実録・台湾の黒い話2003
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ミオヂ
2006年08月19日 01:00 visibility54
本日,友人から電話がかかってきて「今年の台湾行きはいつにする?」と言われた。
おお、そうか、もうそんな時期かぁ。
2002年に台湾野球を見るために台湾に行って以来,メシは感動的にウマいわ、野球はあるわで、それから連続4年で秋口に台湾に通うようになってしまった。
とりあえず他に行く人間の都合も考えて、今年は10月初めにするか?しかしそれでは台湾野球の方は台湾シリーズに入ってしまう・・どうしよう。なら、もう少し考える事にしようと言う事で電話は終わり。
台湾シリーズか・・だとしたら、まず球場では見れないなぁ、と思ってしまった。
以前、台湾シリーズをチケットがないので球場の外からタダ見したのは2003年、天母球場は満杯、パブリックビューイングも満杯状態。 それでも、異様な熱気のなか見た5時間の試合の末,延長サヨナラで、台湾一が兄弟エレファンツに決まったときのあの大騒ぎは忘れがたい。
で、その旅行の最後,空港に向かうバスでついてくれた台湾人のガイドさんが野球好きだった。
「どこに行きました?」と聞かれたので
「台湾シリーズ!」と答えると
「おお、それはいいですね!球場の中で見ましたか?」
「いいえ、そりゃ無理です」
「そうでしょうね、当日券が予定の半分以下しか売られませんでしたからね。買おうと並んでたファンが暴れました」
「あ、それニュースで見ました。なんで売らなかったんですかね?」
「あれはね、欲しいって言う人がいっぱいいたんで、球団職員が欲しがった人や高く買ってくれるダフ屋に横流ししたかららしいですよ」
「ひ、ひどい。それで、ファンがダフ屋を吊るし上げていたんですね!」
「そうです、 台湾人はやさしいですが、怒ったらコワい・・・」
私の見たニュース映像では、チケットが買えなかったファンが、高値をつけてチケットを売りにきたダフ屋を 集団で吊るし上げていて、そこに機動隊が割って入って大混乱。
そうか、そういう事だったのか。そりゃ怒るわな。・・・しかしなんて理由なんだか。
こんな感じで、私とガイドさんとの間に黒い野球話が弾んでいった。
「今度ね,台湾にダイエーホークスが来ます。それでもめてます」
「どこのチームとやるか、とかでもめてるんですか?」
「いいえ、台北市や政府のエラい人の、誰が始球式をやるか で、もめてます」
「誰でもいいじゃないですか!」
「ダメです。王監督のチーム相手に始球式をやるのは大変な名誉ですから。政治家としても宣伝になる」
「・・・李登輝さんにでも投げてもらってください!でも王さんって、やっぱり台湾でもえらい人だったんだ」
「だからホークスは台湾で人気があるんです」
まだ続く。今度は台湾野球の歴史。
「時報イーグルスと言うチームがありました。今は無いです。八百長事件で解散しました。」
「それ、聞いたことがあります選手が野球賭博でシーズン中に逮捕されていったそうですね」
「そうです。どんどん捕まりました。捕まりすぎてシーズン中に選手が足りなくなりました」
「ええ?どうやって試合したんです?」
「残った外人と他のチームから借りてきた選手で試合をしました。そしてシーズン終了と同時に解散しました」
『・・・・(ホントかよ?)」
ちなみにこの 時報イーグルス、かってカープと提携していた球団である。
あの、団野村に奪われたチェコなんかも、修行としてイーグルスで投げていたそうだ。
さらに話は黒くなってゆく。
「昔は球場の周りに、野球賭博の賭け屋がいっぱいいました。みんな普通に賭けてましたよ。だから、八百長する選手もいた」
「ヤクザが選手を脅して、八百長させたって聞いた事があります」
「ええ、選手をさらってきて、縛って、ピストル、ね、口の中に突っ込んで八百長しないと撃つぞって、脅してたそうですよ、コワい、コワい」
「・・・今はもうそんな事はないですよね?」
「ハハハ、そうでもない。時々ね、昔ほどひどくないけど,疑われるチームと選手、いますよ。裏で賭けてる人たちもいますね・・あ、次のツアーの人だ・・・」
・・日本の常識では考えられない黒い野球話は、他のツアー客が バスに乗ってきたためここで終了。
何故か、ますます台湾野球が好きになってしまった私が後に残された。
残念ながらこのガイドさんの名刺を無くしてしまったため、名前その他は全く失念。
せめて、どこのファンなのかくらい聞いておけば、と今になってちょっと後悔。
これから台湾へ行かれる方、顔のホクロから毛を生やした(これ台湾では幸運の印だそうだ)メガネのちょっと胡散臭そうなガイドさんがあなたについたら、野球の話を振ってみましょう。あなたの知らない黒い野球の話をにこやかに語ってくれるかも知れないぞ!
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- 事務局に通報しました。
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