スキャモンの成長曲線+α

スキャモンの成長曲線を知ったのは、
兄ザルが幼稚園のサッカー教室に行き始めた頃だから5年前。

マリノスの「ジュニアサッカー 小学生の練習メニュー」に出てきた。
いたく感動し、「おいおい、こんなのあるの知ってるか」と、職場の後輩に見せたのを覚えてる。
子どももおらず、サッカーもやらに後輩だから、今考えると迷惑な話だ(笑)

この本の第1章は何度も読んだ、なかなか理解できなかったからだ。
全体をきちんと理解できるようになったのは、指導者資格を取るようになってから。
これからも時々読むだろう。


さて、各年代毎の特性としてスキャモンに加えて理解しておくべきことがあるように思う。


1つ目は、動きの自己習得・自己修正能力。

例えば、コーンドリブルを3ヶ月やらせておくと、
ボールに対する体の位置を自然にやりやすい位置のに置くようになる。
キックのやり方を教えなくても、自然に左腕を上げるようになったり、
蹴る前には体幹を前傾させるようになる。

最初は動きが効率良くなかったり、無駄があったりするけれど、それは自然に修正されていく。

人間には、体のつくりに合った合理的な動き=気持ちいいと感じる動き に、
自然に修正していく力があるらしい。

それが子ども達はとても高いんだと思う。
野も柔らかく筋力もないため無理な動きがしづらいこと、
精神的に不快なことを我慢する力がないこと、 
などに加え、野生の勘がまだまだ残ってる気がする。

これが高いのは、やはりゴールデンエイジだろうか。
動きの種類によっては、プレゴールデンエイジが最も高いのかもしれない。


2つ目は、意識したことの強さ、悪影響の大きさ

子どもは言語的・論理的に意識しながら動作をすることは少ない。
なんとなーく見たものを、なんとなーくやってみると、なんとなーくできてしまうものだ。

一方、何かを意識させると極端にそこだけに意識が行ってしまう傾向がある。
「蹴るときは軸足をボールの横において・・・」
と言っただけで、体は固まり、歩きながら蹴れなくなるし、もちろん足は振れなくなる。

大人の場合、
いろんなことを意識してる中に、新たに意識するべきポイントが増えるだけだからいいが、
子どもの場合、言語化して伝えると、それが唯一の意識だから絶対になってしまう。

まだまだ他律期にあたるプレゴールデンエイジでは特に顕著だが、
ゴールデンエイジでも、意識させることの悪影響はかなりあると思う。

もちろん、意識させることで効果がある場合もあるので、そのタイミングと意識させる内容が難しい。

おおまかな目安としては、U-10まではなるべく意識させることを少なく、
U-12では少しずつ意識させることも増やし・・・という按配がよさそうに思うがどうだろうか。


スキャモンと+α2点を踏まえて行うキッズ指導に、言葉の指示はいらない。
子ども達のミラクルな能力を信じ、それを引き出すメニューを考え、
それに集中させる工夫をするのがコーチの仕事だと思う。

コーチが教えようが教えまいが、彼らはできるようになるのだ。




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