柏クラシックチームマネジメント3

草野球チームが10存在すれば10のチーム運営方法が存在する。
もちろんその方法に正解はない。


でも、草野球の監督は大変だと思う。
試合ができるよう、まずはグランドを手配し、選手を集め、さらに対戦相手との交渉、審判の手配。もちろん活動にお金が掛かる。これらを全て考慮に入れてやっと活動ができる。


さて、その活動について、選手に出欠の返答を求めたら・・・
殆ど返答が無い。


人間なので、正直イラッとも来るし、「何のために俺はこんなに頑張っているのだろう?」と疑問が沸いてくる。



全てがそうだとは言わないが、草野球、草サッカーの監督はこんな事を感じている方は多いと思う。


そのような方に少しでもヒントになればと、私の経験を伝授しよう。



ある一定の目的で人が集まり、継続的に活動を行うという点では、企業や学校のクラスや部活動、町内会の自治会、そして、たかが遊びの草野球も同じといえる。
(指揮命令と権利と義務の強さも比例関係にある。企業>学校>地域>あそび(クラブチーム)の順ですね)


私自身が「なるほどね」と腹に落ちた話をご紹介する。それは、とある世界的な企業の組織改革の実践に関わった方の話だ。
それを、たかが遊びの草野球や草サッカーの運営にブレイクダウンしてみる。



私も先の事例にあげた、「おれはこんなにやっているのに・・・何故?」と不満を募らせ、監督業をやっていた。しかし、その考え自体が間違っていたのだなーとその話を聞いて思うようになった。



ポイントは3点
・学生時代の部活動のマネジメントを持ち込まない。
 (短期的な成果。上位命令絶対)
・同級生の馴れ合いを持ち込まない。
 (周囲の影響の視点)
・最後の拠り所はぶらさない。
 (チームに感情を持ち込まない。しかし、人は感情で動く)



ちょっと漠然としているので、事例をあげると、チームの活動について、いつも出欠の返答をしてこない方がいたとしよう。


私が以前行っていた間違った運営スタイルは以下の通りだ。つまり、部活動型のマネジメントを行った。

「活動に対して返答をしっかり行うという状態に変えたい」と思っている。



1.行動の質を変える。
○曜日の○時までに、返答をするというルールを作る。
しかし、それでも返答はして来ず、こちらから電話連絡して、確認を取る。
本人も「すいません・・・以後気をつけます・・・」しか言わない。


2.意識の質を変える。
チームのミーティングなどで、本人を吊るし上げ、「何故できないか?」の説明を本人から説明させる。そして、約束をやぶらない事をコミットさせる。



3.関係の質を変える。
本人とのコミュニケーションの機会を増やす。酒を飲みに行ったりするのかな?

しかし、このサイクルを回しても当然うまくいかない。よって、罰則を強めたり、コメントをしないことに対しての監督自身や他の選手から批判的なコメントが出てきたりする。
本人はますますコメントをしづらいと感じてしまうだろう。


活動があれば、選手も何となく集まってくるし、自分の決定に対して、選手も余り文句は言わないので、監督自身も自分のマネジメントは間違っていないとつい思ってしまう。


監督も選手も「人が集まる以上、叱責や罰則でしばるのも止む無し。」と思考を停止する。


選手も「野球は楽しいしいから行くけど、それ以外は関わりたくないなー」と考えてしまう。


ちょっと話が飛躍するが、試合後のミーティングが無茶苦茶暗かったような気がする。


兎に角、出てくる言葉が「すいません」、「気をつけます」、「・・・・しないようにします。」など大懺悔大会。


具体的には
・エラーなどのミスの振返り
・具体策のない行動のコミット
例)フライを打たないように気をつける
  三振しない
  エラーしない



これらの対策について、どのようにチームで行動していくかは話合われることはなく、結局“気合”や“気持ち(意識)”で片付けられていた。



部活動型のマネジメントでは短期的な成果を得るには最適な方法だ。しかし、指示待ち、必要以上は関わらないとする選手を増殖してしまう。



柏クラシックでは、部活動型のマネジメントを数年前に廃止した。
選手各人が自律に基づいた運営スタイルに変更した。



先のサイクルを逆を回すことだ。


結果の質を向上させるために
1.関係の質
・相手の家族と仕事を尊重する。


2.意識の質
・チーム理念の浸透させる。
・失敗はチーム全体で考える。


3.行動の質
・失敗及び人を責めない
・時間を意識する。



4.結果の質
・選手各人が主体的にチーム関わる(野球以外も含め)



各プロセスについて
まずは当事者から確認することだ。
「・・・どう?」
「・・・できそう?」
「・・・どうしたい?」」


そして、出来た点と改善した方が良い点については、「どうすればよかったか?」「他の代案はないか?」などを対話を通じて引き出すことを心掛けた。


しかし、上手くいかないことの方が多い。それでも監督は粘り強く、先のサイクルを回していくことが大事だ。



緊急事態以外は“人の行動の質”から変えようとしてはいけないのです。(これが結構難しいんだけどね・・・)



では、選手の主体的な行動を引き出す具体事例は次回につづく

合わせて、コミュニケーションを活性化させる“お酒”に活用の仕方も触れてみたいと思います。
(正しいアルコールの付き合い方)


 


 

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