく前に踏み出し、胸を張り、大きく前に出した左手を胸に素早く引き寄せ、足→腰→背中→肩と伝わってきた力で腕を前に、槍を投げるように力強く振り抜き、大きく前に踏み出した左足に乗せる。すると、自然に右腕は身体に巻きつき、左足に乗った後大きく右腕を大きく上に跳ね上げる。この投げ方は、とてつもなく疲れた。直ぐに汗が噴出す。しかし、うまく指にかかり投げられた時は、今までに無い球に驚きを感じた。
投げていくうちに私のスナップの弱さに気が付いたキンポンは新たに違う練習を取り入れた。それは、20m程離れ正座をしてキャッチボールをするという聞いただけで嫌になりそうなキャッチボールだ。やってみると、確かに正座をしてキャッチボールをすると他の筋肉は使う事が出来なくなりスナップが重要になる。
さすが師匠だ。
キンポンについて行けば間違いない事を改めて感じさせた。
そんな特訓を続けていき、私は徐々に成長していった。
・・・第三章出会い編 「師匠に謝罪」に続く・・・
私の家から○○公園までは走って行くと15分程だが、今まで運動をしていなかった私には大変キツい事だった。私は5:00に起床して準備をし、5:40に家を出て走って向かった。何とか休憩する事無く○○公園に着く事が出来たが、座り込んで息を整えるのに時間が掛かりそうだった。そこにキンポンが現れ、
「もうストレッチ終わった?」
「・・・いや・・・まだです・・・」
「俺が来るまでにアップは済ませて、直ぐに始められるようにしてなきゃダメだよ。」
「・・・はい・・・」
ストレッチの仕方を教わった。
その後はボールの握り方を教わり、キャッチボールが始まった。日曜日の練習で少しは成長しているかと思っていたが、まだまだ[乙女]だった・・・。キンポンは「相手の胸に投げろ。」と言うが、今までやってきた何よりも難しく思えた!
当然、胸には行かず[あさって][しあさって]の方向に飛んでいく・・・。キンポンはその場から動かず、手の伸ばせる所だけのボールを取るが外れたボールは取らず、キンポンの後ろに私が取りに行く・・・取りに行くばかりで、まるで一人キャッチボールだ・・・。その日は、それだけで「もう時間。クールダウンして。」そう告げてキンポンはどこかに行ってしまった・・・。あんなに笑顔の無いキンポンは初めてだった。 ってか、怖さすら感じた。
「やっぱり、嫌だよなぁ・・・こんなヘタクソに時間食われるのは・・・」そう思いながらストレッチをしていると、キンポンが戻って来た!
いつもの笑顔で近づいてくると「カネ、おつかれさん!」温かい缶コーヒーを珈琲屋の私に手渡した。なんて分かりやすい「飴と鞭」だ!!!
それから野球の話やいつものバカ話をして、
「また明日。」解散した。
キンポンの分かりやすい行動に、思い出し笑いをしながら走って家まで帰って行くと、朝5:40の景色とは違い○上通り沿いは通勤の人々でいっぱいだった。なんか恥ずかしい・・・。
その後も毎日同じ事を続けていくと徐々に成果が現れ、後ろに取りに行くことが日々減っていきキャッチボールが出来る時間が増えていった。そんなある日、いつものようにトレーニングの後に話をしていると私のポジションの話をキンポンがきりだした。
「今、メンバーは野球経験者ばかりだから、相当努力しないとレギュラーは取れないよ。けどピッチャーなら出場するチャンスはある。あとは、今のメンバーなら・・・ファーストかな。とにかくピッチングを鍛えていこう。」
次の日、身体全体で投げる事を意識したピッチングフォームを教わった。
普通のキャッチボールとは違い、足は大きく前に踏み出し、胸を張り、大きく前に出した左手を胸に素早く引き寄せ、足→腰→背中→肩と伝わってきた力で腕を前に、槍を投げるように力強く振り抜き、大きく前に踏み出した左足に乗せる。すると、自然に右腕は身体に巻きつき、左足に乗った後大きく右腕を大きく上に跳ね上げる。この投げ方は、とてつもなく疲れた。直ぐに汗が噴出す。しかし、うまく指にかかり投げられた時は、今までに無い球に驚きを感じた。
投げていくうちに私のスナップの弱さに気が付いたキンポンは新たに違う練習を取り入れた。それは、20m程離れ正座をしてキャッチボールをするという聞いただけで嫌になりそうなキャッチボールだ。やってみると、確かに正座をしてキャッチボールをすると他の筋肉は使う事が出来なくなりスナップが重要になる。
さすが師匠だ。
キンポンについて行けば間違いない事を改めて感じさせた。
そんな特訓を続けていき、私は徐々に成長していった。
・・・第三章出会い編 「師匠に謝罪」に続く・・・
- 事務局に通報しました。
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