センバツ

  • 凹凸庵
    2010年02月11日 17:19 visibility530

別所毅彦さんという大投手がおりました。

後年テレビのスポーツニュースで「ガハハ!」って豪快に笑っていた方です。

彼が選抜高校野球大会に出場したのは、昭和16年のこと。
2回戦で岐阜商と対戦。リードされた9回に逆転のランナーとしてホームに飛び込んできたのが滝川中のピッチャー別所。クロスプレーでアウト。その時に左ひじを骨折。
延長戦の10回。彼はマウンド上にいました。右投手ではありましたが、痛みと投球バランスの悪さに苦しみ、うめきながら2回を投げ抜いた。
キャッチャーのミットめがけて投げるのが精いっぱい。返球はゴロで返してもらう。
俺が投げるんだ。勝つんだ。その気迫たるや、とんでもないもんです。

結局滝川中は敗退してしまいますが、翌日の新聞で「泣くな別所。センバツの花だ」という名フレーズが紙面を飾りました。
怪我をおして投げ抜いた彼は素晴らしい。でも勝った岐阜商にも称賛が集まった。
怪我をしてる別所の前にセーフティバンド攻撃を仕掛けていたら、1死も取れずにつぶれていたはず。でも岐阜商のナインはそれをしなかった。

卑怯な手を使いたくない。ただ勝てばいいというもんではない。
正々堂々と勝負するのが高校野球。

今じゃ鼻で笑われてしまうかもしれない男のロマン。
勝てばいいっつぅもんじゃない。真正面からぶつかりあう。
こういう場面を経験することが、その後の生き方に影響すると思うんですけどね。

ロマンを追い過ぎでしょうか?キレイごとに走り過ぎでしょうか?
高校時代3年間くらい、クサい生き方してもいいんじゃないかなぁ。

もうすぐ開幕ですね。

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